鯖江メガネファクトリー

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HOME > ゲンバシュギ > 064 田村和久(修理職人)

posted:2013.04.11

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鯖江市内でメガネの修理を請け負う「めがね修理のタムラ」は‘修理’のスペシャリスト。代表の田村和久さんのもとには毎日、全国各地から「大切なメガネをなんとか直してほしい」という依頼が絶えない。依頼されるメガネは格安のものから超高級品まで幅広いが、田村さんは「安いものでも高いものでも、依頼者にとっては、体の一部のようなもの。長く使えるように直してあげたい」と話す。今回のゲンバシュギは大切なメガネにもう一度命を吹き込むメガネ修理の世界に迫ります。


-- 御社のお仕事について教えてください。
02.jpg02.jpg修理を待つメガネ。エンドユーザー様向けに、メガネの修理をしています。プラスチック枠・メタル枠を問わず、メガネならどんな素材でも対応してますよ。

-- メガネ業界に入られたきっかけを教えてください。
両親がロウ付け(※)職人、親戚もメガネ関係の仕事をしていたので、高校を卒業後、自然な流れでメガネ業界に入りましたね。その後、家業を継ぎ、ロウ付けの仕事をしてきました。中学生の頃から家の手伝いでロウ付けをしていたので、眼鏡業界に関わってもう40年になりますね。

※ロウ付けとは金属と金属を接合する溶接のこと。いかに製品に傷を付けずに、ロウ材をはみ出さないで、見た目に綺麗にロウ付けできるかといったところに職人の腕が問われる。

-- なぜメガネ修理を専門としてやろうと思われたのですか?
産地鯖江はOEM(※1)・ODM(※2)の仕事で発展してきたのですが、あくまでも下請け仕事。90年代後半からアジアへの製造拠点の移転、急激な円高、世界的な金融危機などが起因して、仕事が激減しました。そのときに危機感を抱いたのがきっかけですね。自分のスキルを活かした事業をしようと思い、2000年からメガネ修理の仕事を始めました。

※1:OEMとは委託者のブランドで製品を生産すること。
※2:ODMとは委託者のブランドで製品を設計、生産すること。

-- メガネ修理のノウハウはどこで学ばれたのですか?
05.jpg05.jpg修理で使用する道具。父親やメガネ業界の仲間から教わりました。父親は大手メガネメーカーのアフターサービス部門で働いていた経験もあったので、知識と確かな技術を持っていましたし、根っからの職人でした。父がいなかったら今の仕事はしてないと思います。あとは全国のメガネ修理をしている小売店の方と情報交換をしてきたのも大きいですね。

どんなメガネでも依頼できるのですか?
そうですね。安価なメガネから超高級品まで承っています。この仕事を始めてわかったんですが、メーカーや販売店によっては、アフターサービスをしてないところが結構あるんです。それはおかしいと思いますし、だからこそ僕は困っているお客様のメガネを直してあげたいですね。安いものでも高いものでも、依頼者にとっては、体の一部のようなものなので、長く使えるようにしてあげたいといつも思っています。

--素晴らしいですね。 ホームページを見たお客さんからのご依頼が多いのですか?
07.jpg07.jpg田村和久氏そうですね。HPを通じてご連絡をいただくことは非常に多いですね。今ではパソコンがないと商売ができないぐらいすごく重宝してますが、実は40歳ぐらいまではパソコンを触ったことがなかったんですよ。知り合いから「これからはインターネットの時代だよ」と教わり、パソコンや携帯電話を買ったのですが、初めは起動するボタンがどこにあるのかさえもわからなかった。(笑)それが今では会ったこともないお客様とインターネットを通じてやり取りしてるので、挑戦してよかったなぁと感じています。最近では海外在住の日本人のお客様からの修理依頼も増えてきました。



04.jpg修理箇所を気づかれないように直すのが腕の見せ所。


--どんな修理の依頼が多いのですか?
03.jpg03.jpg丁番の修理が多いそう。色んなパターンの修理依頼があるので一概には言えませんが、プラスチック枠なら丁番が壊れるケースが一番多いですね。部品は色々な種類があるのですが、欲しい部品がすぐ揃う環境なので、‘鯖江’という地の利を感じますね。またメガネ以外にも時計や仏具・アクセサリーの修理もしていますよ。

--御社の強みはなんですか。
お客様とマンツーマンでやり取りできるのが強みですね。お客様の要望がダイレクトに伝わりますし、意思疎通がしやすいのは大きいと感じています。お客様の生の声が聞けるので、的確に問題を解決できます。

06.jpg06.jpgお客様から届いた手紙はいつも目の届くところに置いてある。-- 修理の仕事をされていて、やりがいのある瞬間を教えてください。
今まで1万人以上のお客様のメガネの修理をしてきましたが、やっぱりお客様から感謝の言葉をいただくときが一番嬉しいですね。わざわざお手紙や電話をいただいたりすると、修理の仕事をしてきてよかったなと感じます。実は依頼されためがね修理品でケース無しや破損したケースで送られた方にはオリジナルハードケースとめがね拭きをサービスさせていただいているんですが、それもすごく喜ばれるんです。自分がよかれと思ってサービスしたことが、お客様の満足に変わることに自分も喜びを感じますし、やっぱり何事も思いやりが大事なんだろうなぁと思います。


-- 今後の夢を教えてください。
08.jpg08.jpg修理ができるメガネの小売店さんを育てていくことですね。お客様の声を聞いていると「小売店では修理を断られた」という話がすごく多いんですよね。そういう話をよく聞いていたので、実は昨年から眼鏡小売店に出向いてメガネ修理技術講座を行っています。自分が小売店向けに修理の技術を伝えることで、お客様の前でその場で直してあげられるような体制作りができればいいなと考えています。それが眼鏡業界や鯖江の未来へのバックアップになれば本望ですね。

-- 本日はありがとうございました。

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田村 和久 KAZUHISA TAMURA
眼鏡修理職人
生年月日: 1964年5月27日

社名:めがね修理のタムラ
創業:2000年
従業員数:1名
住所:福井県鯖江市長泉寺町2丁目1-8
TEL:0778-51-4046
WEB:http://www3.ttn.ne.jp/~tamura.k/


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