このページの先頭ですサイトメニューここから
このページの本文へ移動




サイトメニューここまで
本文ここから

第375回鯖江市議会定例会での提案理由説明(平成21年11月27日表明)

ページ番号:551-907-834

最終更新日:2017年3月24日

 第375回鯖江市議会定例会の開会に当たり、平成21年度補正予算案をはじめ各議案のご審議をいただくに際し、市政運営に当たっての所信の一端を申し述べますとともに、市政の諸課題につきまして、その概要をご説明申し上げます。
はじめに、職員の不祥事と未公表に関しましてお詫びとご報告を申し上げます。この度、市税等の収納業務におきまして、収納課職員による収納金の着服流用という不祥事がありましたこと、また公表の取扱いが不適切でありましたこと、市民の皆様に誠に申し訳なく心からお詫びを申し上げます。

 市民の皆様に納付していただきました貴重な市税、水道料金、介護保険料の一部を個人的な理由から流用するという行為は、公務員としてあってはならない、あるまじき行為であります。9月15日担当課長からの報告を受け、9月24日と25日の両日に人事考査委員会を開催し、9月28日付けで本人を停職1カ月、関係者を戒告、訓戒処分とすることとし、同日付で本人の退職申し出を承認いたしました。未公表といたしましたのは、退職と退職金の受領辞退という懲戒免職処分と同等のものであることに加え、何よりも本人の将来への再起に重きを置き、全て私が判断したものであります。結果的に、私の主観的判断でこのような事態になり、市政に対する市民の皆様の信頼を著しく失墜させることとなり、責任の重大さを痛感しております。

 また、さる11月20日、議会から申し入れのありました「再発防止に向けた対策」と「速やかな報告」を求める事項については、極めて重く受け止めております。今後、二度とこのようなことが起きないよう、今回の不祥事をきっかけに、公金管理のあり方はもとより、他にも犯罪や不祥事につながる組織風土、習慣がないのかを全面的に検証、犯罪や不祥事を未然に防ぐことができる組織体制の構築を目指し、過日、「鯖江市職員倫理確立向上委員会」を立ち上げました。何よりも重要なことは、職員一人ひとりの、公務員として、社会人としての強い倫理観の確立と向上であります。市民の皆様からの信頼を回復する道のりは、極めて厳しく険しいものとなりますが、私を含め職員全員、全庁体制で最大限の努力をしてまいります。

 さて、国政におきましては、政権交代による「新しい政権づくり」「新しい政治の枠組みづくり」に取り組む姿勢を前面に出し、国民との約束に応えるための方針を明らかにしております。国と地方の協議機関を設置し「地域主権」の実現を図る動きを活発化させるなど、地方重視の方向に大きな期待をしているところであります。今後も、「行政刷新会議」や「事業仕分け」など新たな方向付けのための組織や施策が次々と展開されると思われますが、国の動きには十分注視して、情報の収集と状況に応じた的確な対応に努めてまいりたいと考えております。

 それでは、平成22年度当初予算の編成方針について申し上げます。去る10月末に新年度に向けた予算編成方針を示し、現在、各部局におきまして予算要求の作業を行っているところであります。政権交代により国の政策が大きく転換し、先行きが不透明な状況のなかでの極めて厳しい編成作業になるものと考えております。

 10月半ばに示された国の平成22年度予算の概算要求では、自治体に配分される地方交付税額は前年比0.3パーセント、429億円減の15兆8千億円弱とほぼ昨年と同額の水準が見込まれており、また、これとは別に1兆1千億円の増額が事項要求項目にあがっております。しかし、現時点では、地方交付税が事業仕分けの対象となり「抜本的な見直し」となるとともに、税収の大幅な減少も予想され、地方の一般財源総額の水準はここ数年で最も厳しい状況になるものと危惧しております。また、道路関係の暫定税率の廃止に伴う代替財源や子ども手当ての創設と児童手当の廃止に係る財源の関係など、今後の国の動向や地方財政計画をしっかりと見極めながら予算編成に努めてまいりたいと考えております。しかし、このような不透明で、厳しい財政状況のなかにあっても、市民の皆様が安全・安心を実感でき、郷土に誇りや夢と希望を抱けるような施策の展開を図ることが必要であることから、新年度の当初予算編成については、次のような項目に重点を置くことといたしました。

 まず第一に、現在策定中の第5次総合計画における基本目標をまちづくりの基本方針とし、これまでも、市政の重要課題として取り組んでまいりました次の3項目については、引き続き精力的に事業の展開を図ってまいります。まず、市民生活の安心を支える施策の展開として、安心して産み育てることができる子育て環境の充実を図るとともに、市民の健康づくりを推進し、市民の皆様が安心して暮らせる地域づくりに努めてまいります。また、地域産業の活力を生み出す施策の展開として、この地域がものづくりの拠点として引き続き発展していくために、「作るだけの産地」から「作って売る産地」へと転換を進めるとともに、農商工の連携、担い手の育成・支援、地場産品の活用や地域ブランドの育成等を図り、活気あふれる産業づくりに努めてまいります。さらに、鯖江市の歴史・伝統・文化、産業などの地域の資源や特性を活かし、ふるさとへの自信と誇りを育みながら、全ての市民の皆様が「鯖江が残ってよかった」と言われるような、鯖江ならではのまちづくりを市民の皆様の「参加と協働」のもと進めてまいりたいと考えております。

 一方、引き続き厳しい財政運営が強いられることから、新年度においても、身の丈にあった「鯖江市単独での持続可能な行財政構造の確立」を念頭に、一般財源の減少に耐えうる予算編成に努めてまいります。また、総合的な経済対策や社会保障、雇用対策、環境対策などの今日的な課題に対しては、国の新年度予算の動向を注視しながら、市民からの目線・生活者からの視点に立って柔軟に対応してまいりたいと考えております。

 次に、今年度、第5次総合計画策定に合わせて、策定を目指しておりますそれぞれの計画につきまして、現時点における進捗状況をご説明いたします。
まず、第5次総合計画についてでありますが、諮問をお願いした公募を含む30人の委員の皆様が、これまで計9回の審議会・部会の中で5年後の鯖江市の姿を、詳細にわたり議論していただいております。現在、最終的なまとめの作業に入っており、年内には答申をいただくことになっております。

 次に、行財政構造改革プログラムについてでありますが、少子高齢化の進展など社会構造の変化に伴う、年金、医療、福祉等の様々な制度改正の影響や、価値観やライフスタイルの多様化などにより、本市の負担は増加傾向にある一方、景気低迷などにより国・地方を取り巻く財政状況は極めて厳しく、歳入の大幅な増加は見込めない状況にあります。そのため、限られた財源と資源を有効に活用し、必要な公共サービスの維持・向上と、新たな課題やニーズに迅速かつ的確に対応できる持続可能な行財政基盤の確立に向け、引き続き行財政運営の更なる効率化を推進していく必要があります。これらのことを踏まえ、第5次総合計画に基づく諸施策の推進を着実に支えていくため、「財政基盤の安定なくして市政なし」の考えのもと、次期行財政構造改革プログラムの策定作業を庁内で進めております。国の政権交代により、今後の財政見通しが現段階では困難でありますが、今年度中には策定したいと考えております。

 次に、平成22年度に策定する予定でありました「第2次鯖江市男女共同参画プラン」を、今後の施策を総合的かつ計画的に推進するために、第5次総合計画策定を踏まえ、1年早く策定するものであります。現在の進捗状況でありますが、男女共同参画社会に関する市民意識を把握するために、市民2,000人を対象に市民意識調査を実施し、現状と課題についての分析や雇用等の分野におけるワーク・ライフ・バランスの推進などを盛り込んだプランを審議会の中でご協議いただいているところであります。

 次に、平成17年に策定した、「未来へつなぐ つつじっこ子育てプラン」については、計画策定から5年が経過するため、前期行動計画での達成状況や課題、反省点を確認するとともに、この間の社会環境等の変化を調査把握し、今後5年間の行動計画を策定するため、現在、策定委員会でご審議をいただいております。来年1月に、答申をいただくことになっておりますので、この後期行動計画に基づき、更なる子育て支援施策の推進に努めてまいります。

 次に、平成12年に策定した「鯖江市環境基本計画」については、「京都議定書」の発効や環境関連の法整備の進展、国や県の環境基本計画改定など、状況が大きく変化していることを踏まえ、市民・市民団体・事業者・行政による「環境基本計画改定委員会」を8月に設置し、市民アンケートを実施するとともに、改定案の審議を進めているところであります。

 最後に、水道事業につきましては、安全で安心な水を安定的に供給するため、運営基盤の強化、施設の老朽化や災害対策等に関する取り組みなどが求められており、今後10年間を目標期間として、水道事業が目指すべき姿や方策等を示すものとして、「(仮称)鯖江市水道ビジョン」の策定作業を進めております。
今後は、いずれの計画もパブリックコメントにより、さらに多くの市民の皆様のご意見を拝聴・反映しながら、それぞれによりよい計画づくりを目指したいと考えております。

 さて、私は市長就任以来、「市民が主役のまちづくり」という考えで市政運営に取り組んでまいりました。市民の皆様の知恵と経験、そして、その意欲を活かし、まちづくりのエネルギーに集約することが、この激動の時代を乗り切っていく最善の方法と考えております。第5次総合計画のスタートにあたる新年度に向けて、こうしたまちづくりの理念や主要な施策を「市民主役条例」という形で明文化し、市民の皆様と職員、そして私が、思いを一つにしてまちづくりに取り組んでいきたいと考えております。行政運営や自治体経営においては大変厳しい環境が続くことが予想されており、本市もその例外ではありません。本条例の策定に当たっては、「市民が主役のまちづくり」を実現する理念のほかに、地場産業や農林産品、歴史・伝統・文化、自然環境等の資産をブランド化し、市民の力による参加と協働のまちおこし・産業おこしに結びつけることが重要であります。具体的な条文につきましては、現在、公募を含む16人の委員の皆様で原案を作成中でありますので、次期定例市議会にお諮りしたいと考えております。

 それでは、次に、主要な事業について申し上げます。
まず、北陸地方の3カ月予報によりますと、平均気温は、平年並みの確率が30パーセント、高い確率が50パーセントとなっており、昨年と比べ平均気温の高い確率が10ポイント増えており一安心ですが、雪害対策については危機意識をもって万全を期してまいります。今月4日に鯖江市雪害対策関係行政機関等連絡会を開催し、雪害対策をはじめ関係機関の取り組みなどを協議し、突発的な積雪に対し市民の生活道路を確保するため、今月20日に除雪対策本部を設置したところであります。今年度は、除雪基地会議において、生活道路確保という観点のみならず、ひとり暮らし高齢者世帯等の除雪支援やごみ収集体制の確認を行い、積雪時における市民生活支援の横の連携を図ったところであります。

 次に、環境保全活動についてでありますが、今月10日から13日までの4日間、資源物ステーションにおいて、市職員によるまちづくりモニター事業の一環として、ごみ減量化・資源化の啓発を呼びかけるチラシを市民の皆様に配布し協力をお願いしました。本市の平成20年度における市民1人1日当たりのごみ排出量は、1,061グラムと県内では3番目に多く、ごみの資源化率についても、平成14年度の24.5パーセントをピークに低下傾向にあり、平成20年度においては19.3パーセントに減少しております。今後は、市民1人1日当たりのごみ排出量については900グラム、資源化率については25パーセントを目標に、ごみの減量化・資源化を強力に推進していきたいと考えております。

 次に、新型インフルエンザについてですが、8月中旬以降、再び全国的に流行の兆しを見せ、本県においても今月18日「インフルエンザ警報」が発令されました。市内の集団感染状況は、今月24日現在で保育園が3園、幼稚園が3園、小学校が10校、中学校が2校と、日増しに感染拡大の様相を呈しております。本市では、随時、新型インフルエンザ対策会議を開催し、市民の皆様への感染予防徹底の周知、マスクや手洗い消毒液などの備蓄と公共施設等への設置、学級閉鎖等の措置を行うなど感染拡大防止に努めているところであります。

 一方、新型インフルエンザワクチンの接種につきましては、国内産ワクチンの絶対量が足りないことから、国では優先接種対象者の中でも優先順位を設け、順次行っていくこととなっております。本県では、医療従事者、基礎疾患を有する方や妊婦の方への接種が既に開始され、来月7日からは1歳から小学3年生の児童への接種が開始される予定となっています。なお、1歳未満の乳児の保護者、小学4年生から高校生相当の方や65歳以上の高齢者への接種の開始については、現在、ワクチンの本県への配分状況を踏まえ検討中とお聞きしております。
また、市では、低所得者へのワクチン接種費用軽減対策を実施することとし、生活保護および市民税非課税の世帯に「負担軽減対象者証明書」を送付いたしました。この費用につきましては、福井県医師会との契約の関係から、専決処分とさせていただきました。

 次に、つつじバスにつきましては、環境に配慮したアイドリングストップ装置付で、利用者の乗降にも優しい低床バス6台を国の地域活力基盤創造交付金により購入することといたしております。平成22年度から10年間、このバスを運行業者に貸与し運行を委託することになります。また、つつじバスのラッピングデザインにつきましては、県内5つの高校・大学・専門学校および京都精華大学から募集し、主に河和田線を運行するバスとそれ以外の路線を運行するバスのデザイン2点を決定いたしました。つつじバスの運行につきましては、多くの皆様が利用していただかなければ継続は極めて困難であり、今後とも利用継続を呼びかけるとともに、市民の皆様に愛され親しまれ、乗りたくなるような充実したつつじバスの運行に努めてまいります。

 次に、もみじまつりにつきましては、鯖江観光協会50周年を記念して今月8日のオープニングセレモニーから月末まで開催されておりますが、三連休の21日から23日にかけてのメインイベントでは、物産テント市、ふうふうあったかフードフェスタ、親子ふれあい写生大会など盛りだくさんの催事が行われました。今年は、鯖江商工会議所青年部の皆さんの企画で結びのチャイムのお披露目会などもあり、イベント期間中、前半のすっきりしない天候にもかかわらず、約4万8,800人の方がお見えになりました。今後とも、西山公園がまちなか公園として、「心が癒され憩える歴史と文化の薫る公園」になるよう、整備に努めてまいりますとともに、四季を通じ大勢の観光客で賑わう県内でも屈指の観光地を目指してまいります。

 次に、昨年末からのアメリカ経済の低迷により、世界中の景気が悪化し、今なお経済不況が続いております。政府においても、去る20日の11月月例経済報告で2006年6月以来3年5カ月ぶりに、日本経済は「緩やかなデフレ状況にある」と発表しました。当然、本市においても経済情勢は非常に厳しい状況下にあり、経営は困難を極めております。市内の中小零細企業に対して、資金繰りなど経営指導や経営相談窓口として、緊急雇用創出臨時特例基金を活用して専門の相談担当職員を常駐させ、鯖江市独自の中小企業支援機構を設置し、きめ細やかな経営支援を展開してまいります。
また、長引く景気低迷から、中小企業の資金繰り支援策として県経営安定資金融資利用者への信用保証料補給を本年7月から実施しておりますが、企業を取り巻く経済情勢は依然として厳しい状況にあることから、12月末までとした受付期限を今年度末まで延長するとともに、市の制度融資である中小企業振興資金についても、本年8月に引き下げました現行金利を当面据置くこととし、中小企業の経営安定化に継続して取り組んでまいります。

 次に、「眼鏡産地の再生」をテーマに昨年度から実施している「魅力と活力あふれる「めがねのまち鯖江」元気再生事業」でありますが、今年度も大きく分けて4つの実証実験の成功に向けて産地一丸となり取り組んでいるところです。既に、全国の眼鏡小売店の販売員を対象とした産地体験による産地PR実験や、後継者育成の新たな手法としての「ものづくり教室」の実施を終えたほか、10月には、デザインコンペ形式による製品開発の検証を目的とした「sabaeサングラス・ファッショングラス デザインコンペティション」を実施いたしました。このコンペは、最新のファッショントレンドを意識したデザインコンペを行うもので、産地企業における企画開発力の向上と、新たな製品開発手法の検証を行うものです。今後は、これらを「sabae」ブランドとしてアピールしていくことで、産地鯖江のブランディングの手法と可能性を検証していく予定です。また、このほかにも、タレント事務所との連携によるタレントコラボモデルの開発や人気ファッション雑誌とコラボした産地製品を用いた「眼鏡スタイルブック」の製作、一般消費者向けの工場見学等の充実による産業観光の可能性調査を予定いたしており、これらの効果検証に向け、鋭意取り組んでいるところであります。今年度も引き続き産地が一体となって取り組むことで、眼鏡産地の更なる発展に繋がることを大いに期待いたしております。

 また、10月27日から3日間、東京のビッグサイトで開催されました国内最大級の眼鏡国際見本市「IOFT」に鯖江産地から計77社が参加され、今回、この見本市に新たに「めがねのまち鯖江」元気再生協議会のブースを「福井ゾーン」の一角に設けさせていただきました。同ブースでは、昨年度の東京ガールズコレクションとの協業による産地鯖江のブランド化への取組みに加え、先に申し上げました「sabaeサングラス・ファッショングラス デザインコンペティション」の認定作品を展示し、来場される全国の小売店やバイヤー等に対して、アンケート調査を実施いたしました。今後は、このアンケートの集計・分析ならびに効果の検証を行うことで、産地が目指しております「作って売る産地」の実現につなげてまいりたいと考えております。

 また、産地の業界団体であります福井県眼鏡協会におかれましても「作って売る産地」の実現に向けて、来年3月を目処に産地鯖江のシンボルともいえる「めがね会館」を、一般消費者のあらゆるニーズに応えられる施設としてリニューアルされる予定とお聞きしております。同施設では、産地鯖江で製造されたメガネやサングラス等の購入が可能となるほか、産地の歴史的資料の展示や、メガネの手づくり体験も出来るなど、今後、国内唯一の眼鏡産地を活かした産業観光の拠点施設として、更なる産地振興につながることを期待しております。

 次に、農政問題についてですが、本市の今年産米の作況指数は「やや不良97」でありますが、在庫過剰による米価の下落が危惧され、経営規模の大きい農業者ばかりでなく、小規模・高齢者を含めた多数の農業者の経営を不安定なものとし、地域農業・地域経済の活力を損うことが心配される状況にあり、政府の対応に大きな期待を寄せているところであります。
また、国が進めております農家の戸別所得補償制度は、現行の生産調整を廃止し、主食用のほか米粉用、飼料用等多用途の米の計画的な生産・流通を推進するものであります。自給率が低い麦、大豆、飼料作物、新規需要米、ソバ、ナタネ等の戦略作物に、食用米並みの所得が得られる交付金を直接支払って生産奨励し、生産調整を進めることとしております。しかし、補償単価の全国一律設定は、大規模層や良質米地帯の農家ほど有利に働き、条件不利地域や零細規模の農家層には、営農継続も厳しい事態が想定されます。戸別所得補償制度の導入は農政の大転換であり、主食用米の生産調整が確実に担保できるか、全国一律の補償単価で販売農家すべての経営安定が図れるかという問題もあり、今後の国の動向を十分注視してまいりたいと考えております。

 次に、イノシシ等による農林業被害の拡大を防ぐため、山ぎわの林地内に野生動物の侵入防止施設を設けることで、点検や維持管理を目的とした人の活動を再生し、野生動物との緩衝帯を創生していく鳥獣害対策緩衝帯創生モデル事業を、豊地区の和田町、河和田地区の上河内町に続き、今回、緊急雇用創出臨時特例基金を活用して石生谷町2.5キロメートルを整備してまいります。

 次に、さばえ菜花は、早春に有定橋、丹南橋から石田橋辺りで黄色の絨毯を敷きつめたように咲き誇り、春の彩を楽しませてくれる景観作物として、また、甘みが強く食用としても使え、本市の特産品としても県内外に発信していきたいと考えております。現在では、年々作付けが増えて、春の風物詩としても定着しつつありますので、来年4月には「さばえ菜花まつり」を開催し、「鯖江春の三大花ものがたり」として、普及推進していきたいと考えております。

 次に、第1次、第2次、第3次産業である農・商・工の各産業界が連携し、新たな鯖江ブランドの創造を目指して、鯖江商工会議所、JAたんなん、農業公社グリーンさばえと市の担当者による「鯖江市農商工連携プロジェクトチーム」を立ち上げました。これまでに、農業者と商工業者による数回の座談会を開催し、地産地消や新商品開発による販路の拡大に向けた取組みを行ってきました。今後も、引き続き市場調査を行い、実情に見合った事業展開を図ることで、農商工連携による鯖江ブランドの構築を目指してまいります。

 次に、本年4月にリニューアルオープンした西山公園「冒険の森パンダらんど」は、市内外からのたくさんの保育園児や児童たちに楽しんでいただいております。今回、国の地域活性化・経済危機対策臨時交付金事業を活用して、幼児向けの遊具施設や、法面を利用した滑り台を新たに設置し、「パンダらんど」を幼児から児童まで一緒に楽しく遊べる施設として整備を行うほか、安全対策と景観美化のために緑化ブロックによる法面の整備も行ってまいります。

 次に、学校施設の耐震化の状況についてご説明申し上げます。まず、平成20年度の国の経済対策により、昨年度に着工した東陽中学校校舎と神明小学校の給食室の耐震補強工事につきましては、10月末に概ね完了し、使用を開始いたしました。また、現在、実施設計を行っております鳥羽小学校の北校舎および南校舎の耐震補強工事につきましては、「安全安心な学校づくり交付金」の対象事業として交付決定を受けましたので、この度の補正予算におきまして工事費を計上いたしました。さらに、生徒数の増加や「元気福井っ子新笑顔プラン」の実施による学級数の増加に伴い教室不足が見込まれる中央中学校の増築工事でありますが、これにつきましても公立学校施設整備費国庫負担金事業として認定を受けましたので、必要な事業費を計上したところです。これによりまして、普通教室6教室を増築し、今後の教室不足に対応してまいりたいと考えております。

 この鳥羽小学校耐震化および中央中学校増築事業につきましては、いずれも本年度の国の経済対策による学校施設の耐震化等の促進に対応するもので、補助率が対象事業費の2分の1となるとともに、補助残額は全額補正予算債で対応し、後年度元利償還の50パーセントが交付税算入されるうえ、公共投資臨時交付金の対象となり、財源の面で極めて有利となることから、今年度の事業として取り組むものであります。
また、学校ICT事業における校務用パソコンやデジタルテレビなどの配備についての進捗状況ですが、政権交代に伴う国の補正予算の見直しにより予算執行を見合わせておりましたが、今月に入りまして正式に交付決定通知が届いたところです。事業見直しの時点では、補助金の削減や事業の一部中止も懸念いたしておりましたが、周辺設備も含めて、本市の要望どおり事業が認められましたので、さっそく校務用パソコンの配備などに取り掛かっているところであります。

 次に、資料館リニューアルについてでありますが、竣工は来年1月末を予定しております。来年は市制55周年にあたることから、資料館のリニューアルオープン記念特別展を記念事業のメイン事業として2月27日から開催したいと考えております。
また、愛称につきましては、一般公募した結果「まなべの館」に決定いたしました。選定の理由は、資料館が鯖江藩主の間部公が領民とともに拓いた西山公園の一角にあることや、この地が間部公を中心に歴史文化が発展し、今日の礎が築かれてきたことによるものであります。あわせて、愛称名の決定を機に、「鯖江市まなべの館」を正式な施設の名称とするため、「鯖江市資料館設置および管理に関する条例」の一部を改正する条例を上程いたしました。これを機に、間部公を顕彰し歴史・伝統・文化を永遠に守り育てていく機運の醸成を図ってまいりたいと考えております。
また、昭和54年に開設した勤労青少年ホームは今年で30周年を迎え、新たに若者なら誰でも利用でき、愛され親しまれるような施設となるよう愛称をつけることといたしました。愛称の募集を行い、「ユーカルさばえ」に決定いたしました。この愛称の願いどおり、今以上に、子どもたちや若者に、気軽にかつ大いに利用していただきたいと思っております。

 次に、昨年初めて開催しました鯖江市美術展ですが、今年も、今月から募集を開始いたしました。開催期間は、来年3月26日から4月4日の10日間とし、会場は「嚮陽会館」、「まなべの館」、「ギャラリー新」の3会場を予定しています。今回の運営につきましても、市民主体の美術展となることを期待しております。
次に、議案第81号および第83号は、本年6月に支給された特別職および一般職の職員の特別給の一部が凍結されたことに続き、人事院は公務員と民間企業の給与ならびに特別給の支給実績を調査比較し、厳しい経済状況の中で、引き続き民間企業の賃金、賞与が抑制されていることを考慮し、引き下げ勧告を行ったところであります。このことを受け、国家公務員の給与等が改定されることに準じ、来月に支給する特別職の期末手当および一般職の職員の期末・勤勉手当の支給の一部についても引き下げを提案するものであります。

 次に、本市では平成18年度から指定管理者制度の本格導入を行い、現在32の施設を指定し、住民サービスの向上と管理経費の縮減を図っております。これらの施設のうち今年度で指定期間が満了となる「夢みらい館・さばえ」と総合体育館をはじめとする11施設に新たにスポーツ交流館を加えた12施設を、一括して公募による更新の手続きをとり、選定委員会による厳粛かつ公平な審査を行い、候補者を選定いたしました。また、非公募の立待体育館につきましては、書類等の内容審査および協議の結果、現在指定管理を行っている団体を候補者といたしました。今後も引き続き、さらなるサービスの向上や利用者増に向けた取組みを、指定管理者とも協議しながら最善を尽くしてまいります。なお、指定期間は、事業の継続性や安定性、優秀な人材の確保、機器のリース期間等を勘案し、昨年度更新を行った施設と同様、3年間から5年間に変更いたしました。

 次に、今回ご提案いたしました平成21年度の12月補正予算について、その主なものを申し上げます。
まず、一般会計におきましては、民生費では、施設生活支援事業やグループホーム等支援事業費などの扶助費の不足見込額への増額対応を行う一方、国の補正予算の執行停止に伴い子育て応援特別手当の支給を取りやめることとし、減額対応を行いました。

 次に、農林水産業費におきましては、緊急雇用創出臨時特例基金により、鳥獣害対策として山ぎわに緩衝帯を造成する事業費として1,970万円余を計上するとともに、県の補助事業により地域営農集団の耕作機械等の整備に対する助成費として、680万円余を計上いたしました。
次に、商工費におきましては、緊急雇用創出臨時特例基金を活用し、中小企業の資金繰りなど経営指導を中心とした支援事業に要する経費として、190万円余を計上いたしました。

 次に、土木費におきましては、地域活力基盤創造交付金を活用し、西山公園に大型バスの駐車場や屋根つきの休憩所を整備する経費として2,500万円を計上し、また、同交付金による市道整備に要する経費として、3,130万円を増額補正することといたしました。

 次に、教育費におきましては、鳥羽小学校の耐震補強・大規模改造工事の事業費として3億6,690万円を計上いたしました。これにより、豊小学校を除き、D判定以上の小中学校の耐震補強工事は全て終えることになります。また、中央中学校の校舎増築工事費として1億3,040万円を計上いたしました。
そのほか、人事院勧告に従い、職員給与費の減額補正などを行ったところです。
これらの結果、一般会計におきましては、3億6,290万円を増額し、平成21年度の予算総額を、237億3,880万円としようとするものであります。
また、特別会計におきましては、国民健康保険事業特別会計をはじめ介護保険事業特別会計、農業集落排水事業特別会計、下水道事業特別会計におきまして、人事院勧告や職員配置の異動に伴う職員給与の調整などへの対応のため必要な補正予算を計上したところです。
これらによりまして、特別会計を含めた平成21年度の鯖江市の予算総額は、407億1,970万円となり、昨年の12月補正後と比較して3.5パーセントの減少となりました。

 次に、議案第92号、鯖江市教育委員会委員の任命についてでありますが、教育委員会委員の福嶋昭二氏が、一身上の都合により、11月30日をもちまして辞職されますので、同氏の後任として、瀧波留美子氏を任命しようとするものであります。瀧波留美子氏は、人格・識見ともに優れた方であり、適任と考えますので、よろしくご賛同賜りますようお願い申し上げます。

 次に、議案第93号、同じく鯖江市教育委員会委員の任命についてでありますが、教育委員会委員の齋藤多久馬氏が、12月14日をもちまして任期満了となりますので、同氏の後任として蓑輪秀邦氏を任命しようとするものであります。蓑輪秀邦氏は、人格・識見ともに優れた方であり、適任と考えますので、よろしくご賛同賜りますようお願い申し上げます。
その他の議案につきましては、それぞれ記載の理由に基づき提案いたしました。
以上、私の市政に対する所信の一端と市政の諸課題、補正予算案等について申し上げました。何とぞ、慎重にご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。

お問い合わせ

このページは、総合政策課が担当しています。

〒916-8666 鯖江市西山町13番1号(市役所本館3階)

総合政策課
政策推進グループ
TEL:0778-53-2263
FAX:0778-51-8150
さばえSDGs推進センター
TEL:0778-42-8938
FAX:0778-42-8939

このページの担当にお問い合わせをする。

情報がみつからないときは

サブナビゲーションここまで

鯖江市章
〒916-8666 福井県鯖江市西山町13番1号
TEL:0778-51-2200(代表)
FAX:0778-51-8161
  • 鯖江市の花・木・鳥
    つつじ・さくら・おしどり
  • 人口と世帯
  • 鯖江市の動物レッサーパンダ
    メガメガ・ウルウル
トップへ戻る
Copyright (c) Sabae City. All Rights Reserved.
このページのトップに戻る