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木造天部形立像

ページ番号:698-098-737

最終更新日:2023年8月17日

木造天部形立像

指定情報

指定

《市指定 第52号》 平成10年3月31日

所在地 鯖江市中野町 中野神社
管理者 中野町
時代 平安時代
員数 1躯

概要

 明治41年(1908)、内務省の社寺併合訓令により、中野神社へ合祀されたと推定される。
 像高138.0cm(現状)、桧の一木造である。左肩以下、右腕の一部が欠失し、両足も膝少し下から先が失われている。体中央左寄りに大きな干割れがあり、全体的にやつれている。円筒冠(えんとうかん)を被って、襟を合わせた衣をまとい、(くん)を着けて立つ。
 円筒冠は高く、顔は比較的小さく作るが、頬が張りがっしりとしている。耳は立ち耳として古様を示す。体躯は首を太く長く作り、肩をいからせて腹や腰も太く作り、全体に量感を保っているが、胸や腹部の肉付けは柔らかく、衣正面の衣文もおとなしく整えられる。制作は11世紀前半頃とみられる。表面の干割れとやつれで表情ははっきりしないが、わずかにうかがわれる目鼻立ちは、大きく力強さを感じさせ、体躯の幅とともに本来は優れた像であったことを想像させる。

コラム 天部

 天部(天ともいう)は、インドで信仰されていたバラモン教やヒンズー教の神々を仏教にとりいれて護法神としたもので、本来、天界に住むことから天と称される。大きく貴顕天部(梵天・帝釈天・弁才天・技芸天・吉祥天・訶梨帝母)と武人天部(四天王・金剛力士・毘沙門天・八部衆・十二神将)の二つに分類できる。
 これら諸天はやがて仏教守護神という性格から人々に現世利益をもたらす神として信仰されるように変化していった。

※一般公開はしていません

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