指定 |
《県指定 第147号》 昭和44年4月1日 |
所在地 |
鯖江市川島町 加多志波神社 |
管理者 |
川島町 |
時代 |
平安時代後期 |
員数 |
1躯 |
父・母・子鬼の「木造追儺面」(国指定彫3271号)が奉納される加多志波神社に、同じく安置される聖観音像である。この神社の前身は蓮華寺という堂宇であり、そこの聖観音像が災禍を免れ、現在に伝えられたという。蓮華寺壊滅後、里人が現在の場所にお堂を建立して観音堂と称し、その本尊として崇められたものである。
像高104.0cm、桧の一木造である。頭頂の宝髻から足裾まで一材で彫り出され、内刳りは全く施されていない。表面の漆箔や両足先、光背および台座は、後補である。左手を曲げて蓮華をもち、右手は五指を伸ばして腰のあたりまで垂れている。条帛・裳・膝前に二段にかかる天衣を身にまとって立つ。引き締まった丸顔で、密教像特有の宝髻を高く結び、腰の太い充実した姿を表す。
裳裾の両端に翻りをみせる衣文の刻まれ方には、平安時代前期の趣が残る。しかし、全体的に表現は穏やかであり、衣文の彫り出しもかなり形式化されているので、11世紀頃の地方作と推定される。なお、像の背面には、火災の際の痕跡が残る。
如来:真理を悟った者のことで仏陀・仏ともいう。
釈迦・薬師・阿弥陀・大日など。
菩薩:悟りを求めて修行する者で、将来は如来になることが約束されている。
弥勒・観音・普賢・文殊・地蔵・日光・月光など。
明王:如来が通常の姿では救いがたい衆生を、威力をもって仏教に導くために変身した姿。
不動・愛染・孔雀・金剛夜叉など。
天部:本来はバラモン教など異教の神々で、仏教にとりいれられて護法神とされた。
四天王・金剛力士・吉祥天など。
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