鯖江メガネファクトリー

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HOME > ゲンバシュギ > 054 岩井政雄(テンプル職人)

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有限会社アーム・イワイでは眼鏡のテンプル部分の製造を行っています。「日々感謝の心を忘れない」という心掛けと長年の経験が、丁寧なお仕事に表れています。展示会直前のお忙しい中、社長の岩井政雄氏がインタビューに答えてくださいました!

良い仕事をしていないと仕事は来ない

--こちらではどういったお仕事をされているんですか?
img2.jpgメガネの素材で作られた茶杓。 うちは眼鏡のシート、ウデ、モダンの専門です。樹脂板をカットして、型に入れて成型した物に、シューティングといって芯棒を刺して作ります。最後は研磨をして完成です。他にも眼鏡の材料を使って茶杓などを作ったりもしています。

--なるほど。一日にどれくらいのテンプルを作られているんですか?
日によっても違いますが、大体一人で一日800本くらいですね。

-- 一人で800本ですか!今のようなお忙しい時期はもっと多いってことですね。
そうですね。腕の注文っていうのは、●枚っていう単位で来るんです。眼鏡の腕は眼鏡1枚につき2本だから、1万枚注文が来たら腕は2万本作らなきゃいけない。そう考えると大変ですね。こういう樹脂の腕は、今の時代セルフレームだけじゃなく、メタルフレームにも使っているから、眼鏡作りの中では結構忙しい工程だと思います。

--お仕事をされていて一番気を使うところはどこですか?
シューティングの際に、腕の中心に芯を入れなくてはいけないので、そこが一番緊張します。ここでずれると、フロントと腕を組み合わせた時に、合わせ目の幅がずれてしまうので大切なところです。

--確かに、直接目に見えてしまうところですから気を使いますね。今までに、特に難しかった仕事はありますか?
img4.jpgシューティングに使われる機械。 シューティングに使う芯金が、薄くコンマ台のものだった時は、差し込む時に芯棒の方が負けちゃって曲がってしまうので、難しかったですね。

--どこにも負けないこだわりというのはありますか?
どんな注文が来ても断らないよう努力するということですかね。次の注文にもつながりますから。

--先程のような難しい注文が来た場合は、社長さんがはじめに試行して作り方を考えるんですか?
そうですね。うちは金型も金型屋さんと相談しながらオリジナルのものを作っているので、難しい注文でも、できるだけ手間のかからないように作業ができます。

--お仕事をされていてやりがいを感じる時は?
シューティングで、芯棒の高さや幅がずれずに入った時や、メーカーさんから「この間の仕事よかったよ」といわれると嬉しいですね。良い仕事をしていないと仕事は来ないので、毎回毎回丁寧に仕事をしています。
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いかに短時間でトラブルを対処できるか

-- 社長はこの道何年になるんですか?
img1.jpg岩井政雄氏30年になります。もともと父が立ち上げた会社を今は継いでいます。

-- 今もお父様は、一緒に働いておられるんですよね。
そうですね。やはり、経験値では父には敵わないので、今でも分からないことは相談することもあります。

-- 一人前になるにはどれくらいかかりますか?
img3.jpgモダンと呼ばれるシューティング前のテンプルは、中の空洞にゴミが入らないように詰め物をするという徹底ぶり。 10年はかかるんじゃないですかね。やり方を覚えるだけなら2、3年あればできますけど、この世界はトラブルがつきものなので、色んな経験を積んでいかに短時間でトラブルを対処できるかということまで出来るようになるには、10年はかかると思います。

--なるほど。社長は小さい頃からこのお仕事を継ごうと思っていたんですか?
そうですね。子どもの頃から手伝いをしていました。この河和田という地域は眼鏡も漆器も家族でやっているところが多いので、私の知り合いもみんなそれぞれに家を継いで頑張っていますよ。

--では、今後この仕事を継ごうという若い世代にアドバイスをするならば?
今は機械も揃っているし、若い人は飲み込みも早いから、作りやすいと思います。ただ、この仕事は同じ作業をずっとやるので根気が一番大事だと思いますね。

--本日はありがとうございました!

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岩井政雄 Masao IWAI
テンプル職人
生年月日:1962年4月2日

社名:有限会社アーム・イワイ
従業員数:7人
創業:昭和35年
福井県鯖江市別司町50-2
TEL 0778-65-0612