越前市赤坂町に「G.A.YELLOWS」のオフィスはありました。「G.A.YELLOWS」は、流行にとらわれず、“いつの時代にも美しいと評される形“をコンセプトとした眼鏡ブランド「YELLOWS PLUS」を産み出す会社です。なんとご自身がペンキを塗った(!)という、とても素敵でシンプルな仕事場で、デザイナー・山岸氏の独自のデザイン観を伺いました。
卸業時代の衝動から
-- まず、メガネのデザインを始めたきっかけというのは?ご実家がメガネ卸業をなさっていたと伺ったのですが…
最初は、実家のメガネの卸業を手伝っていて、メーカーが企画した商品を仕入れ、全国の商社や小売店に卸していました。
色んな商品を見て、売り歩くうちに、「福井の現場で考えられているモノづくり」と、「売り場で求められているモノづくり」とのギャップを感じ始めたんですね。「卸業」という、現場と小売店の中間の立場で見ていると、そのギャップが、ビジネスでうまく繋がらないかなぁと感じていました。
もともと、デザインには興味があり、メガネのデザインを始めました。
--それから眼鏡のデザインを始められたんですね。
最初は、簡単なラフスケッチから描き始めて、それをメーカーさんに見せていくうちに、専門的な知識が身についていたという感じで、その延長線上に今がある感じです。
-- もともとデザインは、学校で学んでいらっしゃったのですか?
全く学んだことがなくて、デザインを始めた当初は、本当に、全く分からなかったですね。メーカーさんに直接、描いた図面を見せて、「これを作るには、別の図面も要るよ。」とか、「ここに寸法を書かなきゃダメだよ。」とかアドバイスを受けながら、図面の描き方を覚えていきましたね。
-- 大変ですよね。
多分、そういう専門知識を学んできている人より、何倍も時間は掛かっていると思いますよ(笑)。当時は、そんなに気にはならなかったですけどね。
-- 卸業をやってきた経験は、今のデザインのお仕事に役立っていますか?
13〜14年間、卸業に携わっていく中で、扱う商品に対して、「もっとこうすれば良いのに!」ていう歯痒さを感じてました(笑)。そういう衝動が、今の仕事の形になっているんだと思います。
卸業として今まで、何百、何千ってモデルのメガネを見てきたので、やっぱりそこは大きいと思いますね。
-- あの〜、社名である「G.A.YELLOWS」の「G.A.」って何でしょう?
「Glasses Artist」の略です。
ちなみに「YELLOWS」には、黄色人種(自分たち)という意味が込められています。