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木造薬師如来坐像

ページ番号:985-557-281

最終更新日:2018年1月10日

指定情報

指定

《市指定 第31号》 平成5年4月23日

所在地 鯖江市下新庄町 医王山(いおうざん)薬師堂
管理者 下新庄町
時代 平安時代中期
員数 1躯

概要

 (けやき)椿(つばき)・いちょうなどの古樹が茂る小丘の上に、かつて小天狗が住んでいたというお堂があり、その中に薬師如来が端座している。
 像高253.0cm、(ひのき)一木造(いちぼくづくり)で、漆箔が施される。頭部および体部の幹部を一材から彫り出し、後頭部および体背面から内刳(うちぐ)りを施す。この根幹材に、両肩以下および両脚部を、別材で()ぎ付ける構造である。納衣(のうえ)偏衫(へんさん)を身にまとい、納衣は左肩で大きく折り返す。左手を曲げ、掌を上にして左足上に置き、薬壷(やっこ)をのせる。右手は曲げて、掌を前にして立て、五指を軽く伸ばす。裳を着け、右足を上にして結跏趺坐(けっかふざ)する。
 頭部が大きいプロポーションで、肉髻(にっけい)部と地髪部の境が明瞭でなく、また螺髪(らほつ)の粒が大きい。さらに、右肩の肉付けは豊かで量感がある。このような特徴は、10世紀後半の仏像に共通するものであるが、本像の場合は、面相部がほっそりとして鼻筋がやや長くなるなど、多少、時代の下がる要素もみられる。従って、製作年代は西暦1000年前後と考えられる。本像の制作当初のものが残るのは、頭体幹部および右肩部のみであり、その他の各部材および表面の塗りは、いずれも後補である。しかし、越前地方に残る平安期まで遡る丈六(じょうろく)像は、珍しいものである。

コラム 小天狗

 武家の血を引く「泰太郎」は、母とともに薬師堂に住んでいた。毎夜、裏山の天狗から武芸と学問を学び成長した泰太郎は、小天狗のあだ名で呼ばれ、荒れ地を開いたり道路を造ったりして村の繁栄に力を尽くしたという。

※一般公開はしていません

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