切妻造、桟瓦葺、平入り。桁行7間、梁間4間の母屋の周囲に桟瓦葺(一部金属板葺)の下屋が取り付く。東面の南端に玄関があり、その北に入母屋造の屋根をもつ式台を張り出す。式台を入ると、板敷の式台の間があり、奥に居間が続いているが、以前は大きな一室であったと考えられる。式台の間の上手は座敷部で、田の字型に配された8畳の本座敷と座敷、6畳の中の間2室からなり、本座敷の奥に休息間、座敷の奥には仏間がつく。本座敷は内法長押をまわし、天井は棹縁天井で、座敷境の内法には鳳凰の透彫り板欄間もみられ、整った室内意匠を持つ。このような整った座敷構成は江戸時代の越前における大規模民家にも通じるもので旧状を良く留めている。
　幕末・明治期以降に県内で広く普及する切妻造、桟瓦葺の大規模農家の整った事例として貴重である。

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