posted:2013.03.04
--ペーパーグラスのWEBは、ビジュアルやコピーが美しく、非常に見やすいなと思ったのですが、ペーパーグラスが完成してから販売に至るまで、販売プロモーションやブランディングはどのように取り組まれたのですか?
無事、ペーパーグラスは完成したのですが、我々はメーカーなので売り方がわからなかったんです。(笑) ただ、メーカーでもいい商品を企画して作ることは可能だと信じてましたし、SNSの普及もあってメーカーとユーザーの距離も確実に近づける時代になってきました。だからこそペーパーグラスに込められた思いを、きちんとした形でお客様に伝えたかったので、ブレないようにブランディングをする必要がありました。ペーパーグラスが完成して販売がスタートするまで約1年、思いを共にするメンバーと議論を重ねました。販売プロモーションチームは西村金属の西村常務を中心に、坪内課長、外部からWEB担当の水切氏、コピーライターの野尻氏の4人でスタートしました。
--販売に至るまでの1年の間、どういうお話をされてきたのですか?
【左】web担当の(株)インフォライブ水切弘典氏【右】西村金属 坪内義久氏プロモーションのコンセプトは「モノの価値を売るのではなく、ユーザーの体験価値を売る」ということでした。いくらプロダクトとして素晴らしくても、作り手の技術やこだわりを一方的にユーザーに押し付けても、マニアックすぎてなかなか伝わらない恐れがある。あくまでもユーザー視点で考えることが大事だと当初から感じていました。
--確かにそういう商品は世の中にたくさんありますよね。多分いい商品なんでしょうが、どうも琴線に触れないというか、よくわからないことが多々あります。
そうですね。ユーザーにとって、商品の機能性は当たり前で、むしろその先にある「所有することで得られる喜び」を求めているのです。だからこそペーパーグラスはユーザーの琴線に訴えかけるプロモーションをしようと早い段階で決まりました。
----確かにそうですね。でも、どうやって琴線に触れるようなプロモーションをするのですか?
ヒントになったのが市場調査でした。老眼鏡ユーザーが抱えている不満や課題を調べたところ「老眼鏡=仕方なく掛けるもの」という潜在意識があることが浮かび上がってきました。ユーザーは老眼鏡に対してネガティブイメージがあって、できれば掛けたくない。特に女性はその傾向が強いとことがわかりました。そこで考えたことが、「ネガティブイメージをポジティブイメージに変えよう」という発想でした。ペーパーグラスは開発当初から「収納しやすく機能的で美しい老眼鏡」というコンセプトをもち、「おしゃれ」というキーワードは初期段階から根底にあったので、「この老眼鏡なら掛けたくなる」というイメージをユーザーに抱いてもらうようなプロモーションをしました。
--具体的にはどういうことですか?
男性は老いを比較的受け入れ、むしろ老いさえもかっこよく見せたいという願望があり、一方で女性はどちらかというと老いたくない。いつまでも若くありたい、美しくありたいという気持ちがある。男女で意識は違うので、表現の仕方をそれぞれ変えていますね。
例えば男性であれば「人前で自慢できるそんな老眼鏡が欲しかったんだ」というコピーを使い、人に語れるような老眼鏡のイメージを。女性に対しては全体の雰囲気を重視することから、「かわいい」「便利」というキーワードをもとに、使うシーンを想起されるようなイメージを使いました。
--プロモーションで苦労されたことはなんですか?
当初プロモーションチームのメンバーが男性ばかりだったことです。(笑) 男性ばかりだとどうしても男くさい話になってしまい、考え方が偏ってしまうんですよね。実はペーパーグラスのメインターゲットは40代の女性なんですが、当初は男性向けのイメージで考えていたんです。ただ、議論をする中で、それではいけないと思い、ブランディングデザイナーの景山さんという女性の方にチームに入ってもらい、そこからやっと全体を俯瞰できる目線が生まれましたね。改めて女性の目線は偉大だと実感しました。(笑)
--WEBに掲載されているモデルが随分お若いですが、何か意図があったのですか?
モデル選びは慎重にしましたね。琴線に訴えかけるようなプロモーションに力を入れることは決まっていたので、ビジュアルイメージは重要でした。従来の老眼鏡ではもう少し年配の方をイメージキャラクターとして使われることが多いのですが、ペーパーグラスのターゲット層は40代。「あ、これ老眼鏡だったんだ!」というインパクトを与えたいという狙いがあったので、あえて若い方でアクティブな印象をもつモデルを起用しました。
--最後に、ペーパーグラスを今後どういうブランドにしていきたいかを教えてください。
ペーパーグラスの最大の特徴は、「老眼鏡は楽しい」という新しい価値を創りだすことと同時に、込められた想いや技術が100%福井県鯖江産だということ。 我々はメーカーですが、ペーパーグラスを通して日本の町工場のモデルになり、日本のものづくりが元気になるようフォローアップしていきたいですね。また、メーカー・小売店・ユーザーと、ペーパーグラスに関わる全ての人が幸せになれる仕組みを作り、太く、長く愛されるプロダクトに育てていきたいですね。
今後の展開としては、ペーパーグラスブランドから派生する別モデルを発表しようと考えています。クラシックなものやポップなカラーリングの老眼鏡など、海外向けの商品も提案していきたいですね。
ペーパーグラスの夢は、まだまだ続きますよ!
PAPERGLASS / ペーパーグラス
読む、見る、書くを、もっと楽しく。もっと美しく。
薄さたった2mmのオシャレな折りたたみ老眼鏡。
ペーパーグラスは老眼鏡のイメージに新しい価値を与え、 視力による豊かさを創るために開発されました。ペーパーグラスは商品自体が存在を語る。たたむ時の優越感、開いた時の至福と、一連の動きを見て驚く相手の方と感動を共有できる、そんな楽しくて美しい「老眼鏡」です。
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