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第398回鯖江市議会定例会での提案理由説明(平成26年11月26日表明)

ページ番号:615-710-726

最終更新日:2017年3月24日

 第398回鯖江市議会定例会の開会に当たり、平成26年度補正予算案をはじめ各議案のご審議をいただくに際し、市政運営に当たっての所信の一端を申し述べますとともに、市政の諸課題につきまして、その概要をご説明申し上げます。
 はじめに、文化の館内にある鯖江市図書館が「Library of the Year 2014」において、これまでの「ライブラリーカフェ」やオープンデータとの連携による取り組みなどが評価され、大賞に次ぐ優秀賞を受賞しました。この賞はこれからの日本の公共図書館のあり方を示唆する先進的な活動を行っている機関に対し、NPO法人知的資源イニシアティブ(IRI)が2006年より毎年授与している賞であり、IRIメンバーおよび外部推薦で選出された32施設・団体・サービスの中から選ばれたもので、県内初の受賞となりました。併せて、昭和63年に「市民に開かれた図書館を創ろう」という呼びかけでスタートした「さばえ図書館友の会」の長年の活動に対し、全国図書館大会において、公益社団法人日本図書館協会から感謝状が授与されました。これらは本市の図書館行政における市民協働の取り組みが評価されたものであり、今後の活動に大きな励みとなるものであります。
 また、今年も公益財団法人日本デザイン振興会が主催するグッドデザイン賞が発表されましたが、本市の眼鏡枠メーカー「シャルマン」の金賞受賞などとともに、河和田アートキャンプを実施する「うるしの里活性化推進事業実行委員会」が地域づくりデザイン賞を受賞しました。学生たちの創作活動と地域住民が若者の生活をサポートする姿が、地域に根ざした地域活性化デザイン活動として高い評価を受けたことによるものであり、参加学生はもとより、活動を支える地域の人たちにとっても今後の活動への励みとなるものであります。福井豪雨災害におけるボランティア活動をきっかけにスタートした河和田アートキャンプも今年で10回目となり、これまでに参加した学生は実数で700人を超えました。このアートキャンプを経験し、河和田地区に定住した若者が中心となる賑わいの創出に向けた活動もスタートしており、彼らの活動が刺激となり新たな定住者の増加と河和田地区の活性化が期待されています。
 さらに、第49回「全国漆器展」において越前漆器協同組合が団体最高賞である内閣総理大臣賞を受賞しました。通算11回目、4連覇という偉業であり、今やその技術は日本一という評価もされております。越前漆器に携わる皆様はもとより、鯖江市民にとりましても大変名誉なことであり、産地の方々のこれまでのご努力に対し、心からの敬意を表するものであります。

 次に、昭和30年1月15日に今立郡・丹生郡の2町5村が合併して誕生した本市は、来年1月に市制誕生60年の還暦を迎えます。合併当時、7,859世帯、39,024人の人口が、今年11月現在では22,807世帯、68,969人に増加するなど先人の英知と弛まぬ努力により、本市は大きな発展を遂げてきました。この60年間の先人の歩みに感謝するとともに、「ふるさと鯖江」にますます誇りと愛着を持ち、さらに「住みたくなる・住み続けたくなる“ふるさと鯖江”」を目指すため、来年1月15日の「ふるさと鯖江の日」に「市制60周年記念式典」を開催します。式典には本市の発展にご支援いただいた多くの関係者をお招きし、市政功労者や市制60周年記念表彰を行うとともに、合併祝賀祭で披露された「祝賀行進曲」の合唱をはじめとした市民参加によるアトラクションが披露されます。年明けには陸上自衛隊中部方面音楽隊による記念コンサートや市民参加型吉本新喜劇の上演も予定されており、市民の皆様とともにさらなる「ふるさと鯖江」の飛躍を誓う記念日にしてまいります。
 次に、千六百本のもみじの名所である西山公園では、今月8日と9日に「2014さばえもみじまつり」が開催されました。当日はおもてなしテント市や呈茶サービス、親子ふれあい写生大会などに加え、新たなイベントとして、「結びの広場カフェ&JK 課とボーノ夢菓房コラボスイーツ販売」や西山公園と街なかを回遊する「もみじを奏でるさばえスタンプラリー」、「ボランティアガイドと歩くさばえ街なかツアー」を開催し、2日間で約10,700人の人出となりました。
 また、このもみじまつりに併せて今年で2回目となります「ペケーニョサバエバル2014」が開催され、市内外の皆様が西山公園や商店街、鯖江駅周辺での飲み歩きや食べ歩きを楽しまれました。公園内では、もみじがライトアップされており幻想的な夜のもみじも楽しんでいただいております。今後も西山公園から街なかへの回遊性を高めるため、積極的に四季を通して楽しめる西山公園の魅力発信に努めてまいります。
 次に、11月22日の小雪を過ぎ、いよいよ本格的な雪の季節となりました。今年も全国各地で異常気象による災害が多発する中、雪害に対しても、関係機関が一体となった対策を講じることが必要となります。本市では立冬の今月7日に除雪対策本部を設置するとともに、10日には「雪害対策関係行政機関等連絡会」を開催し、雪害対策を能率的かつ効果的に実施することや市民生活の安全を確保するための連絡調整を図ったところであります。
 市民の皆様には、除雪作業に支障が出ないよう違法駐車や車道への雪投げはしないなど、冬の生活モラルの遵守をお願いするとともに、関係機関と一体となった市民協働による雪に強いまちづくりに努めてまいります。
 また、平成25年5月に発足した新生防犯隊についてでありますが、現在は136人の隊員が防犯パトロールや防犯意識の啓発などにご活躍をいただいております。このたび、女性防犯隊員として11人の方が加わることになり、女性の視点を取り入れた極め細やかな見守り活動を通して、子どもたちや高齢者の安全確保に努めていただくことになりました。
 「自分たちの地域のことは自分たちで守る」を合言葉に、警察や自治会などとの緊密な連携を図ることで、より一層の地域防犯力の強化につながることを期待しております。

 それでは、当面する市政の諸課題について申し上げます。国政では去る21日に衆議院が解散され、来月14日に総選挙が実施されることになりました。安倍内閣が最重要課題に掲げる地方の人口減少問題に関して、安倍総理は今月6日の有識者会議において、今後5年間の地方創生に向けた「総合戦略」と「長期ビジョン」の骨子案を提示するとともに、現在、年内の策定に向けた調整が進められております。この人口減少抑制に向けた取り組みの理念を定めた「まち・ひと・しごと創生法案」と地域支援策の申請窓口を内閣府に一元化する「地域再生法改正案」の「地方創生関連2法案」についても先の臨時国会において成立しており、地方にも平成27年度中の地方版総合戦略」と「地方人口ビジョン」の策定を要請するとしております。今後はこれらの計画を背景にした地方自治体独自の創意と工夫による取り組みに対し、国家公務員の地方への派遣を制度化する「日本版シティマネージャー制度」や国が相談窓口を設け積極的に支援する「地方創生コンシェルジュ制度」の創設、さらには地方自治体が地域活性化や人口減少対策などに柔軟に使える新たな交付金、いわゆる「地方創生交付金」を創設する方針などが決定されております。地方における「少子化対策」ならびに「人口流出防止対策」には、安定した雇用の場の確保が肝要であり、地域産業の育成や地方に企業が拠点を置きやすいような税制の構築、さらには6次産業化など競争力ある農林水産業の展開、女性の雇用の場の確保など、「住みやすい地方」の実現に向け、国と地方が一体となった取り組みが必要となります。
 本市は昨年11月から12ヶ月連続で対前年同月比において人口が減少しておりましたが、11月の住民基本台帳では1年ぶりに6人の増加となりました。これまで県内自治体で唯一人口が増え続けてきた背景には、交通利便性の高いコンパクトな市域の中に、産業集積や素晴らしい自然、歴史、伝統、文化さらには市民力など、本市の地域資源を活かした魅力的なまちづくりがあると考えています。

 既に、地方創生に向けた取り組みを推進するため、「若者が住みたくなる・住み続けたくなる“ふるさと鯖江”創生本部」を立ち上げ、チタン加工技術などの要素技術を活かした新産業の創出をはじめ、まち美化に市民協働で取り組むことや、オープンデータの活用による住みよいまちづくりなどの各種施策の具現化に向けた取り組みを始めておりますが、コンパクトシティの実現に向けた二次交通網の整備なども組み入れた、「鯖江版総合戦略」の策定にも取り組んでまいります。
 こうした、国の動きを受けての新年度の予算編成に向けた動向についてでありますが、国においては「中期財政計画」に基づき、「平成27年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針」が示されました。しかし、2年連続で具体的な歳出の上限を設けなかったことにより新年度予算の概算要求は101兆円超と膨らみ、さらに総選挙の影響により予算編成作業が遅れることが危惧されております。
 地方財政の分野においても、8月末には2015年度予算編成に向けた基本的な考え方を示す「地方財政の課題」も提示され、地方創生と人口減少の克服に向けて、新たな地方財政措置を検討していく方針が明記されました。この中では、地方の一般財源総額はほぼ今年と同水準の61兆6千億円が見込まれていますが、国の当初予算の概算要求での地方交付税は、出口ベースで前年比8,400億円減の16兆450億円とされています。
 一方、本市の財政見通しは、歳入の根幹をなす市税収入のうち、主要税目である固定資産税が地価下落や評価替えなどにより、また法人市民税についても税率改定の影響等により減収が見込まれるとともに、扶助費等の社会保障関係経費、長期借入金にかかる償還金など義務的経費が依然高い水準で推移すると予想され、国においても多額の借金を抱える財政状況においては、地方交付税や臨時財政対策債もこれを補うほどの伸びは期待できない状況にあります。

 また、公営企業会計や特別会計の市債残高の合計は一般会計を上回る299億円余となっており、今後はその償還に加え老朽化した関連施設の維持・更新コストの増大が懸念されることから、特別会計への繰出金も増加する見込みとなっております。
 このように国の動向が不透明で、本市の財政見通しも厳しい中ではありますが、先月29日に予算編成方針を示し、現在、各部において作業を行っております。人口減少社会の到来や超高齢化社会の進行など、社会経済情勢の大きな変化に的確かつ迅速に対応していくためには、旧態依然の考え方や取り組みにとらわれず、新たな視点や価値観で事務事業の内容や手法を検討していく必要があります。このことを踏まえ、本市の平成27年度当初予算編成においても26年度に引き続き、ゼロベースで予算を見直すためにシーリング方式を行わず、各部がマネジメント機能を発揮しながら、他部局や市民、企業、団体、NPO、学生等との連携を一層進めるとともに、事務事業の抜本的な再構築に取り組むこととしております。
 国における概算要求基準においては、「新しい日本のための優先課題推進枠」として3兆9千億円の特別枠を設け、人口減少の下で地方活性化や経済成長につながる施策に重点配分することとされました。本市の当初予算編成におきましても、「若者が住みたくなる 住み続けたくなる“ふるさと鯖江”創生枠」ならびに「若手職員チャレンジ枠」の創設や行財政改革の推進など、10項目からなる編成方針の大きな柱を設定しました。特に、「“ふるさと鯖江”創生枠」の創設につきましては、本格的な人口減少社会を見据え、人口問題への対策を全庁的に推進するため、鯖江から国を変える意気込みで積極的かつ斬新な提案を期待するものであります。従来からの市政運営の柱である「学生連携のまちづくり」や「市民主役のまちづくり」、「オープンデータによるITのまちづくり」に加え、「若者に魅力あるものづくり産業の創出」や「市民との協働による“まち美化システム”の構築」の5項目を鯖江版「優先課題」と位置付け、これらを推進するための施策について、財源を重点的に配分してまいります。

 また、市民との協働の施策として、アイデアや事業を実現するために必要な経費をインターネットで広く資金を集める「クラウドファンディング事業」を12月からスタートし、その第一弾として、文化センター沿いの駅東線へのつつじの植栽事業に対する資金募集を開始します。毎年、県外からも含め多くの方が参加する「つつじマラソンコース」をつつじの花で彩り、まち美化事業も兼ねて道路景観の向上を図るとともに、つつじのまちをアピールするこの事業に共感していただける方からの出資による財源確保を図ってまいります。新たな資金調達手段であるこの制度を活用し、「鯖江市役所JK課プロジェクト」など、今後、鯖江を盛り上げる活動を行うNPOや個人・企業等を支援することで、地域活性化を図るとともに、本市の事業についても財政負担の軽減ならびに情報発信の観点から積極的な活用を図ってまいります。
 併せて平成27年4月から制度改正が予定されている「ふるさと納税制度」も積極的に活用してまいります。国においては控除額の引き上げや手続きの簡素化が検討されておりますが、この制度をさらに活用することで、都市部から地方への税収移転が進み、地域活性化にも有用と考えております。お礼品にもさらなる工夫を加えるとともに、あらゆる機会やネットワークを活用し、本市の魅力の情報発信に努めてまいります。
 さらに、市民の皆様の行政への参加意識の向上に向けた施策として、昨年度に引き続き、「元気さばえっ子・ゆめみらい債」を発行します。募集期間は12月12日から19日で福井銀行の市内5店舗で取り扱います。本年度は、発行額を6億円に増額し、14日の日曜日も鯖江支店にて受付を行うなど、より多くの方に購入いただける機会も設けてまいりますので、ぜひ多くの市民の皆様にご購入いただきますようお願い申し上げます。
 引き続き、多様化する市民ニーズに的確に対応するため、新たな財源の確保と経常経費の縮減に取り組み、厳しい中でも夢の持てる持続可能な行財政運営の確立に努めてまいります

 次に、北陸新幹線の建設事業について申し上げます。9月11日に鉄道・運輸機構から概略設計図案の提示があり、高架橋や昇降路などの設置が予定されている構造物について説明がありました。その後、市や土地改良区の施設管理者との協議を経て、地元町内との設計協議が行われ、去る10月22日に開催された吉谷町青葉台をもって1回目の協議はすべて終了したところであります。協議の中では高架橋の高さや付け替え道路等に対する意見のほか、騒音や振動、工事期間中の通学路や生活道路の確保など、新幹線建設にまつわる様々な意見や要望が出されております。
 設計協議を終えての意見や要望については、すでに中野町をはじめ3つの町内から提出されており、その他の町内についても、年内を目途に提出される予定となっております。市では、沿線町内から寄せられた要望に適切に対応するため、庁内の「鯖江市北陸新幹線整備連絡会議」や「北陸新幹線整備推進チーム」と連携を図りながら、地域住民の立場に立って、機構や県とともに誠意を持って対応してまいります。
 次に、JR鯖江駅の2階を活用した「えきライブラリー事業」についてでありますが、12月下旬のプレオープン、来年1月のオープンを目指して現在、施設の整備を進めております。この事業は市民協働パイロット事業として、NPO法人の「小さな種ここる」と「Comfortさばえ」の協働事業体が運営にあたり、「tetote(テトテ)」と名付けられた施設では、市図書館の一部の蔵書を貸し出し可能とするほか、カフェやライブハウス等の機能も有しており、JR鯖江駅前の新たな賑わい創出につながるものと期待しております。
 次に、つつじバスについてでありますが、新幹線開業や市街地の活性化などの課題を解決し、暮らしやすいまちづくりや賑わいのあるまちづくりを進めるうえで、つつじバスの役割は今後ますます重要となってまいります。平成27年度は「オンデマンド方式」を取り入れた予約運行を「歴史の道線」で実証実験するとともに、目的地までの速達性や幹線交通であるJRや福井鉄道との結節、近隣市町との連携など、多目的な機能を有する利便性の高い二次交通網の再構築を目指し、各種データの収集などに取り組んでまいります。

 次に、第5次総合計画の改訂についてでありますが、9月29日に1回目の総合計画審議会を開催し、「総務」「教育民生」「産業建設」の3部会を設置し、44の基本施策改訂案に対するご審議をいただいております。今月28日には、2回目の全体会を開催し、各部会からの報告に基づき、基本施策の改訂案を取りまとめてまいります。
 次に、「うるしの里かわだ元気再生プロジェクト」についてでありますが、9月20日と21日の両日、「河和田くらし巡り」を開催し、職人工房や漆器店が開放され、モノづくりの現場やまち並み、食文化などを楽しめるイベントとなりました。今年の「中道アート」は中道通りや大門通りに加え、新たに改修された寺町通りが加わったことで、回遊性のあるまち歩きイベントになるとともに、片山町にも参加いただき、地域住民の皆様の「おもてなしの心」あふれる河和田地区の魅力が満載された2日間となりました。
 また、ラポーゼかわだの未利用施設であった「木遊館」を大人数が宿泊できる施設として改修してまいりましたが、ようやく11月末に工事完了の予定となりました。この施設は、学生やスポーツ少年団の合宿用途の宿泊施設としての利用のほか、ダンス・ヨガ教室、小集会など多様なニーズに合わせて利用いただける多目的ホールとしての利用も見込まれており、指定管理者と連携し、ラポーゼかわだの新たな魅力となるよう、有効活用に努めてまいります。

 それでは、次に主要な事業について申し上げます。まず、ものづくり産業の振興に関して申し上げます。今年も10月25日から27日までの3日間、「さばえものづくり博覧会2014」が開催されました。今年は「発信!鯖江ブランド」をテーマに、精密機械のものづくりのまちである長野県岡谷市からの出展も含め183事業所の出展があり、眼鏡・繊維・漆器の地場産業をはじめとする伝統的な匠の技や、世界に誇る精緻な技術・技法から生み出される各種製品をはじめ、世界に誇れる「チタンの微細加工技術」など、これまでに培われた高度な産業技術の「技」をPRする場となりました。最終日には、恒例となりました市内3中学校の1年生全員による見学会やベストブースコンテスト、国際化セミナーが開催され、今後の市内産業の発展ならびに後継者育成につながることを期待しております。また、10月11日から3日間、東京・上野ものづくり商業施設「2K540」において、今年で3回目となります「鯖江いいもの見本市」を開催しました。期間中、眼鏡や繊維、漆器といった鯖江を代表する商品や竹製品、木製品などの地元の隠れた名品を展示、販売するとともに、越前漆器伝統工芸士らによる実演や眼鏡ストラップづくりの体験なども実施し、鯖江のものづくりの素晴らしさを知っていただく機会となりました。このような機会を通して、地元の人はもとより、都会で生活されている皆様に、本市への移住・定住やふるさと納税のPRなどにも努め、多くの皆様に鯖江の魅力を発信してまいります。
 一方、今年も10月20日から3日間、東京ビッグサイトでメガネの総合見本市である「IOFT2014」が開催され視察してまいりました。会場規模は年々縮小傾向にあるものの、産地からは昨年に比べて3社多い計61社の出展があり、各ブースでは世界最高峰の技術を基に最新の機能とデザインが盛り込まれた眼鏡が出品されており、活発な商談が交わされていました。会場では産地を代表する複数の経営者の皆様から産地の現状はもとより、今後の目指すべき方向性や具体的な振興策として、産地鯖江での眼鏡見本市の開催や地域ブランド確立を熱望する声などを伺うことができました。
 また、8月から9月にかけて3回シリーズで開催された「ものづくり鯖江未来創造会議」からも、市の産業振興に向けた提言をいただきました。座長である羽木福井工業大学産学共同研究センター長から、本市の地場産業の方向性として、既存の高度な要素技術を活かした「メディカルバレー」を目指すことや、成長分野である医療やウェアラブル端末関連分野への進出が急務であること、さらには今後の人口減少社会に対応するべく、若者に誇りと魅力を感じることのできる地場産業を目指すことで、「若者が住みたくなる、住み続けたくなるものづくりのまち鯖江」の実現につながるということをお示しいただきました。市では、去る9月補正予算において「成長分野チャレンジ支援事業補助金」を創設するとともに、新年度に向けて、国の地方創生の枠組みを活用した新たな支援策も模索しているところであり、地方創生のモデルとなるような産地振興策を組み立て、国や県に産地支援への声を届けてまいりたいと考えております。

 次に、農業振興についてでありますが、現在、国が推進している経営所得安定対策や水田フル活用、米政策の見直し、農地中間管理事業の創設など一律的な農業政策が本市の農業の実情と乖離した部分があり課題となっております。今年の米価の下落や生産コストの上昇など、農業を取り巻く情勢が厳しい中、本市の持続的な農業の振興に向け、基幹作物である水稲ではブランド米の「さばえ菜花米」を継続して振興してまいります。平成27年産米は、18名の方により31.9ヘクタールの作付けが計画されておりますが、品質向上と食味値アップが大きな課題となっています。県やJAと協力しながら、品質向上のための機械整備や食味値アップのための実証圃場での栽培、土壌調査結果の極め細やかなフォローアップなどを検討してまいります。
 また、本市の持続的な農業には、麦、大豆、そば、新規需要米等への支援に加え、水田園芸の振興も必要不可欠となります。現在、今年1月に策定しました「鯖江市園芸プラン」に基づいた特産物であるブロッコリーの産地化に向けた取り組みを進めておりますが、この秋には1団体、2件の農家により、3.6ヘクタールの圃場から約9万個が出荷される見込みとなりました。今回、モデル圃場で得られた栽培技術や費用、労力、売り上げなどのデータを検証し活用することで、新たな栽培農家の育成と産地化に取り組んでまいります。
 次に、農村環境の整備についてでありますが、平成25年度より湛水防除事業で実施しております中河排水機場の改修事業については、現在、1基目のポンプをオーバーホールしており、来年の梅雨時期までには2基ともに整備が完了する計画となっております。
 また、本年度より実施しています用排水路や取水施設および農道の改修事業の進捗についてでありますが、八ヶ用水の日野川取水口や上河端町の鋤ヶ崎頭首工の改修、立待排水機場の改修につきましては、測量業務と土質調査を終え、河川協議等を行いながら、設計業務を行っており、年度内には設計を終える予定となっております。さらに、市内排水機場の稼動状況がわかるテレメーターシステムについても年内発注を目指し作業を進めております。 
 一方、上野田町の消雪設備についても年内には完了する見込みでありますし、舟枝町・橋立町の排水路については、下流側から順次、工事に着手し、一部区間においては年度内の完了を目指しております。

 次に、環境施策について申し上げます。今議会に環境市民条例の一部改正を上程させていただいておりますが、きれいなまちづくりの推進に関する美化活動への支援や他の模範となる環境活動への顕彰項目を追加することで、今まで以上に、市と市民、事業所、民間団体等による積極的なまち美化活動が推進されるものと考えております。
 一方、ごみの減量化・資源化を促進するため、平成27年度から15年間を計画期間とする「ごみ処理基本計画」を策定し、3R活動を中心としたごみの減量化・資源化施策を計画的に進め、収集から最終処分に至るまでの適正処理を推進してまいります。ごみ問題懇話会において、既に委員の皆様のご意見等をもとに計画案を作成したところであり、今後、パブリックコメントなどを通して、市民の皆様のご意見もお聞きしてまいります。
 次に、国が平成27年度から本格的な実施を目指しています「子ども・子育て支援新制度」について申し上げます。本市の子どもたちが健やかに育つ環境を整備するため、新制度の導入に向け、昨年10月から「子ども・子育て支援事業計画」の策定を進めております。
 鯖江市子ども・子育て会議では、この1年間で計8回の会議を開催し、本市の今後5年間の子ども・子育て支援の指針となる計画案をまとめ、昨日、答申を頂いたところであります。
 この案では、基本理念を「子どもの育ち 親の育ち 地域で支え合う 子育ての輪」とし、「子どもにとっての良質な教育・保育の提供」「子育てを支える支援事業の充実」「子どもと親のふるさと意識の醸成」「仕事と子育ての両立の推進」など、7つの基本目標のもと、保護者をはじめ市民、地域、企業、関係団体などと行政が連携・協働し、各種施策を推進することとしております。地域全体で子どもと親の育ちを支援することや、少子化が進行し人口が減少する時代にあって、故郷に自信と誇りを持ち、将来の鯖江を担ってもらえるよう、親と子のふるさと意識の醸成を施策の一つに位置づけた内容がこの計画案の特徴と考えております。
 今後は、国の動向を見据えながら、この答申をもとに最終的な計画案をまとめ、安心して産み育てられる施策の充実に努めてまいります。

 次に、都市整備の状況について申し上げます。道の駅「西山公園」がオープンしてから約半年が経過しましたが、これまでに市内外から多くの皆様に足を運んでいただいており、4月のオープンから10月末までの半年間で、正面入り口カウンターのみの集計でありますが、当初の年間見込みである25万人に迫る23万5千人の来場者となりました。冬は来場者の減少が見込まれることから、一年を通して多くの皆様に来場いただけるよう、指定管理者とともに新たな企画を検討してまいります。
 また、上水道の配水池跡地を活用した動物園の拡張計画についてでありますが、本市と連携協定を締結している国立大学法人福井大学との共同で計画策定を進めております。4月以来、市民や専門家を交えた4回のワークショップを開催し、この拡張計画に関するハード・ソフトの両面から検討してまいりましたが、ようやく基本計画がまとまりました。引き続き、福井大学との共同で実施設計を進め、西山動物園開園30周年に当たる来年の5月中旬には工事着工、年度末の3月には完成の予定となっております。道の駅との相乗効果で、西山公園がますます多くの人が集う交流の場として利用されるものと期待しております。
 次に、西尾鯖江停車場線五郎丸踏切の拡幅と歩道整備事業についてでありますが、現在、JRとの間で踏切の線形などの計画協議を行なっており、年度内には概略設計を行う予定となっております。この路線は小学校の通学路であり、踏切が前後の道路より狭隘であることから通行に危険な状況となっておりますので、早期の整備を要望してまいります。
 また、歩道の段差を解消するバリアフリー化と電線類の地中化を進めている国道417号の本町・桜町間の歩道整備につきましては、現在、市民ホールつつじから鯖江商工会議所間の歩道工事を行っており、年度内の完成を目指しております。工事期間中、騒音や交通規制、悪路等により、ご迷惑をおかけしておりますが、ご理解とご協力をお願いしま す。
 平成25年12月より橋梁の老朽化に伴う架替工事を行ってまいりました市道片山3号線の八幡橋につきましては、現在、上部工の架設を終え、床版の工事を行っており、年内の完成に向けて、取付け道路も整備してまいります。

 次に河川の改修についてでありますが、浅水川下流部と鞍谷川、河和田川下流部につきましては、全面的に改修工事が進められており、治水安全度が向上してまいりました。浅水川では今年度完成に向けて、米岡橋と三六橋の間、さらに天神橋下流の低水護岸の工事を行うとともに、鞍谷川では川島町水落堰の右岸側部分の工事が完成し、現在、左岸側の取水堰のゲートの取付工事を行っており、年内には完成する予定となっています。引き続き、上下流の護岸工に着工し、順次整備を行っていく予定となっております。
 また、吉野瀬川の放水路工事につきましては、仮設工事が終り、現在、分水堰の本体工に取りかかるとともに、仮称白鬼女高架橋の上部工の一部を架設しており、年度内の完成を目指しております。現堤防のかさ上げ工事につきましては、予備設計を基に現在河川協議を行っているところであり、吉野瀬川流域の安全・安心を早急に確保するため、放水路の完成に合わせて着工できるよう越前市と一体となって要望してまいります。
 一方、平成22年度に新規採択されました別司町荒木川の砂防工事についてでありますが、現在、砂防堰堤の本堤工の工事を行っており、年度内には完成する予定となっております。 堰堤完成後には工事用道路の復旧に取りかかる予定となっており、これらの事業が一日も早く完成し、住民生活の利便性ならびに安全性が確保されるよう、引き続き国や県に要望してまいります。

 次に、ITのまちづくりに関してでありますが、10月9日から11月末までの約2ヶ月間、ITで行政の活性化を支援する「Code For Japan」の事業として、ドイツに本社を置く世界的な企業「SAPジャパン」から本市に職員を1名派遣していただいております。世界で初めての事例となる「コーポレートフェローシップ」によるもので、アプリを活用した市民生活の利便性向上や地域の活性化に向けた提案をいただきます。その前段として、今月23日には「デザインシンキングinさばえ」が開催され、新しい手法により多彩なアイデアが出されました。ITは市民の皆さんに楽しく豊かに暮らしていただくために大きな力となるとともに、本市が目指す市民主役のまちづくりに欠かせない力になってきています。そのため、今月15日には、従来の「市民主役フォーラム」と「IT推進フォーラム」を一つにした「未来創造フォーラム」を開催しました。市民の皆様の元気な活動紹介の後、未来への活動や課題に対して助言や提案がされました。会場内では、「ウエアラブル」に関するシンポジュームやスマートグラスなど端末機器の紹介コーナーもあり、本市の明るい未来が共有できた一日となりました。

 それでは、本日ご提案しました主な議案について申し上げます。議案第45号一般会計補正予算案についてその主なものを申し上げます。今回の補正予算は、人事院勧告に伴う職員給等の補正、決算見込みを見据えた扶助費の増額、次年度の予算執行に向けて準備作業を伴う債務負担行為の設定などについて補正するものです。
 まず、総務費では、このたびのクラウドファンディングを活用した事業開始に伴うサイトの使用料や広報などの諸経費として100万円、コミュニティバスの次年度の運行に向けたバス停時刻表の修正などに125万円、マイナンバー制導入に向けた中間サーバーの共同化・集約化のためのプラットフォームの整備負担金として98万1千円を計上しました。
 民生費では、利用者の増などにより、児童デイサービス等事業費、施設生活支援事業費、グループホーム等支援事業費、生活保護費などの扶助費に1億6千980万円を計上しました。
 農林水産業費では、JAたんなんが建設予定の西部ふれあいセンターのブロッコリー等水田園芸作物用予冷庫導入補助として184万円、担い手への農地集積推進事業費に300万円を計上しました。
 土木費では、クラウドファンディングを活用し、つつじマラソンコースへの植樹桝設置、つつじ植栽等を行い、道路景観の向上とつつじのまち鯖江をアピールする事業に380万円を計上しました。
 次に、教育費では、小・中学校の新年度用の机、椅子などの備品購入費として580万円を計上しました。
 その他、人事院勧告ならびに人事異動に伴う調整による職員給与費や、特別会計への繰出金の補正に4千865万3千円、また、次年度予算執行に向けてのコミュニティバス運行業務委託、ごみ収集委託料などの債務負担行為の設定などを計上しました。これらの結果、一般会計の補正額は2億3千830万円で、補正後の予算総額は246億8千230万円となり、昨年の12月補正後と比べ0.05パーセントの増となりました。
 また、特別会計におきましては、国民健康保険事業、介護保険事業など各会計において所要の補正を計上しました。これにより、特別会計等を含めた平成26年度の鯖江市の予算総額は、430億7千350万円となり、昨年の12月補正後と比較して1.6パーセントの増となりました。
 次に、議案第55号から議案第57号は指定管理者の指定についてでありますが、来年3月で指定期間が満了します3施設について更新手続きを行ってまいりました。公募しました「スポーツ施設等」と「夢みらい館・さばえ」につきましては、施設ごとに選定委員会を設置し、厳正かつ公平な審査を行い、引き続き、現在の指定管理者である「一般社団法人鯖江市体育協会」と「夢みらいWe」を候補者として選定し、非公募の「立待体育館」につきましても現在の指定管理者である「鯖江市体操協会」を候補者とすることとしました。候補者からは専門的な立場からの新たな取り組みのご提案もいただいており、さらなる利用者の満足度向上につながるものと考えております。指定管理期間は、事業の継続性や安定性、優秀な人材の確保、機器のリース期間などを考慮し、引き続き5年間とするとともに、期間中には外部評価も実施し、利用者の安全の確保ならびに満足度向上等に取り組んでまいります。
 その他の議案につきましては、それぞれの理由に基づきご提案しました。
 以上、私の市政に対する所信の一端と今回提案しました議案について申し上げました。何とぞ慎重にご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。

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