福田 耕(1888-1970)
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最終更新日:2023年2月1日
2.26事件で首相を救った
今立郡片上村吉谷(現在の吉谷町)出身の福田耕の名前を一躍有名にしたのは、昭和11年(1936)2月26日に発生した「2.26事件」です。2.26事件とは、陸軍の皇道派青年将校らが東京永田町一帯を占拠して国家改造・統制派打倒を目指し、首相官邸を襲撃したクーデター事件です。
早朝にこの襲撃で首相岡田啓介が絶命したとの一報を受けた秘書官の福田は、遺骸と対面すべく総理の部屋に入ったところ、殺害されたのは陸軍歩兵大佐松尾伝蔵であることに気が付きます。首相は勇敢な2人の女中の助けで押入れに隠れて難を逃れていましたが、監視の兵隊の目もあったため福田らが救出に動くことは容易ではありませんでした。また、岡田首相は海軍大将でもあったことから、海軍将官の弔問要請や遺骸引き取りの談判の声も時が経つにつれて大きくなっており、首相の暗殺失敗が明るみに出て再叛乱が起こることも時間の問題と思われました。
緊迫した状況が続く翌27日、憲兵曹長小坂慶助の協力を得た福田は、首相を弔問客に紛れさせて救出する奇策を立てます。首相の私邸から「男の老人」の弔問客12名を手配すると、3人の憲兵らとともに「男の老人」が急病を発したと偽り、岡田首相を脱出させることに成功しました。福田耕の著書『栄枯論ずるに足らず』にはこのときの脱出劇が驚きと緊張感をもってしたためられています。
28日、首相は宮中に参内して天皇に無事を報告し、翌日には「岡田総理生存す」の発表が大きく報じられました。
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