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狛犬

ページ番号:112-429-842

最終更新日:2018年1月12日

指定情報

指定

《市指定 第43号》 平成9年3月1日

所在地 鯖江市鳥井町 春日神社
管理者 春日神社
時代 室町時代
員数 1対

概要

 広い参道に朱塗りの大鳥居があったので、中世からこの地を鳥井村と呼ぶようになったという。春日神社の本殿は、国の重要文化財に指定されている(国指定建2056号)。
 狛犬は神社拝殿に安置され、向かって左に吽形(うんぎょう)、右に阿形(あぎょう)を配する。像高は阿形が54.5cm、吽形が54.3cm、桧の一木造である。いずれも、尾を除く全容を一材から彫り出し、内刳(うちぐ)りは施さない。これに、尾を()ぎ付ける。表面は素地を生かして木目をあらわすが、一部に白地の彩色(後補)がある。
 吽形は、目をみはるが口は閉じ、角の有無は不明である。阿形は、目を怒らせてみはって口を開き、角は表さない。いずれもたてがみを表し、前肢を立て、後肢を曲げて坐る。保存状態は全体に磨損、虫食いが見られる。どちらも尾を失い、阿形は右前肢先と右後肢先を欠失し、吽形は左後肢先および鼻先を欠失、左耳先が割損している。なお、両像とも左腹部に「天長八年(831)」の針書銘(しんしょめい)があるが、その刻入法や書体などから、後世に記されたものとみられる。
 鎌倉時代の狛犬は、動きの激しい表現が特徴であるのに対して、室町時代になると彫りが浅く、ずんぐりとしたスタイルのものが多くなってくる。春日神社の狛犬は直立したスタイルで、室町時代のものと考えられる。阿吽一対の狛犬として、なかなか優れた出来ばえである。

コラム 阿吽

 梵字(ぼんじ)の第1音がア(口を開いて出す音)、最後がウン(口を閉じて出す音)であることから、万物の初めと終りを指し、「阿」を「悟りを求める心」に、「吽」を「涅槃(ねはん)(悟りの境地)」にあてる。仁王や狛犬が、口を開いた阿形と口を閉じた吽形の一対で置かれているのは、これを表している。

※一般公開はしていません

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