鯖江メガネファクトリー

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オプトデュオ

今回は、メガネのプラ枠(セル枠とも)の素材に注目します。 (株)KISSOは、メガネのメタル材・プラスチック材といった材料を扱う会社。メガネの色々なプラスチック生地を紹介されています。プラスチックにも色々ありますが、メガネに使われているのは主に「アセテート」という材料です。プラスチック生地について(株)KISSOの平本勝也さんにお話を伺い、プラ枠メガネの意外な事実を知りました。

YELLOWS PLUS

 

平本勝也 氏

--(色とりどりのプラスチック素材を目の前に)綺麗ですね!

当社はこういうアセテートの素材を、主にイタリアのマツケリー社、日本のダイセルファインケム社から仕入れて販売しています。あ、これは色見本ですけどね。お客様にはこれをお見せして生地をご紹介します。ただ、板状だとお客様もイメージがわかないということで、メガネの前枠・テンプルといった部分に加工した状態で提案して、色を見ていただくこともありますね。実際の生地サイズは製造方法によって異なります。

実を言うとこういう素材の供給先はあまりないんですが、一番のシェアを持ってるのがイタリアのマツケリー社です。イタリアの人って陽気で色彩感覚に優れていて、色んな芸術的イメージがありますね。

--あー、そんなイメージがあります。

これがマツケリー社なんですけど。

--大きいですね!

イタリアのマツケリー社の上空からの写真

ミラノから北の方へ60キロくらいの位置にあります。温暖で気候が良くて、冬でも雪はほとんど降りません。 メガネの素材としては、昔は良くセルロイドが使われていました。(今も「セル枠」という言い方がありますよね。)昔はマツケリー社も、アセテートじゃなくてセルロイドを作っていたんです。歴史が160年くらいある会社です。

--160年前からというと…。

ペリーが浦賀に来航した辺りの時期ですね。

--そんな頃からですか。

アセテートっていうのはもともと植物繊維から作るんです。プラスチックといっても実は植物繊維なんですよ。綿花とパルプから作ります。それに、化学的に薬品等を加え加工して、板状にします。

--植物からできてるんですか!

それでアセテートがどうして良いかというと、透明度が非常に高いので綺麗な色がつきやすいんですよ。プラスチック系の素材でそういうものは、なかなかないんですよね。

--えー、そうなんですか?

石油系の樹脂というのは、ナイロンとかポリエステル、ペットボトルの素材とか色々ありますけど、だいたい濁ってて綺麗な色が出にくいんですよ。 アセテートが使われているのには、そういう綺麗な色が出るって言うのと、もうひとつの理由があるんです。 植物繊維なので我々と同じ有機物ですから、こうやって肌に直接付けても、温度が近くて冷たい感じがしないんですね。あとこんなに曲げても割れない、やわらかくてしなやかです。

--メガネは頻繁に肌に付いたり離れたりしますね。

ええ、そんな風にアセテートには、綺麗な色がつきやすいということと、温かみがあるという利点があります。 それと、もともと植物系の素材から作ってますから、人にやさしく、エコ的な要素もあります。

--えー…すごい。エコですね!プラ生地のメガネでは、今はこのアセテートの素材が主流なんですか?

もうメガネでは圧倒的に、というかむしろ一般的に、プラ枠・セル枠というとアセテートがほとんどですね。セルロイドもまあ使ってますけど、セルロイドは爆薬等に使うニトロ系の薬品などが含まれていていて、危険物なんです。燃えやすいんですね。

--あーなるほど。

ヨーロッパとかアメリカでは禁止になってますね。日本とか中国、アジア関係では一応オーケーなんですけど、危険物扱いですから使用が限られてきていますね。

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