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第399回鯖江市議会定例会での提案理由説明(平成27年2月25日表明)

ページ番号:642-153-337

最終更新日:2017年3月24日

 第399回鯖江市議会定例会の開会に当たり、平成27年度当初予算案をはじめ各議案のご審議をいただくに際し、市政運営に当たっての所信の一端を申し述べますとともに、市政の諸課題につきまして、その概要をご説明申し上げます。
 はじめに、この冬の除雪対応についてでありますが、年末大晦日から年明け2日にかけて強い寒気が南下し、元旦の午前8時前には本市に大雪警報が発令されました。1日夜半からの24時間降雪量は平地で40センチメートル、山地で60センチメートル前後を観測し、元旦早朝から関係職員によるパトロールや情報収集を実施するとともに、2日と3日には市内全域に除雪車を出動させ、道路除雪を実施したところであります。この降雪による一部の市道において、除雪業者の担当区域の変更やオペレーターの交代等により、除雪が十分に行き届かず、ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。今後、さらに関係機関との情報連絡を密にした市道除雪を行うとともに、市民の皆様との協働による除雪体制のあり方についても検討してまいります。
 次に、去る1月15日「ふるさと鯖江の日」に、市制60周年記念式典を執り行いました。式典には西川県知事、山崎参議院議長をはじめとするご来賓各位や市政功労者の皆様など、市内外から約千人の関係者にご出席を賜りました。各界各層でご活躍いただいている皆様からは、「鯖江市は、これからも大きな飛躍を遂げる魅力的なまちであり、今後の発展に期待している」との応援メッセージをいただき、市政を預かる責任の重さを感じ、改めて身の引き締まる思いであります。今年も眼鏡産業生誕110周年、西山動物園開園30周年、世界体操開催20周年と記念すべき年となりますが、市議会をはじめ市民の皆様のご理解とご協力を賜りながら、市民一人ひとりのお力を明日の陽に嚮(むか)って結集し、市民主役・市民協働のまちづくりに取り組んでまいります。
 次に、今年10月1日を基準日として、20回目となります国勢調査が全国で実施されます。この調査は、5年に一度、すべての人と世帯を対象に実施される国の最も重要な統計調査であり、国や各地方自治体の行政施策の基本数値となるもので、本市においても人口の推移が気になるところであります。今回の調査からインターネットによる回答も可能となりますので、市民の皆様には積極的にご利用いただきながら、正確な調査結果の取りまとめにご協力をお願いいたします。
 また、同じく今年10月には、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」、いわゆる「マイナンバー法」に基づき、市民の皆様に「マイナンバー」が一斉に通知されることになります。来年1月には本人からの申請により個人番号カードが交付され、さらに平成29年7月からは国の情報ネットワークを利用した情報連携が開始される予定となっております。福井県丹南広域組合においても、自治体クラウドを利用したシステムの構築を進めており、今後は庁内関係部署が連携を図りながら、制度の円滑な導入に向けて準備を進めてまいります。

 次に、国の地方創生への取り組みを受けた本市の対応について申し上げます。国は昨年末に「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を発表するとともに、今月3日には約3兆5千億円の「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」を盛り込んだ補正予算を決定しました。この補正予算には、「地域住民生活等緊急支援のための交付金」として、「地域消費喚起・生活支援型」に2千500億円、「地方創生先行型」に1千700億円、計4千200億円の交付金が計上されており、本市においてもその有効的な活用に向けて国や県ならびに地元関係機関と調整してまいりました。その結果、「地域消費喚起・生活支援型交付金」を活用した事業では、さばえプレミアム商品券を2万9千セット、さばえものづくり商品券を1万2千枚の発行を予定しております。また、多子世帯等には、さばえプレミアム商品券へのさらなる上乗せを図り、より購入しやすくするとともに、要介護高齢者への生活支援として、給付型の商品券発行も予定しており、その消費喚起効果は市全体で約4億1千万円を見込んでおります。
 一方、「地方創生先行型交付金」を活用した事業には、次世代に向けた新産業の育成支援や、都市部からのIターン者誘致に向けた事業、オープンデータの推進によるITを活用した市民協働事業などを計画しました。新年度では国が示した「長期ビジョン」や「総合戦略」をもとに、本市の地域特性を活かした「鯖江版総合戦略」を策定することになります。魅力ある雇用や都市部からの新しい人の流れの創出、若い世代への結婚・出産・子育て支援、オープンデータの推進、二次交通網の整備、ふるさと教育の推進などを基本として、各界各層からのご意見をお聞きしながら、「若者が住みたくなる・住み続けたくなるまちづくり」に向けた計画を策定してまいります。

 それでは、本市の平成27年度当初予算の概要について申し上げます。まず、国の平成27年度一般会計予算案につきましては、去る1月14日に閣議決定され、その歳出規模は96兆3千420億円と過去最高となりました。これは、歳入面では、税収が4兆5千億円増の高水準になると見込んだこと、また、歳出面では急速な高齢化による医療や介護等の社会保障費が1兆円増えたことなどによるものであります。安倍首相は「経済再生と財政再建化を同時に達成する予算になった」として、「全国津々浦々に景気回復の成果を届けたい」と強調し、経済の重点課題の筆頭に「地方創生」を掲げました。先の消費喚起に向けた交付金などを計上した平成26年度補正予算を合わせると、3兆円を超える予算が地方創生のために投じられることになり、雇用増や賃上げで消費が活発になり、景気回復の果実が地方にも届くよう、補正予算に続く本予算の1日も早い成立を望むものであります。
 この国の動きを受けた本市の予算編成についてでありますが、「地方財政対策」ならびに本市の「予算編成方針」に基づき作業を進めてまいりました。 主な歳入では、地方交付税を45億2千万円見込む一方、市税は給与所得の増などにより個人市民税は1億1千500万円の増を見込んだものの、平成26年度の申告状況から法人市民税を1億2千万円、土地の評価額の下落などにより固定資産税を7千万円それぞれ減額するなど、対前年比1億円減の87億円を見込みました。また、昨年度からの消費税増税に伴う影響額が平年化されることにより、地方消費税交付金を3億7千万円増の12億円を計上しました。
 景気回復の波が地方ではまだまだ実感できない中、自主財源の確保は各自治体の課題であります。税制改正により減税対象となる寄付額の上限が2倍になる「ふるさと納税」の普及に積極的に取り組むとともに、昨年12月よりスタートした「クラウドファンディング」も活用するなど、自主財源の確保に努めてまいります。
 一方、歳出においては、施設生活支援費や私立保育所運営事業費などの扶助費は伸びているものの、消費税増税に伴う低所得者への臨時的な救済策であった臨時給付金事業費の縮小により民生費が3千670万円余の減額となりました。また、道路整備事業や下水道事業特別会計への繰出金の増により土木費が2億2千88万円余の増額となったことに加え、小中学校の非構造物の落下防止や鯖江公民館の改築に伴い、教育費が12億2千639万円の増という大きな伸びになりました。また、国の緊急経済対策に対応し、3月補正予算において「地域住民生活等緊急支援のための交付金」を活用した事業を計上しておりますが、当初予算においても、オープンデータ推進事業や移住定住促進事業など市独自の事業を計上しております。
 以上、本市の予算編成方針のもと、地方創生に投じられた国の予算にも対応した平成27年度一般会計当初予算は、総額256億3千600万円と過去最大となり、地方から国を変える意気込みで「鯖江モデルの創造」予算を編成しました。

 次に、当面する市政の諸課題について申し上げます。まず、総合計画の改訂についてでありますが、第5次総合計画の目標年次である平成26年度末を迎えるに当たり、地域産業の成長分野へのシフトや将来の本市を担う若者のふるさと教育の推進、さらには幹線交通網と二次交通網の連携整備など、人口減少への対策も含めて基本計画の内容を見直し、目標年次を2年間延長する改訂版を策定しました。この計画のもと、「若者が住みたくなる・住み続けたくなるまちづくり」に向け、市民が主役となり、ともに支え助け合い、市民と行政が一体となったまちづくりを推進してまいります。
 次に、北陸新幹線の進捗状況について申し上げます。現在、建設主体の鉄道・運輸機構と沿線町内との設計協議が行われており、各町内からは概略設計図案に対する意見や要望のほか、騒音、振動など工事期間中の対応に関する質問や要望も提出されております。既に機構からの説明も行われており、理解の得られた町内から速やかに用地測量に移行できるよう準備が進められております。去る、1月14日には北陸新幹線金沢・敦賀間の3年前倒しが正式決定されたほか、与党プロジェクトチームでは、金沢・福井間をさらに2年前倒しする先行開業についても検討に入りました。県内の自治体や経済界からは、「大きな進歩」「夢の実現が近づいた」と後押しする声が上がっており、県と沿線自治体では、開業予定である平成34年度に向け、速やかに用地取得に取り組むことなどを確認したところであります。本市におきましても4月からは県に2名の職員を派遣することで応援体制を整備するとともに、住民目線に立った対応に心がけ事業の円滑な推進に努めてまいります。
 また、今後の急激な人口の減少と高齢化社会を見据え、コンパクトなまちづくりと地域交通の再編など、将来のまちづくりの在り方の検討も必要となります。新年度では、「立地適正化計画」の策定に着手するとともに、コミュニティバスを中心とした二次交通網の充実と幹線交通網とのネットワーク化が課題となってまいりますので、「鯖江市地域公共交通活性化協議会」を設置し、総合的な公共交通体系を構築する「地域公共交通網形成計画」を策定してまいります。

 次に、この4月から新教育委員会制度がスタートします。この改革では、教育の政治的中立性、継続性・安定性を確保しつつ、教育行政の責任の明確化、迅速な危機管理体制の構築、首長と教育委員会との連携の強化が図られたところであり、今議会において新教育長の設置に備えた関係条例の改正を上程したところであります。また、今回の教育委員会制度改革の大きな柱である「総合教育会議」の設置についてでありますが、教育に係る重要施策等について、私と教育委員会とが協議・調整する場が設けられることになりました。これまでも地域の特色や専門性を活かした教育の実践を図るため、総合計画の進捗管理や予算の編成等を通しまして、市と教育委員会とのコミュニケーションを十分に取るなど、共通認識の醸成に努めてまいりました。大綱策定や教育に関する重点施策の協議などを通しまして、これまで以上に相互に尊重し、真摯に教育振興に取り組んでまいります。
 次に、鯖江公民館の改築事業についてでありますが、歴史上、この地域に鯖江陣屋があったことから、切妻屋根や白壁、格子窓など、旧街道沿いの町並みを考慮した明るい和をイメージしたデザインが取り入れられております。また、大ホールには本市初となる可動式座席の導入や東西に通り抜けできる駐車スペースの設置、館内すべてがバリアフリー化されるなど、機能的にも地域に開かれた利用しやすい施設となる予定であります。工事期間中、仮事務所は本町通りの空き店舗に設置するとともに、公民館事業につきましては、他の公共施設を利用できるよう調整を進めているところであり、地元の皆様や利用者の皆様にはご迷惑をおかけしますが、新年度内の完成を目指してまいりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。

 それでは、次に主要な事業について申し上げます。
 まず、産業振興について申し上げます。本市は眼鏡部材の一つであるチタンの精密加工に代表される高度な金属加工技術が集積する地域であります。近年、これらの技術優位性を活かして、「メディカル」や「ウェアラブル端末」分野への進出の動きが産地内に芽生えつつあります。市では、新技術開発に加えて、「国際医療機器見本市」等への出展や海外市場における医療機器等の流通調査、鯖江が誇る高度な加工技術に関する情報の発信など、世界の市場を視野に入れた販路開拓を支援してまいります。
また、「めがねのまち鯖江」元気再生事業についてでありますが、新年度においては、「ウェアラブル端末・スマートグラス」の拠点化を目指した産地体制の強化に取り組んでまいります。IT関連企業等の協力を得て、鯖江産地ならではのスマートグラスを試作・開発し、IT関連の見本市等にて発表することで、スマートグラスの開発も可能な眼鏡産地としての新たな知名度と認知度の獲得を目指してまいります。
 次に、越前漆器産地の地方創生に向けた取り組みについてでありますが、伝統工芸の技法を学ぶ県外大学と連携し、インターンシップ等を通して越前漆器産地への理解を深めるとともに、若者を産地に呼び込むことで、新たな後継者育成に繋げてまいります。また、創造的なものづくり産地に向けて、うるしの里会館内に3Dプリンターやレーザーカッター等を備えたシェア工房を整備するとともに、首都圏の大学とも連携しながら、伝統工芸とITを活かした最先端技術・デザインの融合による職人の顔が見える商品販売や産地の魅力発信など、海外消費者もターゲットにした事業にも取り組んでまいります。
近年、アートキャンプ参加者をはじめ、職人志向・デザイン系の大学生の中から、河和田地区に移住し地場産業への就職を希望する若者が出てきています。しかし、この地区には民間賃貸住宅がなく、若者や女性が一人で住むには、空き家は「広すぎる」などの問題もあることから、居住場所の確保が課題となっています。その解決に向けて、空き家をシェアハウスとして整備し、経済的自立、生活安定の基盤が整うまでの居住場所として供給してまいります。
 また、最近の社会情勢の変化に鑑み、男女がともに活躍できる環境、特に女性が活躍できる環境づくりや多様な働き方ができる環境づくり、ワーク・ライフ・バランスの推進などが求められています。本市でも「第四次鯖江市男女共同参画プラン」を策定し、男女共同参画社会づくりのさらなる推進にも取り組んでまいります。

 次に、農業振興について申し上げます。国は、本年度より農業を足腰の強い産業としていくため、経営所得安定対策および水田フル活用と米政策の見直し、農地中間管理機構の創設など、新たな農業政策を推進しております。本市の平成27年産米の生産目標数量は7千296トンと示され、先月末に農家の皆様には対前年比1.7パーセント増となる転作率34.5パーセントをお願いしたところであります。国は平成30年産からは、目標数量を示さずとも農家自らの経営判断による生産で、将来に亘り持続可能な農業を確立しようとしております。本市ではブランド米である「さばえ菜花米」などの水稲作物を中心に、新規需要米や大麦、大豆、ソバの推進に加え、ブロッコリーや施設園芸の経営検証を行い、この結果を生かした効率的かつ収益性の高い複合経営を推進してまいります。
 一方、昨年から始まりました農地中間管理事業についてでありますが、本年度は17件の農家の農地13ヘクタールが経営転換協力金を活用して、地域の担い手に貸し付けられました。国は平成27年度の新規事業である農地耕作条件改善事業により、畦畔の撤去や暗渠排水の整備を支援し、さらなる農地中間管理事業の推進を図るとしており、本市においても機構と連携を図りながら、農地の集積・集約化を進め、担い手農家の育成ならびに農作業コストの削減、農家所得の向上に向けて支援してまいります。
また、中河排水機場の改修事業については、今年の梅雨時期までにはポンプの整備が完了する予定となっていますし、鯖江八ヶ用水の取水口や鋤ヶ崎頭首工の改修、立待排水機場の改修につきましても設計作業を終え、今年秋からの工事着手を予定しております。さらに、平成27年度新規採択を目指しています経営体育成基盤整備事業漆原下野田地区につきましては、4月上旬の事業採択に向けて土地改良法に基づく最終的な手続きを行っております。

 次に、環境施策についてでありますが、現在、総合計画の改訂に併せて、「鯖江市環境基本計画」も計画期間を平成28年度まで延長するとともに、環境指標や目指すべき環境水準など数値目標の見直しを進めております。また、4月からの改正鯖江市環境市民条例の施行に伴い、「まち美化活動」の推進や犬の飼い方マナーアップなど、各地域の生活環境や豊かな自然環境を保全する活動の啓発・支援等にも取り組んでまいります。さらに、ごみの減量化・資源化に向けて、平成41年度までの15年を計画期間とする「鯖江市一般廃棄物処理計画」を策定しました。ごみ処理では、平成31年度を第1期とする目標値を定め、進捗管理を行いながら、市民一人一日当たりのごみ排出量の削減と資源化率の向上に努めてまいります。町内会や団体による紙類や空き缶の集団回収の奨励を継続するとともに、容器包装以外のプラスチックなど、燃えるごみからの新たな分別・資源化やごみの有料化も含めてさらに検討を進め、環境負荷の少ないまちづくりに取り組んでまいります。
 次に、平成25年度に設置しました「鯖江型持続可能エネルギー利活用推進協議会」において、河和田地区における水力を利用した発電設備の検討を行ってまいりましたが、商用発電設備として整備するには水量が少なく、また最近では買取価格も不安定であり、採算性が見込めないことなどから、事業化については断念せざるをえないという結果となりました。引き続き、持続可能エネルギーの利活用について研究を継続してまいります。

 次に、教育・子育て環境の整備について申し上げます。平成19年の基本計画策定から8年の歳月を経て、ようやく豊小学校改築事業が完了し、来月24日に落成式を開催する運びとなりました。この間、地元の皆様をはじめ関係の皆様には、ご支援、ご協力をいただき深く感謝申し上げます。
 また、同じく平成19年から順次進めてまいりました小中学校の耐震化対策についてでありますが、今年度末で耐震化率98パーセントとなりました。新年度では残された中央中学校体育館の耐震化工事に取り組むとともに、全小中学校体育館や中学校武道館の吊天井、照明器具などの非構造物の落下防止工事にも着手し、さらなる安全安心な教育環境の整備に努めてまいります。
 一方、ITを活かした教育環境の整備についてでありますが、平成26年度に市内3中学校の1年生全クラスにプロジェクターを配置するとともに、授業に関わる教員にタブレット型端末を貸与し、わかりやすく楽しい授業に努めてまいりました。これにより生徒の学力ならびに教員の情報機器活用指導力向上に効果をあげているところでありますが、新年度からは市内中学校2・3年生の全教室にもプロジェクターを配置、整備するとともに、授業に関わる全教員にタブレット型端末を貸与することで、さらなる教育の情報化を進め、本市学校教育の質の向上を図ってまいります。子どもたちは日本の将来の担い手であり、地域の宝、国の宝であります。その子どもたちに地域を愛し、郷土に誇りを持ち、地域に貢献しようとする気持ちを育てていくことが大切であり、「ふるさと教育・ふるさと学習」を積極的に推進することが求められています。ふるさと鯖江の良さを再発見し、将来の定住化につなげるためにも、親子で文化財などを巡る「ふるさと発見ミニツアー」の開催や、32人の鯖江の偉人が掲載された冊子「ふるさと人物ものがたり」を活用した「さばえキッズ検定」の実施など、子どもたちが「ふるさと鯖江」に誇りを持てる事業を推進してまいります。
 また、子育て支援の充実についてでありますが、国や市の調査において、「経済的な支援」を求める割合が高いという結果を踏まえ、新年度から子育て家庭への経済的支援を充実してまいります。子ども医療費については中学生まですべての児童に対し、通院、入院等に係る医療費の助成を行うとともに、保育所保育料についても格差是正を図るため、現在の8階層から11階層とし、保育料の平準化を図ります。また、多子世帯への経済的支援として、第3子以降の保育所ならびに幼稚園保育料を無料化します。これらに併せて、病児・病後児保育事業やすみずみ子育てサポート事業、一時預かり事業についても利用料の無料化を第3子以降就学前児童までに拡充してまいります。今後も「子どもにやさしい、子育てしやすいまちづくり」に努めてまいります。

次に、安全・安心なまちづくりについて申し上げます。人が増えるまちづくりには、安全で安心して生活できる環境整備が必要となります。市では、昨年より「Gov2.0市民減災・防災モニター」事業に取り組んでおり、市民の皆様からは平常時における減災・防災に関するご意見や降雨、積雪時の身近な地域情報を提供いただいております。新年度からは、「自助」「共助」の備えとして、自主避難および市の避難勧告等の判断の目安とするため、簡易雨量計を配備し、市民協働による地域防災力の強化に努めてまいります。災害や犯罪を防ぐ教育、被害を少なくする教育、そして地域において活動する人材の育成など、総合的な「防育」も必要となります。昨年12月に開催しました「防災士養成講座」では、新たに60人の市民の皆様が「防災士」の資格を取得し、本市の防災士は115人となりました。防犯隊におきましても、女性部隊13人の加入により、現在148人の隊員が防犯パトロールや防犯意識の啓発などに活躍いただいております。このような市民のリーダーの皆様に防育事業を担っていただき、地域住民の防災・防犯意識の向上を図ることで、安心して暮らせるまちづくりを目指してまいります。
 一方、原子力防災についてでありますが、原子力災害時における本市の広域避難先につきましては、既に坂井市18施設、勝山市32施設、石川県加賀市54施設が指定され、市民の皆様には昨年4月に配布した「原子力防災ガイドブック」においてお知らせしております。現在、県が指定した避難ルートや放射線測定・除染候補地の確認、さらには避難先施設の状況について、関係自治体と協議しているところであり、これらが決定次第、町内出前講座や研修会等において啓発に努めてまいります。

 次に、国民健康保険税率の改正について申し上げます。国民健康保険事業の医療費は高齢化の進展や医療の高度化等により年々増加しており、平成26年度においては基金を全額投入しても、約7千300万円の歳入不足が見込まれております。このため今議会に一般会計から不足分を繰入する補正予算案を上程しておりますが、平成27年度予算においても、歳入不足が見込まれることから安定した国保事業の運営を確保するため、やむを得ず国民健康保険税率の改正を行うこととしました。改正案は国民健康保険税の賦課基準のうち、医療分と後期高齢者支援分、介護分の合計で所得割を0.5パーセント増、資産割を4.0パーセント減とし、均等割を4千200円、平等割を2千円それぞれ値上げさせていただこうとするものであります。今後も厳しい運営を余儀なくされる見込みではありますが、引き続き、後発医薬品の利用促進やさらなる収納率の向上に取り組んでまいります。
 また、10年後には団塊の世代が75歳以上になることから一段と高齢化が進展し、要介護者も急速に増加すると見込まれています。国においては、介護保険制度が大幅に改正されましたが、本市においても、平成27年度から29年度までを第6期とする「さばえいきいき長寿プラン」を策定しました。一層の健康づくりや介護予防を進めるととともに、認知症予防や地域ぐるみでの見守り体制の構築、また地域包括支援センターや関係機関等とのネットワークの構築による、市全体としてのケア体制を充実してまいります。
 一方、介護保険サービスの基盤整備では、定期巡回・随時対応サービスやグループホーム、小規模多機能型居宅介護の増設、地域密着型特別養護老人ホームの新設を計画するなど、サービスの充実を図るとともに、在宅介護への支援を強化してまいります。
 本市の要介護認定者数は、平成29年には26年に比べ、443人増の3千314人と推計されています。こうした要介護認定者の自然増や地域密着型サービス施設等の増設・新設、さらには第1号被保険者の負担割合の増加に伴い、第6期介護給付費等の推計では、3年間で163億1千800万円余と、第5期計画と比べて23億1千500万円余の増加を見込むとともに、介護保険基金はすべて取り崩すこととして、介護保険料は基準月額当たり5千650円が必要と推計されました。今月9日には「鯖江市介護保険運営協議会」からこの保険料基準月額を妥当とする報告をいただきましたので、低所得者対策としての保険料区分の細分化と併せて今議会に条例改正をお願いするものであります。

 次に、市民の健康づくりについて申し上げます。近年、視力低下による子どもたちの心身への影響が懸念されていることから、3歳児健診時においてこれまでの家庭で行う検査に加え、両眼(りょうがん)開放型の最新の検査機器を使用した視力検査を県内で初めて導入し、子どもたちの目の異常の早期発見、早期治療・回復につなげてまいります。
また、体外受精など特定不妊治療を受ける夫婦の経済的な負担を軽減するため、現在、治療費の一部を助成していますが、新たに男性による不妊治療に対しても助成費の上乗せを行い、少子化対策に取り組んでまいります。
 次に、都市整備について申し上げます。まず、道の駅「西山公園」についてでありますが、入館者の大幅な落ち込みが懸念された冬場の誘客も、指定管理者によるイベントの実施などで週末を中心に賑わいを見せており、1月末現在で30万2千人の入館者となりました。この数字は、正面玄関に設置したカウンターのみによるものであり、本年1月に追加設置したカウンターによりますと、全体の約4割の方がトイレや休憩所から入場されており、このことから推計しますと、これまでに約50万人近くの皆様にご利用いただいたものと推定しております。
また、西山動物園は今年開園30周年を迎えます。この西山動物園の「レッサーパンダの家」新築計画については、福井大学との連携により現在、実施設計や積算業務を行っております。5月中には入札、来年3月には完成の予定で作業を進めてまいりますが、子どもたちや若者の交流、憩い、学びの場としても大いに利用が期待される施設であり、西山公園の新たな魅力づくりとなるよう情報発信に努めてまいります。

 次に、都市計画道路鳥羽中芦山線につきましては、昨年の1月に都市計画決定を廃止し、生活路線としての安全面の整備・充実に努めており、昨年11月には全線時速30キロメートルの速度規制が実現しました。本年度は水落町地係において、運転手への注意喚起ならびに児童の安全確保に向けた路面塗装工事を行っており、引き続き、全線での整備を予定しております。さらに、昨年9月に住民の皆様の要望を受け、上鯖江町「ふれあいみんなの館」周辺で設定しました、地域における時速30キロメートル規制である「ゾーン30」についても、今後、指定区域の状況を検証しながら、鯖江警察署とも協議し他の区域での導入を検討してまいります。
 次に、西尾鯖江停車場線・五郎丸踏切の拡幅と歩道整備事業についてでありますが、現在、JRと踏切の線形などの計画協議が進められており、年度内に概略設計を完了する予定となっております。また、歩道の段差を解消するバリアフリー化と電線類の地中化を進めています国道417号の本町・桜町間の歩道整備につきましては、新年度において鯖江商工会議所・西鯖江駅間の電線地中化の工事を行う予定となっております。さらに、市道鯖江駅北線の長泉寺町2丁目から旭町1丁目地係における歩道の段差解消工事につきましては、現在、測量・設計を行っており、年度内に詳細設計を終え、平成27年度から工事に着手する予定となっております。
 次に、河川改修についてでありますが、浅水川下流部と鞍谷川、河和田川下流部につきましては全面的に改修工事が進められており、治水安全度が向上してまいりました。浅水川では、梅雨時期の完成に向けて、米岡橋と三六橋の間および天神橋下流において低水護岸工事を行っております。また、鞍谷川では、川島町水落堰のゲート取付工事が終わり、下流部の護岸工事を行っており、新年度ではポンプなどの取水施設の整備を実施してまいります。
 一方、吉野瀬川の放水路工事につきましては、現在、分水堰の本体工に取りかかっており、新年度では下流部の築堤、護岸の工事を実施してまいります。現堤防のかさ上げ工事につきましても、越前市と一体となって早期着工を要望してまいります。
次に、年度内に砂防堰堤が完成する予定の別司町荒木川の砂防工事につきましては、新年度で工事用道路の復旧に、上河内町の赤谷川の砂防工事につきましては、雪解けを待って堰堤工事に着手してまいります。また、四方谷町の西出川の砂防工事についても、測量、詳細設計、丈量測量を終え、新年度より用地買収に取り掛かってまいります。

 次に、治水対策についてでありますが、日之出雨水幹線が平成27年度に完成予定となり、長泉寺町から旭町、柳町周辺の冠水が解消されるものと期待しております。新年度から新たに水落舟津雨水幹線の整備に着手し、長年の懸案であった三六町や糺町など、市中央部での冠水被害の解消を図るとともに、「田んぼダム事業」の実施エリアを拡大し、河川や水路への負荷軽減、浸水被害の解消に努めてまいります。
 次に、オープンデータならびにITの推進についてでありますが、新年度では情報格差の解消に向けて、各地区公民館でのIT講習会や高年大学での講座等を引き続き実施するとともに、新たに広報誌のオープンデータ化にも取り組んでまいります。また、ウェアラブル端末“電脳メガネ”を使った西山公園の観光サポートや、音声・写真・映像を使った観光案内等にも実験的に取り組んでまいります。
次に、「鯖江市役所JK課事業」についてでありますが、13人のメンバーが1年間、自発的に延べ70回を超える活動に携わっていただき、全国的に人口減少問題が取り上げられる中、彼女たちの活動から大きな問題提起ができたものと考えております。3月7日には若い学生の皆さんを交えた「卒業イベント」を開催する予定であり、今年度の活動などが報告されることとなっております。新たなメンバーを加えた新年度からの活動にも、引き続き温かいご支援をお願いいたします。
 次に、町内防犯灯のLED化事業についてでありますが、年末までに市内8千6百灯におよぶLED防犯灯の設置がすべて完了し、市民の皆様からは「まちがとても明るくなった」と好評をいただいております。今後、地元業者とも連携しながら、メンテナンスや修理等の連絡調整網を構築する中で維持管理にも万全を期してまいります。

以上、平成27年度の重点施策等についてご説明申し上げましたが、その推進を図っていくため、所要の組織改正を実施いたします。まず、昨年度、北陸新幹線の建設促進などへの対応に向けて、総合交通推進室を設置しましたが、JRや福井鉄道との結節ならびに近隣市町との連携などがますます重要な課題となりますので、新年度から「総合交通課」に改め、つつじバスを中心にした利便性の高い二次交通網の再構築などに取り組んでまいります。また、平成27年度中に策定が求められる「地方版総合戦略」と「地方人口ビジョン」への対応、「住みやすい地方」の実現に向けた地域振興施策の企画立案など、いわゆる「鯖江版総合戦略」の策定に向けた迅速かつ的確な対応を図るため、政策経営部に「地方創生戦略室」を設置します。また、同じく秘書企画課に情報広報課から広報業務を所管替えし、「秘書広報課」とし、これからのまちづくりの考え方や方向性との結びつけを強めた、よりわかりやすい市政情報の発信を行ってまいります。これにより、従来の情報広報課は「情報統計課」に改組・改称することとしますが、より特化・専門化させた組織により、オープンデータの推進に取り組み、市民との情報の共有をはじめ、行政の透明性や信頼性の向上、さらには地域経済の活性化にも繋がる「オープンデータによるITのまちづくり」を加速してまいります。

 以上、平成27年度の当初予算案に掲げる主要な施策や事業を中心に概略を申し上げました。
 この結果、平成27年度の本市の一般会計の予算額は、過去最大の規模となる、256億3千600万円となり、昨年に比べ16億9千600万円、率にして7.1パーセントの増となりました。その主な要因は、多面的機能支払交付金事業費の増額に伴い農林水産業費が1億863万円余の増、融資制度の拡充に伴う中小企業資金等預託金の増により、商工費が1億9千857万円余の増、地域再生道路整備事業、西山動物園拡張事業、下水道事業特別会計への繰出金の増などにより、土木費が2億2千88万円余の増となるとともに、小中学校の吊天井、照明器具などの非構造部材や中央中学校体育館の耐震化事業、鯖江公民館改築事業に伴い、教育費が12億2千639万円の増という大きな伸びとなったことなどによるものです。平成27年度末の基金残高につきましては、財政調整基金が23億5千870万円を確保できる見込みになるとともに、市債残高は年々減少し、266億4千520万円余となる見込みであります。このうち、交付税の振替である臨時財政対策債を除く市債残高につきましては、158億420万円余になる見込みですが、事業費補正により後年度に交付税措置される、いわゆる優良債を中心に借り入れており、市が自主財源で償還しなければならない実質的な負担額は、約93億4千万円に減少しました。また、今年度に引き続き、「元気さばえっ子・ゆめみらい債」を6億円発行します。低利での資金調達により財政負担を軽減することで、未来を担う子ども達に過大な負担を残さぬよう、一層の財政健全化を進めてまいります。この結果、一般会計と特別会計、水道事業会計を合わせた鯖江市全体の平成27年度予算総額は、444億6千10万円となり、前年に比べ21億9千500万円、5.2パーセントの増となりました。
 次に、平成26年度補正予算についてその概要を申し上げます。国の「地域住民生活等緊急支援のための交付金」を活用した事業を中心に計上し、「地域消費喚起・生活支援型交付金」を活用した事業では、さばえプレミアム商品券発行事業として9千753万4千円、さばえものづくり商品券発行事業として1千500万円など、国の交付金に県の上乗せ分の補助金を活用し、1億2千3万円余を計上しました。また、「地方創生先行型交付金」を活用した事業としては、総合戦略・人口ビジョンの策定費として550万円、市の独自の事業として、次世代産業支援事業に5千750万円など6千800万円を計上し、回復が鈍い景気の下支えを目指してまいります。また、事業完了による各種事業費、国民健康保険事業特別会計など特別会計の繰出金、消防組合の負担金などの精算、体育施設など3施設に係る新年度からの指定管理業務の債務負担行為などをあわせて補正計上しました。この結果、一般会計の補正額は2億3千630万円で、平成26年度の一般会計の予算総額は249億5千860万円となりました。
 また、特別会計では、国民健康保険事業特別会計をはじめ、後期高齢者医療特別会計、介護保険事業特別会計、下水道事業特別会計においても決算見込み等により必要な事業費の補正予算を計上しました。この結果、特別会計を含めた3月補正後の鯖江市全体の予算総額は、432億300万円となり、昨年同期と比べ3億2千840万円、0.8パーセントの減となりました。
 次に、議案第14号および議案第15号につきましては、いわゆる「第3次地方分権一括法」の施行により、これまで国が法令で定めていた介護保険制度における介護予防支援事業および包括的支援事業を実施する際の基準等を市の条例において整備しようとするものであります。
 また、議案第21号および議案第27号につきましては、神明苑の入浴料およびラポーゼかわだの入館料の改正についてであります。市民ホールつつじの入浴料も併せて改正させていただくことで、県内の類似施設の利用料金との均衡を図り、安定したサービスの継続に努めてまいります。
その他の議案につきましては、それぞれの理由に基づきご提案しました。
 以上、私の市政に対する所信の一端と今回提案しました議案について申し上げました。何とぞ慎重にご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。

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