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所信表明 第354回鯖江市議会定例会(平成17年11月29日表明)

ページ番号:320-099-031

最終更新日:2017年3月24日

 第354回鯖江市議会定例会の開催にあたり、提案いたしました平成17年度補正予算案をはじめ各種議案のご審議をいただくに際し、市政運営に当たっての所信の一端を申し述べますとともに、市政の諸課題につきまして、その概要をご説明申し上げます。

 さて、市長就任2年目となる本年も、はや残すところ1ヵ月余りとなりました。昨年は、組織機構の見直し、ファッションタウンメモリアル事業などの事務事業の廃止・縮減や地域交流センターをはじめとする施設建設の見直しを行うとともに、歳入面では災害査定による国・県からの財源確保を図った結果、単年度収支で平成15年度の普通会計決算3億2,000万円余の赤字から、平成16年度は1億3,000万円余の黒字となり、財政調整基金で8億円余、減債基金で10億6,000万円余を確保することができました。また、本年は、「新しい鯖江市の基礎固めの年」と位置付け、限られた財源の中で、地域の実情にあった自由度の高い施策展開が可能な、市民が成果を実感できる予算編成に心がけ、市民の目線、生活者の視点に立った大胆な事務事業の見直しを行う一方、福井豪雨災害からの早期復興を最重点課題に置き、市民生活により密着した年間総合予算とし、本年度策定いたしました「行財政構造改革プログラム」に基づく「鯖江市単独での持続が可能な行財政構造の確立」に向け、市民の皆様や議員各位のご理解とご協力をいただきながら、全力で取組んでいるところであります。
このような取組みにより、財政の健全化に向けた一つの方向は見えてきているものの、国の三位一体改革をはじめとする構造改革の全体像が見えてこない中で、地方自治体を取り巻く環境はまだまだ厳しさを増すことが想定されますので、今後とも市民の皆様が真に必要とするサービスの選択と効率的な行財政運営に努め、市民参加と協働による身の丈にあった市政運営を市民理解と協力の中で進めることが肝要と考えております。

 また、今年は、鯖江市制50周年という節目の年にあたり、今あるすばらしい鯖江市を築いてきた先人の方々の汗と努力に感謝する絶好の機会となりました。このすばらしい鯖江市をさらに栄えあるものとして、次世代に引き継ぐ責務の重さを痛感しました。
「国から地方へ」、「官から民へ」という潮流の中で、これから築き上げていく新しい鯖江市づくりには市民参加を基本に、市民の皆様と一緒に、知恵を出し合い、汗をかき、共に歩み続けていくことが重要であります。今日までを振り返り、今こそ行政と市民が一体となって自主自立を目指した活力ある鯖江市の実現に向け、職員とともに全力投球することを改めて肝に銘じたところであります。
 また、先月には、第20回国民文化祭・ふくい2005が県内各地で開催され、本市において、地元の繊維素材を活かした「ファッションフェスティバル」、日本の伝統の美である「日本舞踊の祭典」、市民参加による「オペラ」、そして自主企画事業として「立待近松フェスティバル」が開催され、県内外から来られた多くの皆さんに、鯖江市の自然、文化、伝統や地場産業のすばらしさを実感していただけたと思っております。特に、近松フェスティバルには、前夜祭を含め11,000人の方がお見えになり、近松文化の関心の深さを改めて知らされました。  なお、これらの事業に関わっていただいた市民の皆様をはじめ関係者の方々に対しまして、心からお礼と感謝を申し上げます。
 なお、皇太子殿下におかれましては、開会式にお見えになられる際に、本市のめがね企業をご視察になられました。殿下からは、「福井県の重要な産業の一つである眼鏡の工場を訪れ、眼鏡の製造工程を見学し、製作に携わっている方の思いが一つ一つの眼鏡に込められていることが印象に残りました。」とのお言葉をいただき、眼鏡の産地である本市にとって大変光栄で、大きな励みになりました。

 次に、眼鏡見本市「IOFT」についてですが、先月の12日から14日までの3日間、東京のビッグサイトにおきまして、国内最大の眼鏡見本市「IOFT」が開催されました。今回、この見本市に世界20カ国から計400社が出展する中、市内企業を含む福井産地からも眼鏡関連企業68社が出展され、会期中、延べ15,000人を越えるバイヤーで会場内は大変賑わっておりました。産地各社のブースでは、最新の技術と高機能高デザインによる付加価値の高い眼鏡が多数展示される中、活発に商談が行われている光景を目の当たりにし、眼鏡産地鯖江が持つ底力を改めて実感し、大変心強く、頼もしく感じました。今後もこれら見本市等への出展を通じ、国内市場はもとより、広く全世界で更なる販路拡大がなされるものと大変大きな期待をいたしているところでございます。
次に、高速交通の充実についてですが、市では、JRにおける利便性の向上を目的に市民の皆様からのご要望の多い特急サンダーバード号の鯖江駅での停車本数増加を目指しており、先月31日には、「鯖江公共交通・観光振興市民の会」の野村一榮会長とともに、宇都宮道夫JR西日本金沢支社長に停車本数増に関する要請を行いました。

 サンダーバード号の鯖江駅停車は、関西空港へのアクセスや関西方面からのビジネス客のアクセス強化など産業界と関西圏のつながりには欠かせないものであり、本市の特徴である「ものづくりのまち」をさらに活かしていくためにも、今後とも積極的かつ継続的な要望が重要であります。
また、今月5日には、この運動の一環として、「鯖江公共交通・観光振興市民の会」の企画によります鯖江市民号が実施され、250名を超える市民の皆様のご参加をいただき、特別にサンダーバード号を行き帰りとも鯖江駅に臨時停車していただきました。
私も参加させていただきましたが、旅行の途中で「サンダーバード号は車輌も新しく、速くて快適」、「もっと停車本数を増やして便利にしてほしい」など、停車本数増のご要望をたくさんいただきました。
今後とも、「鯖江公共交通・観光振興市民の会」と協働して、サンダーバード号の鯖江駅での停車本数増を目指し、強力に運動してまいりたいと考えております。

 次に、街中の賑わいづくりについてですが、中心市街地の賑わいの拠点として、また「まちなか再生」の起爆剤として建設を進めてきました「鯖江市地域交流センター」、愛称「市民ホールつつじ」が去る10月20日にオープンをいたしました。
さらに、オープンを祝う22、23日両日の「市民ホールつつじオープニングフェスタ」においては、鯖江地区の事業として「さばえを歩こさウォーキング2005」、地元鯖江地区商店街連合会の事業として「秋フェスタ」を協賛イベントとして同時に開催していただくなど、地区・商店街をあげて花を添えていただきました。
「市民ホールつつじオープニングフェスタ」では、仁愛大学生の皆さんにより企画・運営いただきました子ども達とのふれあいイベントなどが催され、館内には両日とも子ども達の歓声が賑やかに響いておりました。このように、これからの鯖江のまちづくりや中心市街地の賑わいづくりにおいては、若さあふれる感覚やセンスを活かしていくことが大切であり、これからも今回お世話になりました仁愛大学をはじめ県内の大学や福井高専の学生さんのお力添えをいただく環境づくりが必要と考えております。
開館以来「市民ホールつつじ」は、多くの市民の皆様のご利用をいただき、当初の予想を上回るご来館をいただいております。
ちなみにお風呂の利用客数でございますが、現在、1日平均100人前後、多い日では130名のご利用をいただいております。それらに併せて、各施設の講座利用者も増える状況にあり、今後「まちなか再生」のシンボル的な施設として、地区や商店街の活性化、地域住民の交流の促進など、中心市街地の賑わいに繋がることを期待しております。
一朝一夕に往時の賑わいの復活は望めませんが、「市民ホールつつじ」のオープンを契機として、地域の皆様とともに、知恵を出し、汗を流し、創り出してまいることが重要であります。

 10月から毎月第2日曜日にTMO構想に基づいて開催されている本山誠照寺境内での「誠市」も大きな賑わいを見せております。今月13日の「誠市」には、40数店が出店して1,000人以上のお客様が来られるなど、大変な賑わいを見せており、これも歴史と文化の観光資源である「本山誠照寺」を活用した中心市街地の活性化を促す新たな取り組みとして、今後ますますの盛況を期待しております。
 また、地域交流センターと併設されておりますケアハウスについてですが、事業者と年間賃貸料2,100万円余で賃貸借契約を結び、10月16日より入所を開始いたしました。現在、定員50名のところ37名の方が入所し約75パーセントの入居率となっています。

 次に、現在策定中の第4次鯖江市総合計画についてですが、今月16日、総合計画審議会から、今後5年間の新しい鯖江市づくりの基本方針を示す、基本構想案と基本計画案から成る総合計画案のご答申をいただきました。
基本構想案では、市民が主人公となり、力を合わせて、より良い地域社会をつくり上げることを意味する「融和と協働」が、まちづくりの基本理念に置かれております。また、市民参加による「自主・自立した個性ある分権のまちづくり」を将来都市像として、これを実現していくための「活力を支える快適な生活基盤づくり」「活気あふれる産業づくり」「ぬくもり感じるふれあいづくり」「未来を担うひとづくり」という4つの基本目標が掲げられ、新しい鯖江市づくりの基本的な方向性が明らかにされております。

 基本計画案は、人口、経済などの主要な指標の見通しや施策の体系を明らかにした総論と、基本目標の実現に向けた施策の内容を明らかにした各論で構成されております。さらに、総合計画を市民にわかりやすい計画とし、また、計画の進捗管理、評価を行うことで実効性を高めるための、52の数値指標が設定されております。
審議会には、この半年間、部会を含め、延べ20回に及ぶ審議をいただき、大変な御尽力をいただいたところでありますが、その集大成としまして、答申に際し、今後の総合計画の策定と計画推進にあたっての配慮すべき4つの項目についてご提言いただいております。
 一つ目は、民間の活力の導入など市民が主体のまちづくりを中心とした、市民と行政がともに歩む、「融和と協働」による市政の推進であります。
 二つ目は、市民共通の願いである安全で安心な暮らしを保つための、市民、事業者、行政が連携した、信頼と安らぎが感じられるまちづくりの推進であります。
 三つ目は、「ものづくり産業」「歴史、伝統、文化」「健康長寿」「都市基盤の整備と都市機能」など魅力ある本市の資源や特性を活かしたまちづくりの推進であります。
 四つ目には、「自主・自立を目指した健全な行財政基盤の確立」を目指した本計画の着実な推進であります。
 今後は、この答申の趣旨を最大限に尊重し、パブリックコメントや地区・町内・各種団体への概要説明などを実施し、広く市民の皆様のご意見等をお聞きし、反映した市民と共有できる総合計画づくりを目指してまいります。

 また、総合計画において各施策の具体的な事業計画を体系づけ、各年度の予算編成の指針となります実施計画につきましても、今後、来年度当初予算編成事務と平行して策定を進めてまいります。なお、これらの目標を計画期間中に達成するためには、社会経済情勢に的確に対応しながら、効率的、弾力的に施策を推進することが必要と考えております。また、実施計画については、適切な進行管理をすることといたします。
このような形で総合計画全体としての最終的な調整を行いましたのち、基本構想につきましては、来年の3月議会に議案として提案させていただきたいと思いますので、議員各位の特段のご理解を賜りますようお願い申し上げます。
 小泉内閣が進める「官から民へ」、「国から地方へ」の構造改革は、先の衆議院選挙において国民の強い支持を得たことにより、三位一体の改革をはじめとする地方分権改革のスピードはさらに加速されるものと思っております。その受け皿となる地方自治体は、今まで以上に「自主・自立した自治体」が求められており、行財政基盤の強化や政策、法務、経営能力の向上に努めるとともに職員の意識改革を進めることが肝要であり、最大のサービス業として民間企業に負けない市役所づくりが急務であります。

 また、三位一体の改革においては、先月12日には「第10回国と地方の協議の場」において、地方六団体として、平成18年度までに3兆円の税源移譲を確実に実施するとともに、残された6,000億円については地方の改革案の中から実施すること、地方交付税については、「基本方針2005」を踏まえ、地方団体の安定的財政運営に必要な総額を確保すること、引き続き平成19年度以降も「第2期改革」として更なる改革を強力に推進することなどを要請したところであります。
このような中、地方財政計画、地方交付税の骨格、財源を含めた地方財政の方向性が国から示されないという不透明な状況であり、さらに、国では新規国債発行を平成18年度当初予算編成で32兆2,000億円との方針が示されておりましたが、先般30兆円に近づけるという指示が新たに出されたところであります。この新規国債発行の削減分の影響は、年金や医療費の削減、そして公共事業や地方交付税の切り込みに結びつくのではないかと憂慮しているところであります。 また、地方交付税については、特別交付税の合併、災害関連への割り振り分や地方交付税の単位費用の大幅な見直しなど、一段と厳しさを増す状況となっております。

 それでは、市政の諸課題の主なものにつきまして、申し上げます。
はじめに、平成18年度当初予算編成方針についてですが、三位一体の改革が不透明な中での当初予算編成となりますが、行財政構造改革プログラムに示した目標値の達成を図る中で、第4次総合計画の初年度にあたることから、「市民参加と協働による自主自立のまちづくり」の推進を基本方針として、創意と工夫を凝らした鯖江市独自の特色ある予算編成に努めてまいります。
 予算編成にあたり、鯖江市独自の特色を創出する一例として、健康で自立した期間が、県内の8市の中で一番長いということで、「健康長寿」に着目した健康で元気なまちづくりとか、平成16年度県の人口動態調査での全県下トップの人口増加数を捉えた若者に魅力のある「住みたくなるまち」の推進などが考えられます。
 また、鯖江市は、面積も狭く、人口密度も県下2位、一定の都市機能等の整備もされ、効率的で社会基盤整備が進んでいるまちとなっています。このすばらしい環境と県の中心部に位置しているという利便性を本市の特徴として活かしながら、鯖江らしさのある予算編成に努めてまいります。

 次に、来年4月の導入を目指しております指定管理者制度についてですが、9月定例会における設置管理条例改正の議決を受け、公募対象の7施設については、施設ごとに選定委員会を設置し、公募を行い、応募企業、団体によるプレゼンテーション、選考審査を行っていただき、先般その結果報告を受けました。また、非公募対象の7施設については、団体から申請書の内容審査、協議を通じまして、候補者の選定を進めてまいりました。
このような経過を経て、市として最終的な候補者の選定を行い、今定例会に指定に関する議案を上程させていただいたところであります。
この指定管理者制度の導入は、国の「民間にできることは民間へ」という民間開放のひとつとして制度化されたもので、本市では、市民サービスの向上と運営管理経費の節減を目的として導入を行うこととしたものであります。
そのため、候補者の選定にあたりましては、市民の平等利用の確保を必須の要件として、応募者が提案した市民サービスの向上や経費削減に向けた企画内容および管理能力等を総合的に判断する方法により、民間委員の参画も得て選考を行ってまいりました。

 なお、減免の取り扱いについては、今までどおりの利用を妨げることがないよう、これまでの利用実績を踏まえた額を指定管理料に含めるものとしています。また、導入後の適正な管理運営を確保するため、議決後に締結をいたします協定では、利用者からの苦情処理、リスク分担、市への報告、指導や立ち入り調査の実施などについて明確にして、適正な管理運営が図られるよう努めてまいります。
 なお、民間開放に向けた潮流への対応としましては、現在、国で試行されております官民競争入札制度、いわゆる市場化テストの本格導入に向けた動きを注視しながら、本市としても、行財政構造改革プログラムにも位置付けているとおり重要な課題として、今後とも調査、研究を行ってまいります。
 また、下水道施設における「性能発注の考え方に基づく包括的民間委託」を導入することとし、今議会に、債務負担行為を上程させていただきました。
この委託方法は、国の「下水道小委員会報告」を受けて、国土交通省から「性能発注の考え方に基づく包括民間委託のためのガイドライン」として公表されております。
本市におきましても、このガイドラインを受けて、民間事業者が施設を適切に運転し、放流水の水質や汚泥処理の基準など一定の性能を発揮することを要件に、当面、3年間を基本に包括的民間委託を導入し、専門技術者による安全で安定した水処理・汚泥処理を実行し、維持管理のコスト削減に努めたいと考えております。

 次に、広域行政についてですが、ご承知のとおり、先月の1日に旧武生市と旧今立町の合併により越前市が誕生し、今月の6日に市長選挙が行われ、奈良俊幸氏が初代越前市長にご就任されました。心からお祝い申し上げます。
本市と旧武生市とは、これまで丹南地域の中核をなす都市として、それぞれが持つ個性と特性を活かしたまちづくりを推進する一方、業務の効率的、効果的な運用を目的とした丹南広域組合、丹南病院組合の設置や介護認定審査会、図書貸出など個々の事業においても広域連携を推進してきたところであります。
今後の広域行政の課題としましては、本市が地形的に越前市の川下に位置することによる治水における防災面や河川、地下水の水質などの環境対策、産官連携による広域観光や社会保障制度の対応など、より事業効果が期待できるものについては、広域連携を進めることが重要と考えております。
 また、東部下水道事業については、旧武生市と旧今立町の合併により、この事業も越前市に引き継がれたわけでありますが、今月22日、越前市長に引き続き覚書の遵守と誠意ある対応をお願いしたところであります。奈良市長からは、誠意を持って対応させていただきますとのことでございました。
私としましても、関係地域住民の立場に立ちながら、諸関係機関との調整を図る、とのこれまでの考えになんら変化はなく、引き続き、越前市はもとより、県および関係機関に対し働きかけを行ってまいります。

 次に、本年9月にうるしの里会館において、ジャパン漆サミットを開催いたしましたが、各産地とも厳しい状況の中、越前漆器は業務用漆器産地であることでこれまで培った市場への適応性や市場ニーズにいち早く対応した製品づくりで、全国産地の中でも健闘しているとのことでありました。
今、越前漆器産地では、「作るだけの産地から売ることのできる産地」への転換を目指し、消費者の声を取り入れた商品開発に向けた取組みを行っているところですが、丹南地域には、本市の越前漆器の他に、越前市の越前和紙、越前打刃物、そして越前町の越前焼と福井県を代表する伝統工芸の産地が集積しています。そこで、先般、3市町の商工会議所、商工会、組合、行政で構成する「越前伝統工芸連携協議会」が発足され、「越前ブランド」の確立に向け動き始めたところであります。この越前伝統工芸の連携への取組みは、個人市場へのマーケティングを進める上で、その効果を相乗的に高めていただけるものと確信しており、大いに期待しているところであります。
今後も、4つの伝統的工芸品のそれぞれの持ち味を活かした販売戦略や観光開発に向け、市としましてもトップセールスの役割も担いながら、産地の活性化や産業観光の取組みに対する支援を積極的に行ってまいりたいと考えております。

 次に、商工業の振興についてですが、福井豪雨による被害の影響を最小限にくい止めるため、今年1月に創設した無担保、無保証人とする「中小企業経営健全化支援資金制度」は、平成16年度の4億円に引き続き平成17年度も6億円を設定して、中小企業の資金需要に対応してまいりましたが、12月を待たずに融資枠の6億円に達しました。年末から3月にかけて、新たな資金需要の発生が予想されますので、今回新たに融資枠を2億円拡大したいと考えております。

 次に、企業誘致についてですが、税収の増加、雇用の確保を目的としまして、全国の自治体で大変熱心に取り組まれており、本市としましても地域経済活性化の目玉として最優先に取り組んでおります。
今年4月には助成金額の引き上げや、面積、新規雇用条件の大幅な要件緩和を中心とします企業立地促進助成金制度の一部改正を行うとともに、借地借家助成金や立地成功報酬制度の創設等を盛り込みました時代ニーズに即した対策を講じたところであります。
現在の助成金制度の適用状況についてですが、旧制度によります適用企業が2件あります。今回の補正予算では、株式会社 鯖江村田製作所の工場等の増設による企業立地促進助成金1,214万7,000円を計上しております。

 また、4月以降の新制度による新規適用企業数ですが、下河端区画整理地内への進出を中心にしまして、IT関連企業など5件の適用を決定しております。
今後さらに、金融機関や宅建業界の皆さんと連携して、市内企業の市内での工場等への増設、また、市外企業の誘致活動をさらに推進してまいります。
次に、神明地区の活性化についてですが、アゼリアの閉店や国の施設の統廃合の方針による、来年1月の福井地方法務局鯖江出張所の武生支局への統合、3月末での神明苑の閉鎖があります。また、本年12月には鯖江警察署の下河端への移転といった主要な官民施設がなくなるという、神明地区にとって大変憂慮すべき状況にあります。
アゼリア跡地については、先般開発予定事業者から土地利用に係る計画概要の提出がありましたので、地元への説明を早期に開催していただくことと、神明地区にふさわしい住宅建設や地元要望の強い商業施設の出店について計画の中に入れていただくことを強く要望いたしました。

 また、神明苑については、本年10月から独立行政法人に移管され、現在譲渡計画について検討しており、年度内にはその方向が出てくると思っております。
今後は、神明地区市街地活性化について、民間活力の導入等も積極的に推進することが重要でありますので、受け皿づくりとしてまちづくり交付金制度の活用や国道417号のバリアフリー化、北野水落線の早期整備を進めることが重要と考えております。

 次に、農業問題についてですが、今年3月に閣議決定された「新たな食料・農業・農村基本計画」の重要施策の一つとして、先月27日に、経営所得安定対策等大綱が決定されました。この大綱では、従来の価格政策から所得政策への転換が図られ、平成19年産から品目横断的経営安定対策が導入されることが明記されています。
ひとつには、これまで全農家を対象として品目毎の価格に講じてきた対策を、担い手・集団に絞り、経営全体に着目した対策に転換するもの。ひとつには、産業政策と地域振興政策を区分して農業施策を体系化する観点から、品目横断的経営安定対策の導入と同時に、農地・水・環境の保全向上対策を新たに導入するというもので、今回の農政改革は、これまでにない広範かつ大規模なものとなっています。
市といたしましては、平成19年産からの政策転換に向け、関係団体が一体となって、集落営農の組織化などを含めた担い手の育成・確保を図るなど、制度の円滑な実施に向けた準備を進めていきたいと思っております。また、平成18年度におきましては、認定農家の基準を、概ね6ヘクタールから4ヘクタールへ見直しを行うと同時に、集落営農の概ねの基準を10ヘクタールに下げまして法人、組織化を奨励してまいりたいと考えており、来月には、市内各集落を対象とした座談会を開催し、変革の内容などをお知らせするとともに、集落の担い手対策・農地保全などについてご意見などを聞き取りさせていただくよう準備をしております。今後とも国県の動向を注視し、また、市独自の地産地消による食農教育や女性、熟年者による就農環境の整備など地域の実態にあった農業対策の充実が必要と考えております。

 次に、県施行の鞍谷川災害復旧助成事業についてですが、事業を進めるにあたり、多くの用地取得と家屋等の移転が不可欠であり、地権者をはじめ関係者の皆様には大変なご迷惑とご心労をおかけしております。
進捗状況につきましては、9月中旬から10月中旬にかけて、地権者や関係者のご協力をいただき、一部の区域を除いて丈量測量を実施し、現在は詳細な潰地面積の確定作業を行っております。
12月中旬頃には、ご理解を得られた集落の地権者を対象に説明会を開催し、潰地面積や買収単価の提示を行い、地権者のご理解とご協力をいただきたいと考えており、用地等の協力が得られた所から早期に着工し、市も一体となり平成20年度完成に向け最善を尽くしてまいります。
本事業は、平成16年度から20年度までの5ヵ年事業であり、総事業費は約130億円の規模であります。平成16年度に約70億円、平成17年度に約20億円の予算化がなされておりますが、これまでに消化した事業費は、測量・調査設計等の調査費として数億円規模であり、16年度予算の約70億円は17年度に繰り越されました。今回、さらにその大部分を地元調整が厳しいことから、会計制度の最終年度として許される18年度に繰り越しを行わなければならない事態となっております。
平成16年度事業費を平成18年度に繰り越すためには、今年度内の契約完了が必要不可欠であることから、何としても地権者をはじめとする関係集落のご理解を得なければ今後の事業進捗が危ぶまれることとなり、大変苦慮しております。
今後、全精力をかけ、誠心誠意全力で取り組んでまいりますので、議員各位の更なるご支援とご協力をお願い申し上げます。

 次に、吉川東地区農業集落排水事業の処理場建設についてでありますが、石田3ヶ町の住民の方々ならびに吉川東地区の推進協議会の皆様方と精力的な協議を重ね、一定の方向を確認することができました。石田上町の一部および吉川東地区内の新興団地を吉川東地区の排水処理区に入れることと、処理水を石田川に放流する方向で、解決に向けて最終の協議を行っているところでありますが、一日も早い、吉川東地区の供用開始に向けて努力いたします。

 次に、文化行政の推進についてですが、本市は、豊かな文化、美しい景観と景勝をもち、優れた産業を基盤に、長い歴史を形成してまいりました。鯖江の歴史を物語る文化財といたしまして国指定文化財として、王山古墳群や兜山古墳のほか、鎌倉時代に作られた木造追儺面、江戸時代はじめに再建された春日神社本殿、福井県最古級の旧瓜生家住宅があり、このほか、式内社舟津神社の歴史や中世の山城として知られている三峰城、親鸞聖人ゆかりの車の道場や、鯖江本山誠照寺があり、鯖江藩七代藩主間部詮勝公が拓いた西山嚮陽渓や、間部家の菩提寺である万慶寺などが所在しており、私たちのふるさと鯖江には、こうしたすばらしい文化遺産が数多く残っております。
とりわけ、近世の元禄時代に、浄瑠璃・歌舞伎作者として大成した近松門左衛門翁が幼少期から12年余を、ここ鯖江の地ですごしたという歴史的ゆかりは、大きな文化遺産であります。近松越前出身説は、平成15年箕面市の瀧安寺(ろうあんじ)で近松門左衛門直筆の写経の発見から研究が進められ、今日では学会においてもゆるぎないものとして定着していることから、近松の里鯖江を全国に発信していきたいと考えております。鯖江のさまざまな歴史的・文化的な資産を鯖江市の宝とし、歴史を活かしたまちづくりに取り組み、どこにもまねのできない、鯖江らしさを考えた施策を展開することが重要と考えております。
 また、地域において大切に保管されている文化財についても、積極的に市指定文化財・県指定文化財にするなど、「地域の宝」を文化振興のシンボルとし、市民が郷土に愛着と誇りと夢を持ち、市民のみなさんが、身近に地域の誉れを感じることのできるまちづくりを推進してまいりたいと考えております。

 次に、公立保育所の給食につきましては、昭和39年から順次、民間業者からの搬入に切り替え現在に至っておりますが、本年6月10日には「食育基本法」が制定されるなど、食の安全安心や食指導の充実、食事の大切さを自覚させる知育、徳育、体育の基本となる食育への関心が高まってきております。特に、その中で乳幼児が1日の大半を過ごす保育所においての給食は、大変重要視されております。
市では、園児の皆さんが、小さいときから食育を通して健やかな成長を図るため、公立保育所での自園調理による暖かい給食を来年度からの3箇年事業として取り組んでまいりたいと考えており、平成18年度は、神明、石田、河和田第一の3保育所での実施を目指し、その準備費用として400万円を今回の補正予算に計上をさせていただきました。

 次に、今冬の除雪対策についてですが、気象庁発表の北陸地方3ヶ月予報によりますと、平均気温は平年並か高く、降水量および降雪量も平年並か少ないと予想されておりますが、市といたしましては、今月22日に「鯖江市雪害対策関係行政機関等連絡会」を開催し、関係行政機関が除雪基本計画を持ち寄り、連携を密にするための確認を行いました。12月1日には、鯖江市雪害対策要綱に基づく「除雪対策本部」を市役所に設置し、雪により市民生活に支障を来すことのないよう、関係機関との連携を十分に図りながら、万全の体制で対処してまいります。
年末を迎えて、降雪や路面凍結など道路環境が悪化しますと、違法・迷惑駐車された車両が原因となる交通事故の増加が懸念されます。また、各種事件や事故の発生が危惧されることから、未然防止を図り平穏な市民生活を確保するため、市民生活の安全・安心の確保に努めてまいりますので、議員各位のご指導、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

 それでは、本日ご提案いたしました主な議案について申し上げます。
議案第88号 平成17年度鯖江市一般会計補正予算(第4号)について、その主なものを申し上げます。
今回の補正予算では、まず少子化対策の一環として子育て支援の充実を図るため、現在中河保育所に併設しています子育て支援センターが手狭になってきたため、来年4月から西山公園管理事務所を活用し、移転したいと考えておりますので、そのための施設整備費に800万円を計上いたしました。さらに、幼稚園における3歳児保育を新年度では進徳、鯖江東、豊の3幼稚園でも実施していくために、その準備費用として168万円を計上いたしました。これにより平成18年度からは市内全幼稚園で3歳児保育を実施することとなり、子育て支援の環境が充実するものと考えております。

 次に、本年度からの新規事業として取組んでおります河和田地区のまちづくり交付金事業に新たに6,000万円の事業費を増額し、大門橋の架け替えと河和田中道線の整備に4,000万円、下水道の支線整備に2,000万円を充て、豪雨災害からの復興とあわせて河和田地区の歴史や街並みを活かしたまちづくりの早期整備を進めてまいりたいと考えております。
そのほか、今回の補正予算は、私立保育所運営事業費や障害者支援費、児童手当など民生費関係の年間所用見込み額の増加に伴う増額や職員給与の改正や人事異動などに伴う人件費の減額5,312万円余が主なものであります。
この結果、一般会計では、2億1,520万円を増額補正し、平成17年度の予算総額は、226億6,750万円となり、昨年の12月補正後と比較しまして10.3パーセントの減少となりました。また、昨年の減税補てん債の借り換え分11億3,980万円を差引いた実質ベースの比較でも6.1パーセントの減となりました。

 また、議案第89号から議案第93号までは特別会計等の補正予算であり、国民健康保険事業特別会計、介護保険事業特別会計、農業集落排水事業特別会計、下水道事業特別会計を合せて、特別会計では4億6,088万円を増額補正し、水道事業会計で152万5千円を減額補正いたしました。このうち、農業集落排水事業特別会計と下水道事業特別会計では、平成18年度から農業集落排水施設と環境衛生センターの水処理、汚泥処理施設の管理を民間事業者に委託する「包括的民間委託」方式を導入するために債務負担行為を設定いたしました。
以上の全会計の補正予算を合せた、平成17年度の鯖江市の予算総額は440億6,229万3千円となり、昨年の12月補正後の予算と比較いたしますと6.1パーセントの減少となりました。

 次に、議案第95号は、人事院勧告に基づき、一般職の給料月額を0.3パーセント減額する給料表の改定と、配偶者に係る扶養手当の500円減額、勤勉手当の0.05月の増額が主な内容であります。
その他の議案につきましては、それぞれ記載の理由に基づき提案いたしました。

 以上、私の市政に対する所信の一端と市政の諸課題、補正予算案等について申し上げました。何とぞ、ご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。

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