鯖江メガネファクトリー

ゲンバシュギ

 
 

眼鏡フレームの表面処理メーカー、(有)ハンズでは、11種類にのぼる表面処理の技術のバリエーションを持つ。その内の一つである電着塗装は、樹脂塗料を水に溶かした中に、電気を流すことで塗装膜の厚みが一定になる技術だ。今回は、(有)ハンズで電着塗装に携わる片岡貴司氏(以下 片)にお話を伺った。


求められる仕事をする

片岡貴司氏

--まず、このメガネ業界に入った経緯を教えてください。

片)表面処理というカテゴリーに非常に興味があり、入社しました。就職活動をしていて、色んなところを面接してるうちに、この技術がおもしろそうだなって思ったんです。表面に付加価値をつけるということですよね。その処理によって製品の価値を上げるっていうやり方に、非常に興味を持ちました。

--どんなことに苦労されましたか?

片)一番苦労したのは、「不良」ですね。特に、私がやってる電着塗装というのは、メッキ処理よりも不良の数が多いものですから。表面上に異物がついたり、塗装の膜の色が寄ってしまったり、きれいに仕上がらなかったら、それが全て不良になってしまいます。それが異常に発生するんですね。原因が分かってる不良ならば対応のしようもあるんですけど、自然的な問題…例えば、風が強いから埃が付くとかですね(笑)。それも作業環境を整えるという解決方法もあるんですけど、整えても整えてもそうなってしまうっていうことにやっぱり苦労しましたね。

--それは今もずっと苦労していることのひとつなんですか?

片)そうですねー。まあ最初から比べれば原因の特定もすぐに出来るようになってきましたし、それに対する対処っていうのも分かってきてるので、素早く対応できるようになってはきたんですけど、それでもやっぱり苦労してます。

--このお仕事の魅力というと何でしょう?

片)やはり仕上がりの美しさですかね。自分の求めるものが出来てくればやはり嬉しいですし、出来てこなければ改善をしていかなければならない。何かがおかしいと、どんどん嫌になっていく。そして、どつぼにはまっていきます(笑)。

--(笑)。

…どこの工程も一緒だと思いますけどね。求められる仕事をしていくっていうのがやっぱりプロの仕事、お金をもらってやってる仕事だと思うんで。そこで妥協は、したくないですね。

--ものづくりに対するこだわりはありますか?

片)求められているものを求められている形で返す。それがやっぱりこだわりですね。相手が求めていないものを作ったって意味がないですから。それが自分がどんなに良いと思っているものでもね。相手の要望に答えられる仕事がしたいなと思います。

--逆にご自分で、電着塗装で新しくこういうことをやってみたい、美しさを追求したいというお気持ちはありますか?

片)まあそれは、ある仕事に付随する色々な方法や技術は、提案として出てきます。それで何かできるといいなとは思いますけど、基本はやはり求められたものを返すことですね。

「技術」は、おもしろい

--この電着塗装のお仕事は何年されているんですか?

…10年ですね。この会社では3年くらいですけど。

--お仕事を始められてから長いんですね。

片)長くはないですね。まだ僕なんて駆け出しのペーペーですから(笑)。さわりを知ってるくらいです。僕も電着塗装の塗料というものを扱ってるわけですけど、その塗料も日進月歩、進化していくものですからね。塗料のメーカーさんと連絡を取り合ったりして、もう少しこういうものができないかとか、常に新しいもの、それはお客様が求めるものであったり、自分が求めるものであったり。そういったもので少しずつ進めていけたらいいなと。

--これだけは負けないということは?

片)特に何かと勝負してるわけじゃないんで(笑)。作ってるわけですから。お客様から預かった物を、いかに求められたかたちで返すことができるかということですからね。それを勝負というなら全てにおいて負けられませんしね(笑)。

--ものづくりの喜びというと、どのようなところにありますか?

片)メガネ作りというか、表面処理を仕事としてるものですから…出来上がりの美しさですかね。きれいといってもらえるのが一番嬉しいですね。単純に(笑)。

--このお仕事をこれからやろうとする方々にメッセージをお願いします。

片)この仕事に限ったことではないですけど、やっぱり技術はおもしろいですね。ものをつくるっていうのはおもしろいです。出来不出来にしても、自分の手にかかってるものですから。ただ、しんどいことも多いですけどね。しんどい分だけ、上手く出来上がった時の喜びは大きいです。

片)あと、その技術を知っていくってことに対しての喜びもありますね。ただ言われたことをしているだけではなく、自分で行動する、自分の手によって、新しくより良いものにしていく。それも技術のある人間とない人間がやるのでは、仕事の出来が全く違ってくると思うんですよね。その技術を学んでいくってことがやっぱりおもしろいですし、自信にも繋がります。トラブルとかを解決した時には、ひとつ成長した実感が味わえるんじゃないんですかね。

--電着塗装の技術は、会社に入ってから学ばれたのですか?

片)そうです。全く知らないところから入っていったからこそおもしろかったんだと思います。知ってることをただやっているのではなく、ひとつひとつ学んでいくおもしろさっていうのもやっぱりあったと思いますね。

--最後に、あなたにとって仕事とは?

片)自分が誇れるものであればいいと思いますね。自分のやった仕事・技術が、自分の力だと思えるのがいいですね。

 
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  • 片岡 貴司 Takashi KATAOKA
  • 業   種:電着塗装職人
  • 生年月日:  1975年4月10日
  • 社   名: 有限会社 ハンズ
  •        2001年創業/従業員数13人
  • ホームページ:http://www.sawayaka-g.jp/kumiaiin/glasses/post-102.html

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