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松平 忠直(1595-1650)

ページ番号:827-000-733

最終更新日:2017年3月24日

2代目 福井藩主松平忠直

 福井藩主の歴代藩主の中で、2代目藩主松平忠直ほどいろいろなエピソードを持っている藩主はいないかもしれません。
 松平忠直は、江戸幕府2代将軍秀忠の兄である結城秀康の長男として文禄4年(1595)に大坂で誕生しました。母は中河一茂の娘です。
 慶長12年(1607)、忠直が13歳の時に父の秀康が病没したため、領地67万石を相続しました。しかし、幼年の忠直の相続には反対するものもあり、就任当初から重臣の間ではいろいろと対立があったようです。慶長19年から翌元和元年(1615)の大坂冬の陣・夏の陣では、総数1万5000余りの兵を率いてこれに参戦しました。ことに冬の陣では真田信繁らを討ち取るという大功をたてたのをはじめ、敵(大坂方)の首3650余りを取り、忠直自ら先陣を切って突進し、夏の陣では大坂城一番乗りを遂げるなど、参加した諸大名の中でも一番の手柄をたてるほどでした。
 しかし、忠直には期待したほどの恩賞はなく、「参議従三位」という位を授かるだけで、領地の加増もなく、忠直にとってみれば不満な日々でした。その後、忠直は次第に酒色にふけり、領内で残忍な行為があるとの評判が立ちました。それに、忠直は江戸へ参勤の途中、無断で国元へ帰ったりして、江戸へ出府しないことが数年続いたとも言われています。このように、忠直は「暴君」としての伝説が残されているようです。

鳥羽野の開発

 忠直の忘れてはいけない治績に、鳥羽野の開拓事業があります。福井藩領であった鳥羽野は南は水落の神明社から北は上江尻付近までを含めた広い地域でした。『越前地理指南』で「御樹木畠アリ、大池アリ」と記されることからも分かるように、この地は原生林が生い茂り、原野に近い状態で、木々が立ちこみ昼でもなお薄暗く、その上、人家は少なく、人々の往来にも困るところで、交通の難所として旅人から恐れられていたところでした。
 

 鳥羽野の開拓事業は初代福井藩主の結城秀康の時から始められています。福井藩主にとって鳥羽野の開拓事業は悲願でもあり、忠直もこの事業を継承し、奉行渡辺長久を中心として本格的な開拓事業を進めました。とくに元和4年(1618)には鳥羽野にある南北に通ずる北陸道を改修し、街道沿いには集落を形成させるため、新たに家作する者には屋敷地を無償でこれを与え、「諸役免除・諸商売構えなし」の高札を立て、その保護奨励を図りました。その結果、人家も建ち始め、岡野村・田所村・鳥羽中村・野尻村の4か村の集落は次第に街道沿いに移住し、さらに五軒町村・中町村・一里塚(町)村・江尻町村といったいわゆる「鳥羽八町」(鳥羽野新町ともいう)が形成され、商工業を営むものがここに集まり始めました。鳥羽野の人々にとっては忠直はまさに神様のような人でした。

 しかし、元和9年3月に忠直は幕命により、豊後国(今の大分県)萩原に配流されることになりました。鳥羽野の人々は大変嘆き悲しみましたが、幕府の命令とあっては仕方がありません。忠直は配流後は、名を「一伯」と改め、僧籍に入り静かな生活を送りますが、慶安3年(1650)9月に56歳をもって同国の津守で亡くなりました。鳥羽野の領民は忠直の死を知ると、庄屋山森助左衛門が九州に走り、廟所の土を持ち帰り、長久寺境内に墓を建てたと伝えられています。これが、現在長久寺境内に残る墓石で、市指定の文化財です。また、鳥羽の八幡神社や琵琶神社には秀康と忠直が祀ってあり、今でもこの二人が郷土の開拓者として尊敬されています。

「暴君」のなぞ

 さて、忠直は本当に「暴君」だったのでしょうか。
 忠直が鳥羽野の開発を行ったことは史実であり、領民からも慕われる藩主であったと伝わることからも、幕府に対して謀反を企てる「暴君」として君臨したとは考えられません。また、鯖江には忠直暴君説を裏付ける資料や古文書は全くありません。
 もしかすると、この「暴君」伝説は、福井藩の勢力を削ぎ、徳川政権を盤石なものとするための戦略の1つだったのかもしれません。

松平家系譜

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