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木造地蔵菩薩坐像

ページ番号:407-488-644

最終更新日:2018年1月11日

指定情報

指定

《市指定 第37号》 平成7年3月30日

所在地 鯖江市日の出町 王山地蔵堂
管理者 舟津町2・3・4丁目
時代 鎌倉時代初期
員数 1躯

概要

 地蔵は釈迦の入滅後、弥勒が救世主としてこの世に出現するまでの、無仏の世の中に現れて、人々を救済する菩薩である。特に、六道中最も苦しみの大きい地獄の衆生を救うことが、本願であるという。
 像高51.5cm、(ひのき)一木割矧造(いちぼくわりはぎづくり)である。一材から頭体の幹部を彫り出し、耳半ばを通る線で前後に割り矧ぎ、内刳(うちぐ)りを施し、割り首とする。これに、両肩から下まで、両袖先・両手先および両脚部を矧ぎ付ける。額に白毫(びゃくごう)をはめ込む(後補)。納衣(のうえ)偏衫(へんさん)袈裟(けさ)を身にまとい、袈裟は紐でつり、下着を腹前に見せる。左手を曲げて前に出し、掌を上に向け五指を軽く伸ばす。右手は曲げて前に出し、掌を内側に向けて五指を丸める。裳を着け、結跏趺坐(けっかふざ)する。
 白毫や両耳たぶは欠失し、鼻先と三道はすり減っている。また、体背面や両ひじから先、両脚部などの後補や、右耳やあごの彫り直しなどの補修の部分もあるが、頭体部は制作当初のものであり、仏像としてはかなり良いものである。丸顔で目鼻立ちが小さく、真ん中に集まっており、12世紀後半のものの典型的な顔立ちをしている。口許の結び目が厳しく、おとがいが高くなっているのも、鎌倉時代初期のものの特徴である。12世紀まで遡る古い時代の地蔵は珍しいもので、しかも坐像のものは数少く貴重である。

コラム 六道

 この世でなした善悪の行為により、次の世に生まれ変わる六種類の世界(地獄・餓鬼(がき)畜生(ちくしょう)修羅(しゅら)・人間・天上)のこと。地獄・餓鬼・畜生は悪業によって、修羅・人間・天上は善行によって生まれるという。

※一般公開はしていません

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