縦34.5cm、横26.3cm。現状は屏風に仕立てられているが、本来は額あるいは画帖に仕立てられていたものとも考えられる。本図は藤原公任(ふじわらのきんとう)選の三十六歌仙図を歌合形式で描いたもので、「藤原敦忠」が失われているものの、右方（紀貫之～中務）18人と、左方（柿本人麻呂～平兼盛）17人ごとに隻を分けて配置される。総体に絵具の退色や剥落などが見られるものの、当初の姿をよく伝えている。和歌は書体からおよそ数手に分けられるが、歌仙の描写に明瞭な差はみられない。
　近世には数多くの歌仙図が社寺の奉納用や調度品として制作されており、本図もこの時代の傾向を示す作品の一つとすることができる。

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