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第376回鯖江市議会定例会での提案理由説明(平成22年2月26日表明)

ページ番号:931-402-161

最終更新日:2017年3月24日

 第376回鯖江市議会定例会の開会に際し、平成22年度当初予算案をはじめ各議案のご審議をいただくに当たり、市政運営についての所信の一端を申し述べますとともに、市政の諸課題について、その概要をご説明申し上げます。
はじめに、昨年の元収納課職員の不祥事を受けまして、「鯖江市職員倫理確立指針」を取りまとめ、職員資質のさらなる向上を目指そうとしていた矢先に、臨時保育士による窃盗事件が発生しましたことは、誠に申し訳なく改めまして深くお詫び申し上げます。
市では、昨年11月に私を委員長に総勢30人からなる職員倫理確立向上委員会を設置いたしました。この委員会で、全職員への意識調査・課長ヒアリング等を実施し、さらに外部有識者からのご意見等もいただき、公金に関する取り扱いのみならず、工事・委託関係や、職員の倫理、意識改革も含めた全般的な改善策を「鯖江市職員倫理確立指針」として取りまとめたところであります。具体的には、46項目の再発防止策を盛り込み、実効性を担保するために職員倫理意識改革行動プログラムを設けました。職員一人ひとりの意識改革の積み重ねと組織としての取組みの強化を図っていくことで、市民からの目線に即した市役所づくりを目指してまいります。

 さて、私は市長就任以来、一貫して市民が主役という考えの基でまちづくりを進めてまいりました。また、今年は市制施行55周年に当たり、第5次総合計画がスタートする大きな節目の年であります。そして、政権交代に伴い地域主権国家の実現が現実のものになってまいりました。これからは、市民の皆様に、新しい公共の担い手としてまちづくりへの参加と協働をお願いしていかなければなりません。市民お一人おひとりが主役であると同時に、市民をはじめとする多様な主体がお互いに支え合い、補完し合うことの出来る役割と責任を明文化し、情報の共有を図るため、「市民主役条例」を策定することとしました。昨年末、公募を含む16人の皆様を策定委員に委嘱して、延べ15回の会議を精力的にこなしていただき、この度、条例案としてご提案いただいたところであります。この間、パブリックコメントによるご意見や市民活動フォーラムでの活発なご議論をいただきました。また、私はかねがね市政への市民の参画にはやりがいと誇りと楽しみの持てる仕組みづくりが重要だと考えておりましたが、それらにつきましても市民参画の推進として盛り込んでいただきました。条文も読みやすく、やさしい表現が使われており、その意味でも今回はまさに市民主役で作られた市民提案型の条例になったのではないかと考えております。 
なお、主管課である男女参画・市民活動課の名称を市民協働課と変更し、条例の具現化に向けて市民の皆様とともに協働しながら、地域運営に邁進してまいりたいと考えております。

 それでは、新年度に向けて指針となる諸計画と、新年度新たに策定予定の計画について申し上げます。
まず、第5次総合計画についてでありますが、「みんなでつくろう みんなのさばえ」を合言葉に、中学3年生からお年寄りの方まで幅広い年代から数多くのご意見やご提案を基に作成された計画案を、昨年12月に総合計画審議会から答申としていただきました。基本構想につきましては、物質的な成長はもとより精神的な豊かさが重要であるという考えから、常に将来に向けて新しいものを創りだしていく「創造」を念頭に置きながら、あらゆる豊かさを追求していく「豊かさへの創造」を基本理念としました。また、こうした理念を意識しつつ、目指すべき本市の5年後の具体的なまちの姿を「自信と誇りの持てる 自主自立のまち」と定めました。そして、新しいまちづくりの方向性を具現化する柱として、「活力ある産業と賑わいのあるまちづくり」「豊かな心を育む文化の薫るまちづくり」「安全・安心で快適に暮らせるまちづくり」「健康で長生き、笑顔で暮らすまちづくり」「都市機能の充実したまちづくり」「市民が主役の地方主権のまちづくり」の6つの基本目標を掲げました。次に、基本計画につきましては、基本構想の実現に向け44の基本施策のもと、それぞれ具体的な実施施策を105設定して事業計画の体系化を図りました。今回の総合計画では、基本施策と実施施策の2段階として、基本目標を概ね市役所の6部の組織に対応させることで、所管と責任の所在を明らかにいたしました。また、全庁で横断的に取り組む重点施策として「鯖江ブランドづくり」と「人の増えるまちづくり」を2項目設定し、これからの5年間で優先的に行うべき施策の順位付けを明確にしたことが特徴であります。

 次に、行財政構造改革プログラムの改定についてでありますが、少子高齢化の進展など社会構造の変化に伴う、年金、医療、福祉等の様々な制度改正の影響や、景気低迷などにより国・地方を取り巻く財政状況は極めて厳しく、歳入の大幅な増加は見込めない状況にあります。そのため、限られた財源と資源を有効に活用し、必要な公共サービスの維持・向上と、新たな課題やニーズに迅速かつ的確に対応できる持続可能な行財政基盤の確立に向け、引き続き行財政運営の更なる効率化を推進していく必要があります。これらのことを踏まえ、第5次総合計画に基づく諸施策の推進を着実に支えていくため、「財政基盤の安定なくして市政なし」の考えのもと、第2次行財政構造改革プログラムを策定いたしました。今後は、このプログラムに示した取組みを議会や市民の皆様のご理解とご協力のもとに確実に実行することにより、新しい時代にふさわしい「自信と誇りの持てる 自主自立のまち」を目指し、市民との協働による新しい鯖江市づくりを推進してまいります。

 次に、子育てに関する施策として、今回策定します次世代育成支援後期行動計画につきましては、平成17年に策定した本市独自の子育てプランである「未来へつなぐつつじっ子プラン」の実績を検証するとともに、新たな子育て世代のニーズを調査し、今後5年間における新たな目標を策定委員会でご協議いただきました。これからは、第5次総合計画における子育てに関する基本施策、実施施策との連携を保ちながら、子育ての環境向上を図り、基本方針である「安心して産み、育てられる環境の充実」の一層の推進を図ってまいります。

 次に、男女共同参画基本法が制定されてから10年が経ち、市民の方のライフスタイルや雇用環境など、特に女性を取り巻く環境が、近年の社会経済の情勢とともに急激に変化してまいりました。これらに対応するため、男女が共に活躍できる就業環境づくりや多様な働き方ができる就業条件などの整備、企業に対するワーク・ライフ・バランスの推進などを盛り込んだ第3次鯖江市男女共同参画プランを策定し、男女共同参画社会づくりの一層の推進を図ってまいります。

 次に、環境基本計画の改定についてでありますが、「鯖江市環境基本計画改定委員会」を立ち上げ、「森づくりからの環境の保全」等を特徴とする原案を作成していただきました。先月、市環境審議会に計画案を諮問し、このほど答申が得られました。新年度から庁内に「環境基本計画推進会議」を組織し、計画の進捗管理に万全を期してまいりたいと考えております。また、市民・市民団体・事業者・市で組織する「環境まちづくり委員会」の事務局を環境教育支援センター内に設置し、連携・協働の絆をより一層深め、計画の円滑な推進を図り、本市の望ましい環境像であります「人と生きものが仲よくくらせるまち」の実現を目指してまいります。

 次に、新年度に策定予定の計画でありますが、中心市街地活性化につきましては、昨年から職員2人を商工会議所に派遣し、会議所内にも「まちづくり企画部」を設置していただくことで、これまでにない行政と経済界との連携の中で、地域の発展、鯖江の元気づくりに努めているところです。しかしながら、誠市やご縁市など賑わいの一環として定着してきた事業が、「まだまだ商店への効果として繋がらない」といったご意見、後継者の問題、街路灯やアーケード等の老朽化などソフト・ハードの両面における商店街としての課題もあります。国では、昨年、「地域商店街活性化法」を施行し、商店街自らが地域住民の需要に応じた取組みを「地域商店街活性化基本計画」としてまとめたものに対して支援を行うこととなりました。今後、どのようにして地域住民のニーズに答えていくのかという商店街としての活性化基本計画をまとめ、国や県の支援も活用した事業展開を商工会議所、商店街と一緒になって考えてまいります。

 次に、平成18年に策定した保健計画は、計画期間が新年度までとなっているため、平成23年度から5カ年を計画期間とする第5次鯖江市保健計画を策定いたします。この改定に当たっては、国・県の動向や少子高齢化・核家族化といった時代の潮流などを踏まえたものとし、生涯にわたる生活習慣病の予防や市民主体の健康づくりなどの推進を図ることにより、「健康で長生き、笑顔で暮らすまちづくり」を目指してまいります。

 次に、地球温暖化問題は、世界共通の喫緊の課題であり、グローバルな視点・取組みだけではなく、我々のライフスタイルの見直しなど身近な視点・取組みも必要であります。市民・市民団体・事業者・行政が役割を分担し、できることから取組みを行っていくとともに、互いに連携・協働し、総合的かつ効果的に実施するための具体的な指針、羅針盤となる地球温暖化対策地域推進計画を、国や県の温暖化対策・施策を踏まえつつ、新年度と平成23年度の2カ年で策定したいと考えております。

 次に、平成9年に策定しました都市計画マスタープランは、策定後10年余を経過し、その後の社会情勢や経済状況の変化に伴う見直しを迫られています。新年度では、用途地域内の建築物等の現況調査を行い、地域産業の活性化やまちなみ景観の維持・保全など地域特性を最大限活かすため、特別用途地域制度や地区計画制度等の都市計画制度の導入を視野に入れた検討を行ってまいります。また、現在の都市計画道路の多くは昭和30年代以降、大幅な変更や見直しは行われていないため、ネットワークとしての都市計画道路網のあり方だけでなく全市的また広域的な観点から、さらには道路景観など様々な角度からも、将来を見据えた道路網の検証を行ってまいります。そして、平成23年度、24年度の2カ年で都市計画マスタープランの見直しを行い、適正な土地利用の誘導を進めてまいります。

 次に、スポーツ施設は、野外施設も含めその多くが昭和50年代に整備されたものであり、その老朽化が進んでいる状況にあります。今後、維持管理費の増大が予想され、将来の改築等にかかるコストの低減化を図るためにも、国の公園施設長寿命化計画策定補助制度を活用して、平成23年度にはスポーツ施設を含めた公園施設全体の長寿命化計画を策定してまいります。

 次に、現在、15メートル以上の市道橋56橋のうち、建設されて40年以上経過した橋が19橋ありますが、今後さらに老朽化が進行し、補修や架け替え等の時期や費用等が課題となっております。適切な時期に修繕し延命化を計画的に行っていくため、新年度に長寿命化計画を策定するにこととしており、現在その健全度などの調査等を行っております。策定された計画に基づき対策工事等を行っていきたいと考えており、15メートル以下の橋梁についても、同様な計画を策定していきたいと考えております。

 それでは、平成22年度当初予算の概要についてご説明申し上げます。
第5次総合計画における基本目標をまちづくりの基本方針とし、まちの将来像である「自信と誇りの持てる 自主自立のまち」を目指すスタートの年として、市民の皆様が安全・安心を実感でき、郷土への誇りや夢と希望を抱けるような施策を推進する予算編成に努めました。特に、その中でも、重点施策である「鯖江ブランドづくり」と「人の増えるまちづくり」に重点を置いた財源配分としました。また、国の平成21年度第2次補正予算への対応により、平成21年度3月補正予算と平成22年度当初予算を一体的にとらえ、当初予算で計上を予定していた事業を一部3月補正予算に前倒しして、保育・教育環境の整備を中心に必要な事業を推進していくことといたしました。
なお、直面する経済・雇用情勢に手厚い対策を講じ、景気回復を確かなものにするため国の緊急雇用対策事業の積極的活用を図り、厳しい社会情勢にきめ細やかな配慮に努めました。また、来年度以降、豊小学校の改築など多額の財政需要が見込まれますので、後年負担に備えるため、今後の財政状況なども考慮しながら基金を取り崩さずに手堅い予算編成としました。

 それでは、第5次総合計画に掲げた基本目標に従い、諸施策のご説明を申し上げます。
はじめに、「活力のある産業と賑わいのあるまちづくり」であります。
まず、商工会議所に設置した小規模企業経営支援機構につきましては、1月4日から金融専門の相談担当職員が常駐し、中小企業に対して資金繰りをはじめ、きめ細かな経営指導・相談を実施しております。これまでの相談実績は、2月10日現在で4件あり、うち1件は既に複数の金融機関の融資について、具体的な成果につながっております。他の3件につきましても、急激な売り上げの落ち込みに対しての相談に、利益率の改善など具体的、抜本的な指導を継続しており、着実な成果に期待をしております。

 次に、地場産業や特産品に恵まれた地域資源を有効活用し、鯖江ブランドを発信していくことや、ものづくり産業に対して新産業の創出や新商品の開発、既存産業の技術を活かした新たな分野への進出等を積極的に支援していくことが必要であります。企業への新たな支援策として、ものづくり支援機構を商工会議所に開設し、専門的な知識を有する人材を雇用して、地域産業の新製品や新技術開発、新事業創出、業種転換、特許・実用新案権の取得、意匠・商標登録に対して、適切なアドバイスや専門家を斡旋するなど、企業の地力を高め、地域産業振興を積極的に推進してまいります。
次に、国の選定を受けて産地一丸となって取り組んできた「めがねのまち鯖江 元気再生事業」が終了いたします。産地は、この2年間にわたる取組みを通じ、感性やスピード感、商習慣、言語の違いが、異業種との連携において大きな障壁となることを実感した一方で、ファッションを切り口とした新たな製品開発の手法や新規市場参入、ファッショングラス産地“sabae”としての新たなブランド化の可能性を見出すことができました。また、ファッション界や芸能界といったこれまで産地が接触することが困難であった業界とのパイプも構築されつつあります。今後、これらの財産を最大限に生かすことが重要と考え、「作って売る眼鏡産地「鯖江」の構築事業」を立ち上げ、消費者に多大な影響力を持つファッション界等との関係を更に強化するとともに、産地内での追随企業の創出を目指すことで、産地のポテンシャルを高め、「作って売る眼鏡産地」の実現を目指してまいりたいと考えております。

 また、福井県眼鏡協会では、産地のシンボルである「めがね会館」の多機能化計画を進めてまいりましたが、来月19日にリニューアルされる運びとなりました。同施設は、鯖江で製造された眼鏡やサングラス、老眼鏡等の購入ができるメガネショップをはじめ、産地の歴史的資料や協会のめがね大使である大村崑氏のコレクションを展示するメガネミュージアム、手づくりの眼鏡をつくることができるメガネ工房などの機能を備えており、産業観光の拠点施設としての大きな期待が寄せられております。

 次に、「石田縞」につきましては、平成19年度から鯖江の繊維ルネッサンス事業として市繊維協会において復興と普及促進に取り組んでいただいております。これまでに、石田縞の変遷等を記載した鯖江の繊維産業の歴史がわかる小冊子を作成されるとともに、昨年4月には繊維会館内に石田縞手織りセンターを開設し、初心者コース、半日・一日コース、染色体験コースの3つのメニューを設けたことで、体験者が延べ100人を超える成果が表れてきております。しかし、現在の施設はグループや団体を受け入れるには手狭な状態であることから、同会館の3階の広いスペースを活用し、グループや小学生などの団体での体験もできるような事業展開を図ることで、繊維産業の産業観光拠点施設としての充実を図ってまいりたいと考えております。

 次に、漆器業についてでありますが、伝統的工芸品としての木製・漆塗りの漆器は、経済情勢や日本人のライフスタイルの変化等によって、需要の停滞に歯止めがかからない非常に厳しい状態になっております。このような状況において、新たな事業として、祭り等で用いられる山車を対象とした新分野に挑戦し、越前漆器産地が有する塗りや沈金・蒔絵・蝋色(ろいろ)などの加飾の工程による伝統の技術・技法の継承の機会を創出するとともに、相乗効果として完成した試作品を活用することで大きな製品も作れる産地として新たな市場の開拓を図ってまいりたいと考えております。
これらの事業展開により、平成21年度当初予算と比較し、商工会議所関係で38.9パーセントの増、眼鏡・繊維・漆器等の地場産業界向けが70.5パーセント増と大幅な予算の増額を図りました。特に、ものづくり産業への新産業の創出や新商品の開発、既存産業の要素技術を生かした新たな分野への進出等、地場産業の生き残りに掛けた新展開を積極的に支援してまいります。

 次に、産学官の連携については、大学の持つ研究・開発の機能を生かし、各企業が実施する製品開発等についてものづくり支援機構と連携した事業を展開するとともに、インターンシップを通して地場産業界への就労機会の提供に努めてまいります。さらに、大学の高度な知識を広く市民の皆様に役立てていただけるよう講師としての招聘や、各大学が実施する公開講座等も活用してまいります。また、福井県立大学との連携ではこれまでの「短期ビジネススクール」を発展させ、眼鏡・繊維・漆器の各企業を対象とした意見交換会による診断指導等を実施するととともに、各企業の持つ技術・製品を通した情報発信を行うことで、企業のブランド化に向けた取組みを強化してまいります。

 次に、持続性のある農業の確立として、最も関心の高い米の戸別所得補償モデル事業については、生産に要する費用と販売価格との差額の定額部分の単価は、10アール当たり1万5千円と決められました。市としては、全ての販売農家の方が当モデル事業の対象となるよう、生産数量目標に即した主食用米の作付けを進めてまいりたいと考えております。
また、この事業と連動している自給力向上事業については、麦・大豆・米粉・飼料用米などの生産を行う販売農家に対して、主食用並みの所得を確保し得る水準として全国統一の単価で助成し、作付面積の拡大にも対応するとしています。引き続き、生産者の所得の確保と水田の有効活用を促進するため、新年度から地域営農再生推進対策事業を創設して支援してまいります。
また、農業への新規参入や地域農業の担い手育成と経営安定には、担い手の掘起しと技術面や経営面での支援、付加価値を付けた農産物の販売等、収益の拡大に向けた取組みが極めて重要となります。このため、農業公社グリーンさばえの業務を充実するとともに、新たに新規就農促進システム事業の創設、新たな作物の導入や地産地消、大麦・大豆・そば・野菜等の農商工連携による加工品開発や販路開拓、耕作放棄地の解消などの業務を拡充いたします。これに伴い、産業環境部内に公社との連携を強化する体制を整備し、農業者と商工業者、行政が一体となって担い手育成と農業生産の振興を展開してまいります。

 次に、鳥獣害対策につきましては、市内全域での鳥獣による被害の現況調査を実施して農作物被害を防止するために必要な基礎資料を整備し、集落等で自主的な取組みを実践していただきます。また、イノシシ等被害の多発している集落の山際を間伐、下刈りなどで森林整備を行うとともに、緩衝帯を設置し、集落ぐるみで農作物の被害を防止してまいります。

 次に、「豊かな心を育む文化の薫るまちづくり」であります。
まず、児童生徒の学力の向上につきましては、今年度まで全国一斉に実施されていました全国学力・学習状況調査が、新年度から抽出調査となりますが、本市では、4月の実施日に抽出校以外の学校も含めて全小中学校がこのテストを受けることにいたしました。この調査を活用して、全国の調査結果とそれぞれの学校の結果を比較分析することにより、自校の児童生徒の学力の定着度や理解度を確認し、今後の指導や授業の改善に役立て、学力の向上につなげてまいります。
次に、本市の優れた地場産業である眼鏡・繊維・漆器産業を子どもたちに、より深く理解してもらうために、めがね会館や繊維会館、うるしの里会館の体験コーナーを利用して、その工程の一部を体験しながら学ぶ産業体験の取組みを始めたいと考えております。また、学校給食畑を通した農業体験につきましては、今年度から実施している神明、鳥羽、立待、豊、河和田小学校のほか、新たに惜陰、進徳、中河小学校で実施してまいります。これらの事業推進により、子どもたちが、先人が築いてきたふるさとの産業の歴史や素晴らしさを理解するとともに、勤労の尊さを学び郷土への誇りと愛着が育まれることを期待しております。

 次に、学校生活・学習支援員の充実についてでありますが、小学校においては、肢体不自由や学習障害、注意欠陥多動性障害など多様な障害などを持つ児童が学んでいます。新年度は、このような児童の学校生活のサポートを充実していくために、学校生活・学習支援員の増員を図るとともに、中学校においても相談室登校の生徒に対して適切な支援をしていくために、各校に1人ずつ相談室登校支援員を配置し、小中学校における児童生徒の学校生活や学習支援、相談体制の充実を図ってまいります。
次に、学校図書館の図書の充実につきましては、平成21年度に、翌年度分を前倒しして予算措置を行い図書の充足率向上に努めてきたところです。新年度では、児童生徒がこれまで以上に本に親しみ図書館の利用促進を図るため、学校図書館支援員を配置し、文化の館の司書と連携をとりながら、学校図書の案内や整理、貸し出しの支援を行い学校図書館の活性化を図ってまいります。
次に、学校施設の整備についてでありますが、豊小学校の校舎と屋内運動場の改築につきましては、新年度に実施設計を完了し、平成23年度から校舎の改築工事に着手し、順次、屋内運動場の改築、グランドの整備を行い、27年度には事業を完了したいと考えております。

 次に、文化財は、本市の歴史・伝統・文化等の理解に欠かせないだけでなく、将来の文化の向上・発展の基礎となるものであります。新年度は、西部地区で最大の城跡であります三床山城跡を調査いたします。また、今北山・磯部・弁財天古墳群につきましては、国登録文化財への上位指定を目指して、2年間の測量調査が終了いたしました。新年度からは、3年間をかけて発掘調査の段階に入ります。
次に、県と市が連携して地域づくりに取り組む「市町振興プロジェクト」は新年度が最終年度になりますが、今年度発刊する「さばえ人物ものがたり」に掲載されるふるさとの偉人33人の説明看板をゆかりの地に設置して、市民の皆様がふるさと鯖江を再発見し、愛着を深めていくことにつなげてまいります。また、近松門左衛門の代表作であります「国性爺合戦」を、出演者のオーディションなどを実施して、子どもから大人までが参加できる、市民による手づくりの公演として開催し、「近松のまち鯖江」を全国発信してまいります。

 次に、平成23年に3種公認の更新時期を迎える東運動公園陸上競技場を、国の都市公園安全・安心対策緊急総合支援事業を活用して、トラックの経年劣化等による一部補修を実施してまいります。
次に、「安全・安心で快適に暮らせるまちづくり」であります。
災害に強いまちづくりにつきましては、従来防災情報広報のため同報系防災行政無線を整備してきましたが、昨年の中国・九州北部豪雨や台風9号では、防災行政無線が屋外では十分な効果が得られなかったという教訓から、情報の多重的な伝達手段として、コミュニティFM放送を活用した防災情報受信機を整備いたします。各区長や民生委員児童委員宅のほか市内公共施設に配備し、災害時の住民の安全確保に活用してまいります。

 次に、「健康で長生き、笑顔で暮らすまちづくり」であります。
まず、乳幼児医療費助成制度につきまして、今回、「第2次福井県元気な子ども・子育て応援計画」を策定するに当たり、現行制度の対象年齢を小学校3年生までの生徒に拡充することとなりました。実施時期につきましては、システムの改修や関係機関との調整等の時間を勘案して、本年10月診療分からの実施を予定しております。

 次に、昨年10月神明苑の敷地内に障がい者の就労支援を図る事業を推進するための作業所を建設いたしました。この事業は、通常の事業所で働くことが困難な障がい者の雇用と、知識と能力向上の訓練の場を確保するために行うものであります。来月24日に、「福授園神明とうふ工房」として事業所の開所式を行う運びとなっており、10人程度の雇用を予定しております。

 次に、高齢化率が毎年増加する中、身近な地域や家庭で介護予防を主体的に実施できるよう、健康寿命いきいきサロンや出前講座などの事業を拡充するとともに、各地区公民館等において開催している介護予防いきいき講座についても、個別訪問等により地域の実態を把握する中で参加者増につなげてまいります。

 次に、みのり保育所改築工事につきましては、豊小学校改築整備事業に合わせて豊幼稚園に移転合築し、認定こども園として幼保連携を図ってまいります。新年度は建設工事や備品の計上を行い、平成23年4月の開園に向け整備してまいります。認定こども園は、豊地区の0歳から5歳までの児童に対し就学前児童教育を行い、本市初の「幼保連携型認定こども園」を目指しており、現在、庁内関係所管による幼保一体化委員会において、運用についての検討を重ねております。

 次に、健康長寿の推進ですが、なにより市民の皆様一人ひとりが自らの健康状態を常に把握し、生活習慣病などの予防に努めていただくことが重要であります。市では、健康状態の把握手段の一つとして特定健康診査やがん検診を実施しておりますが、受診される方が少ないのが現状であります。そのため、より多くの市民の皆様に受診をしていただけるよう、新年度から子宮がん・乳がんに合わせ、胃がん・大腸がん・肺がんの医療機関による個別検診を導入してまいります。
また、市民の皆様が特定健康診査等の受診状況を一目で把握できるよう、特定健康診査と各種がん検診の受診券を一つの綴りとして送付し、市民の皆様が受診しやすい環境の整備を行い、特定健康診査やがん検診の受診率向上に努めてまいります。また、これらとあわせ、運動習慣の定着、食習慣の改善を図るため、健康づくり推進員による出前講座の実施や、食生活改善推進員による地域食生活改善活動など、総合的な健康づくりの推進にも努めてまいります。

 次に、「都市機能の充実したまちづくり」であります。
国は、平成21年度に、生活者の視点に立った安心で質の高い暮らしの実現や災害に備えた防災性の向上など、公園における総合的な観点から都市公園安全安心対策緊急総合支援事業を創設いたしました。子どもから高齢者まで誰もが安心して利用できる公園としてきめ細やかな整備を進めるために、当該事業を活用してフェンスや遊具などの公園施設整備を行い、快適で安全な公園づくりを進めてまいります。

 次に、公共交通の利用促進と社会資本の活用を目的として、平成15年からJR駅周辺の駐車場の整備および運営管理にPFI事業を導入して利用者の利便を図ってまいりましたが、契約期間の終了に伴い、本年4月から市直営で運営してまいります。今後は、引き継いだ設備を有効に活用して、公共交通の利用促進と駐車場利用者へのサービス向上に努めてまいります。

 次に、県事業の鞍谷川災害復旧助成事業についてでありますが、浅水川合流点から川島大橋までの区間で松成町の一部および橋梁取付部等を除きほぼ完了しており、この8月に田中堰が完成し、旧堰の撤去工事ならびに護岸工事等に着手しました。また、川島橋上流の護岸工事等も急ピッチで工事が進められております。また、橋梁工事についても、吉谷町の喉橋や川島町のかり橋・大橋が4月に開通する予定であり、残りの2橋も順次早期通行出来るよう鋭意工事が進められております。

 次に、河和田川上流での狭隘箇所の阻害部を除去する改修工事については、片山橋が昨年7月に、北中橋はこの1月に改築が完了し供用を開始しました。現在、黒金橋の改築を行っており、10月末完成を目指しております。なお、片山東堰や上河内の堰については、現在地区と調整を行っているところであります。
また、県事業の浅水川河川改修につきましては、昨年、JR橋付近の掘削および鳥羽橋左岸下流部の高低水護岸が完了しました。現在は、吉江橋上流と三六橋上流の掘削護岸工事を施工中であり、新年度内に所定の流下能力が確保されます。今後も、沿川住民の安心安全のため、残る低水護岸の整備などの早期完成を強く要請してまいります。

 次に、抜本的な治水対策ですが、東工ポンプ場では1号ポンプが昨年4月から稼動を始めておりますが、不測の事態を想定して、新年度と23年度の2カ年をかけてポンプを増設いたします。雨水幹線では、日之出雨水幹線を今年度中に着手し、杉本雨水幹線を新年度と23年度の2カ年で完了させたいと考えております。また、村づくり交付金事業により下司町の排水機場のポンプの更新と建屋を改築中であり、今後、川去町と中野町の排水路整備に着手いたします。

 次に、下水道の汚水整備につきましては、供用開始後3年以内に85パーセント以上の接続率を確約していただいた町内から整備しております。また、整備計画外の地区につきましては、公共事業による投資効果や事業効果発現までの長期の時間的制約等を踏まえ、今回、提案している合併処理浄化槽補助金の上乗せ補助による整備を進めたいと考えております。今後、未整備地区については、地区住民のご意見を十二分にお聞きするなかで公共下水道認可区域外への変更も検討したいと考えております。また、処理場建設、管渠整備等の資本投資が先行している中での経営健全化のためには、今後も歳出の削減に努めるとともに、受益者負担金、下水道使用料の歳入増を図る必要があります。今後とも、精力的に供用開始地区での未接続の皆様に早期接続をお願いしてまいります。

 次に、つつじバスにつきましては、環境に配慮したアイドリングストップ装置付で、利用者の乗降にも優しい低床バスを6台購入いたしました。新年度から10年間、このバスを運行業者に貸与し、運行を委託することとしております。外装も、レッサーパンダや越前漆器のイメージを取り入れた市民の皆様に親しみやすいものに統一し、来月17日には、皆様へのお披露目会を予定しております。今後は長期の運行契約となることから、運行事業者との十分な連携のもと利用される方々へのサービス向上と、より一層安全安心なサービスを提供してまいります。

 次に、「市民が主役の地方主権のまちづくり」であります。
市民参加と協働の推進を図るため、市の公式ホームページをより分かりやすく親しみやすいようにリニューアルし、パソコン等でインターネットに無料接続できるフリースポットを市の施設に設置します。また、市民団体が自主的に行う社会貢献事業に補助をしておりますが、財源として市民の皆様からの寄付によるまちづくり基金の活用に併せ、市外の方からのふるさと納税を充てさせていただき、浄財のさらなる有効活用に努めるとともに、新年度は市民主役フォーラムを開催し、専門家による市民の市政参加と自らのまちづくりの意識啓発を図ります。

 次に、鯖江ブランド情報発信事業として眼鏡・繊維・漆器などの地場産業や農商工連携の取組みを発信するほか、地元の製品をお土産などとして積極的に利用してブランド力を高める、鯖江ブランドトップセールス事業を展開してまいります。
以上、平成22年度の当初予算案に掲げる、主要な施策や事業を中心に概略を申し上げました。この結果、一般会計の予算総額は225億5,500万円となり、昨年に比べ3億1,800万円、率にして1.4パーセントの増加となりました。
これに見合う、歳入予算につきましては、市税87億6,300万円、地方交付税38億円、国庫支出金24億6,310万円余、県支出金20億5.040万円余、市債19億7,030万円などを計上いたしました。予算編成に当たっては第2次行財政構造改革プログラムを踏まえ、臨時財政対策債を除いた市債の発行を抑制、22年度末の市債残高の見込みは282億2,790万円余となります。
また、国民健康保険事業など8つの特別会計の総額は、昨年に比べ、3パーセント減の146億5,510万円、また、水道事業会計は0.9パーセント減の17億7,600万円となり、鯖江市全体の予算総額は、389億8,610万円、前年に比べ1億5,350万円、0.4パーセントの減少となりました。

 次に、平成21年度3月補正予算について、その概要を申し上げます。
今回の補正予算は、国の経済対策としての第2次補正予算に対応する事業を中心に予算措置したほか、決算見込みにより必要な経費の補正を計上したものであります。
まず、国の第2次補正予算に対応した事業についてでありますが、国から地域活性化等のためのきめ細かなインフラ整備などを進めるために「地域活性化・きめ細かな臨時交付金」が交付されることとなりました。本市では、この交付金を活用して小中学校の教育環境の整備や保育園・幼稚園などの子育て環境の充実を図ることに主眼をおき、鯖江幼稚園の屋根防水、小中学校の教室の床や照明の改修など、新年度以降で取り組む予定でおりました事業を、一部前倒しで予算措置をすることといたしました。
これによりまして、今回の一般会計の補正予算額は、2億3,220万円となり、平成21年度の一般会計の予算総額は、240億5,100万円となりました。
なお、平成21年度末の財政調整基金の残高見込みは11億3,670万円、減債基金の残高見込みは3億9,260万円となり、いずれも行財政構造改革プログラムの目標額を確保できる見込みとなりました。
また、特別会計におきましては、国民健康保険事業特別会計をはじめ後期高齢者医療特別会計、介護保険事業特別会計、下水道事業特別会計および水道事業会計におきましても決算見込み等により必要な事業費の増減の補正予算を計上いたしました。
この結果、特別会計を含めた平成21年度の予算総額は、413億1,040万円となり、昨年同期と比べ24億536万円、5.5パーセントの減少となりました。

 次に、議案第20号は、国民健康保険の税率改正についてであります。平成20年度から21年度にかけての医療費の伸びが予想より大きかったこと、また平成20年度の医療制度改革後の収納率の低下等により、ここ2年間は基金を取崩しながらの厳しい財政運営を強いられ、基金も底を尽く状況となりました。今回、医療費の自然増だけみても医療費に充てる財源が不足することになり、新年度当初予算が組めない状況になりますので、国民健康保険税の賦課基準のうち、医療分の所得割・均等割・平等割をそれぞれ値上げするものであります。今後も厳しい財政運営が余儀なくされるものと思っておりますが、最後のセーフティネットである国民健康保険の健全・安定化に全力で取り組んでまいります。 

 次に、議案第22号は、入浴設備の老朽化や利用者の増加が見込めないことから、高齢者憩の家の入浴施設を、今年度限りで閉鎖したいと考えております。閉鎖後の活用方法については、現施設を改装し、高齢者を対象にした健康寿命いきいきサロンや介護予防教室を開催するほか、本町児童センターと併設していることから、高齢者と児童との交流事業や子育て支援事業などに活用してまいります。

 次に、議案第25号は、鳥羽小学校校舎の耐震補強工事につきまして、今月4日に建築にかかる部分の入札を執行しましたので、この工事請負契約締結について承認をお願いするものであります。
その他の議案につきましては、それぞれの記載の理由に基づき提案いたしました。
以上、私の市政に対する所信の一端と市政の諸課題、予算案等について申し上げました。
何とぞ慎重にご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。

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