鯖江メガネファクトリー

浪漫堂
YELLOWS PLUS

なるべく、入りにくいお店

--まず、浪漫堂という名前の由来は?

最初幾つか決めて、何個か案を出したんですけど…、アンティークな感じとか、怪し気な骨董屋さんのようなイメージにしたかったので、このような名前にしました。本物のヨーロッパの什器も置いてあります。

--雰囲気と名前が合ってますね。お店の雰囲気がレトロな感じで素敵だなと思いました。什器もご自分で探してきたんですか?

探したってほどでもないですけどね。滋賀でそういうアンティークのお店を見つけて、そこで揃えました。こんな古いものの値段ってあってないようなものでしょ?これいくらか誰が決めるのってね。だから、うちのメガネが目指すところってそれと似通ったようなところがあるんです。オーダーって一体いくらなの?って、基準が分かりづらいじゃないですか。ちょっとそういう意味を込めたんですけど。

-- なるほどー。

あと、このお店はなるべく人が入りにくくしてるんですよね(笑)。ブラインドもわざと木にしたりして外から全然見えなくしてね。普通の人はすごく入りにくいらしいんですけど、うちはそれをねらってるんで、しめしめみたいな(笑)。

--どうして入りづらくしたんですか?

あんまり一般的なメガネのお店ではないのでね。オーダーとか、ちょっと他にないようなものが欲しいとかね。でも、入ってくるなっていうんじゃなくて(笑)、逆にうちとしてはこっちで客層をしぼってしまう。広くどんな人でも来てくださいっていう形式じゃなくして、ちょっとマニアックな人が県外から来てもらえたりとか、その程度でいいかなと。

小棹葛彌氏

--隠れ家的なお店ですね。

鯖江だから、色んなことができるんですよね。今まで使ったことのないようなメガネとか、ちょっと改造したりだとか、言ってもらえればできなくはないんですよね。鯖江でしかできないことをここではやろうかなと。鯖江の人は逆に来ないですね。近所の人とかは来ますけど。ほとんどのお客さんは県外市外からいらっしゃいますね。

--マニアックな人が来るんですか?

そうですね。そういう人が来てくれたらしめしめという感じです。ねらったとおりの人が来てくれたなって。だから暇ですよ(笑)。この辺にはそんなマニアックな人あんまりいませんから。関係者はいっぱいいますけどね(笑)。メガネマニアみたいな人はやっぱり大阪・名古屋・京都あたりの人が多いです。東京からはちょっと距離があるので、それよりは少ないですね。名古屋からはちょくちょく、「一度、メガネ産地に来てみたかった」と言って来られる方が結構いらっしゃるんですよ。

--へ〜…。

で、鯖江に来られるんですけど、鯖江駅を降りた時に、「え、何もない」っていう。

--(笑)。

メガネ産地なのにどこ行っていいかわからないみたいな。

--そういったお客さんに対しての誘導というか宣伝みたいなのはしてないんですね?

してないです。まあホームページ見て来てくださったり、あるいは観光協会の人に紹介されたり…市内の小売店さんとかで、オーダーなどのちょっとややこしい依頼があると、当店を紹介してくださることもありますね(笑)。

--なるほど。ほんとにメガネ好きのひとがここに集まってくるっていう…

まあそれほどではないですけど、うちとしてはそうしたいっていうことです。うちも自分からは宣伝してないので知られなくて当然なんですよね。知ってる人しか行けないみたいな。まあそういうことしてると儲かりませんけどね。ただ、オーダーを受けると私が直接職人さんのところへ走り回ってます。だからあんまり売れると逆に大変というか。開店時間は変則的で、入りづらいし、あんまり人に知られてないから…っていう、今のところはそういう状況ですね。

なるべく、入りにくいお店
武器=「鯖江」に住んできたこと
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